1. 問題点: 人手不足と変わらない業務量
3. 解決策: 生産性KPIの可視化とタスク割り当てを行うFlow Assistant
(多忙な店舗業務の中で人事生産性を向上させるのは非常に難しい)
1. 問題点: 人手不足と変わらない業務量
小売業は、顧客需要の変化に応じて、提供する商品・サービスの改善や業務処理のスピードアップが常に求められます。
その際のキーワードのひとつが「生産性」です。「生産諸要素の有効利用の度合い」と定義され、様々な指標が存在しますが、とある生産(アウトプット)を生み出す活動(インプット)がどのくらい効果的か、を示すものです。
代表的なものが労働生産性です。従業員数÷売上=従業員ひとりあたりの労働生産性、労働時間÷売上=1時間あたりの労働生産性、などを注視されている方もいらっしゃると思います。これらの総称が「人時生産性」であり、昨今話題となっています。
人事生産性の向上のためには、経費を抑え、業務効率を上げることが一般的ですが、ここ最近、その課題は非常に重くなっています。要因は以下の4点です。
1) 深刻な人手不足
日本国内の生産年齢人口は減少、求人倍率は年々上昇傾向。宿泊/飲食・生活関連サービスに続いて、小売でも働き手不足が問題に。
(総務省「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」(2022年7月)より)
2) カスタマーサービス業務
顧客対応サービスの重要性が増加。デジタル社会ゆえに顧客対応の様子が即拡散され、企業評価を左右しかねない。他社との差別化を目指す上でも大切な業務。
3) 商品の品揃えタスク
商品・サービスの品揃えと在庫管理は、顧客満足度・売上の誘引要因。しかし前述の人手不足や顧客対応などによってそれらが十分に行えない場合、売上は低迷する傾向に。
4) 社会・経済の影響
コロナ禍による消費者行動変容=店舗購買が減少、円安による原材料高騰=商品価格上昇による買い控えなどが顧客のライフスタイルに直接影響し、購買行動を直撃。
これら要因をふまえて、人時生産性を上げていかなくてはなりません。コロナ禍で最も影響を受けた小売業界は、非常に困難な局面に立たされているといえます。
さらに、店長や店舗スタッフが行うべき店舗業務は多岐にわたります。少ない従業員数で、しかも業務量はほとんど変わらずに、店舗売上と利益の最大化を狙わなくてはなりません。ということは、これまで以上に、店舗の動き方が極めて重要であることは明らかです。業務の優先順位、その時々での的確な指示、顧客対応上で重視すべきポイントなど、ある程度為すべきことを絞り込んで事にあたらなければ、人時生産性の向上は成し得ません。
では、どうすれば良いのでしょうか?
2. 方向性: 店舗データを利活用が業務整理につながる
一番手っ取り早い解決策は「店舗を知る」こと、そして「次に活かす」ことです。至極当たり前のことですが、その実施方法がポイントです。
店舗を知るといっても、それはただ売上傾向を掴む、顧客の購買傾向を掴む、接客を強化する、在庫を確保する、などの単元的な分析と対策のことではありません。それら全ての要素がつながってはじめて、店舗は存在するはずです。つまり、透過的に店舗状況を可視化する仕組みづくりが必要です。
店舗前の通行量、来店、店内回遊などの人流データ。客単価x購買件数、購買点数や時間帯別金額・件数傾向などの売上データ。店舗に従事するスタッフの人数やスキルなどのスタッフ管理データ。さらには、路面店・テナントなどの出店属性や日々の天候・気温など、店舗に関するデータを収集・統合すれば、店舗パフォーマンス全体は可視化されます。
その上で、時間軸での比較で昨日と今日はなにが違うのか、先週の同じ曜日と今日はなにが違うのか、先月同日と今日は、昨年同日と今日は…パフォーマンスの比較によってどこがボトルネックとなっているかが見えてきます。
これが「店舗を知る」ということです。そして、これだけでは実は不十分なのです。
(人事生産性の向上が、お客様への素晴らしい買物体験の提供につながります)
いくら十分に傾向値や分析結果を示すデータがあったとしても、それらを眺めているだけではなにも変わりません。それらを次の行動に活かすことで、それまでとは異なる顧客の反応、売上傾向、業務負荷の変化が必ず生じます。
来店客数が少なく売上が小さい時間帯は、接客を強化し、客単価の向上を図ってその手法を手早く検証することが、日次売上を追いかける上で得策かもしれません。
売上が大きい時間帯であれば、接客は最少人数のスタッフで回し、売上傾向でセット購入が多い安価商品の棚出しをあえて行って店内客に知らしめ、セット購買意欲を煽る方法もあるかもしれません。
データに基づいて「次に活かす」ことが、結果として人事生産性の向上につながります。その試行錯誤によって店舗は改善し、効率化され、売上が伸びていくのです。
3. 解決策: 生産性KPIの可視化とタスク割り当てを行うFlow Assistant
「店舗を知る」は、前述のように、店舗のデータを収集・統合してデータとして可視化することで実現します。いわゆる店舗分析系のソリューションがそれに該当しますが、弊社Flow Solutionsが提供するFlowは、その最たる例です。
非常に扱いやすく見やすいUI/UXにこだわっているため、データに慣れ親しんでいない方、数字が苦手という方であっても、一目で状況グラフや一覧など、多彩なビジュアルで簡単に理解することができます。
(Flowのダッシュボード画面。店舗パフォーマンスが一目でわかります)
Flowがあれば、「店舗を知る」ことができます。問題は、ここからです。
これら傾向値をふまえて、どのような改善策を練るべきか。どのポイントに的を絞って、店舗でどのような策を講じるのか。それを誰にやってもらうのか。そして、それはどのような結果になったのか。
これを解決する機能が、Flow Assistantです。指定されたKPIを注視し、その変動をリアルタイムに捉えて、その情報が必要なメンバーに対し、予め設定されたメッセージを自動で配信する機能です。
たとえば、以下のような利用例が考えられます。
ユースケース: 店長「スタッフ行動の適正化・効率化」 課題: 売上が曜日・時間帯別でブレる。スタッフに起因していると思うが、都度時間を取って指導できない… ↓ 解決: スタッフ生産性KPIとして「スタッフ効率(売上÷スタッフ人数)」「購入転換力(購買人数÷スタッフ人数)」を指定。平均値を下回る場合Flow Assistantでアラートを発信し、具体的な改善行動を提示 ↓ 効果: スタッフに直接届くメッセージで改善指示が容易。都度の指導時間が削減され、店舗業務に注力できる。継続すればスタッフ自らの知見・理解力が深まる |
ユースケース: エリアマネージャー「現場の状況把握」 課題: 担当店舗それぞれの状況を常に把握していたいが、手間も時間も掛かってしまう… ↓ 解決: どの店舗で、どのKPIに関するアラートが配信されたかを把握 ↓ 効果: 各店のパフォーマンスを把握。特定KPIに強い・弱い店舗、時間帯別の配信傾向などが可視化され、店舗ごとの助言・指導・対策が取りやすくなる |
ユースケース:店舗スタッフ「改善行動のタスク化」 課題: 売上対策の指示が本社から落ちてきたが、全店で画一的に通達されてもどうすれば良いかわからない… ↓ 解決: 売上対策における行動をタスク設定し、店舗ごとにスタッフ個人/チームに割り当てて仕事を明確化 ↓ 効果: 曖昧な指示ではなく具体的な指示でTo-Doが明確に。データに基づいた行動・指導で確信を持ったアクションを行うことができる |
Flow Assistantの設定は簡単で、どのKPIがどのような状況になった場合、いつ、だれに、どんなメッセージを配信するかを選択することができます。またテンプレートもご用意しているので、イチから設定することなくすぐに始めることも可能です。
また、Flow Assistantはデータソースを選びません。自社で既にお持ちのデータ群と連携させることで、様々な店舗データや基幹システムの情報をトリガーとしたメッセージを配信することができます。たとえば、来店客数データと在庫管理データを連携すれば、店舗の来店客数傾向を参照しながら在庫状況を捉え、その過不足をアラート配信することも可能です。
【Flow Assistantの受信ツールはFlow for mobileが便利】
Flowの基本的な情報閲覧はもちろん、Flow Assistantのメッセージを受け取るチャット機能も実装。いつでも・どこでも、店舗データの利活用が実践できます。
<Flow Assistant活用例シリーズ>
活用例①売上向上の改善行動を提案
活用例②売上進捗確認の効率化
【ユースケース】データドリブンな店舗と店長の1日
FLOWはこれまでも、店舗データの利活用による売上向上・業務効率化・顧客満足度向上をサポートして参りました。これをさらに推し進めるために開発されたFlow Assistantは、小売業の店舗経営を大きく進化させるものです。