経営課題/リテールDX

「2025年、人は「買い物」をしなくなる」を読んで気づいたこと

ここ数年、百貨店、スーパー、専門店など小売業界が試練に直面しています。10年前とははっきりと買い物の仕方が変わっています。なぜ買い物離れが起こっているのでしょうか?本書では「デジタルシェルフ」「サブスク」「AI」「ショッピング体験」などのキーワードを中心に、トレンドの変化について解説しています。


 ミーティング予約
TOPICS:

1.  本の概要

2. 著者プロフィール

3. 印象に残ったポイント
 
4.まとめ



1. 本の概要


「2025年、人は「買い物」をしなくなる」 望月智之 著

ここ数年、百貨店、スーパー、専門店など小売業界が試練に直面しています。10年前とは明らかに買い物の仕方が変わっています。

なぜ買い物離れが起こっているのでしょうか?

この本では「デジタルシェルフ」「サブスク」「AI」「ショッピング体験」などのキーワードを中心に、トレンドの変化について解説しています。

 

2. 著者紹介

1977年生まれ。株式会社いつも.取締役副社長。
東証1 部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつも.を共同創業。

同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。

自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。
デジタル消費トレンドの第一人者として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。

 

3. 印象に残ったポイント


「わざわざ行く価値がある」という店舗だけが生き残る時代へ

著者によると、特に若い世代において、従来のマスメディア(テレビCM、雑誌広告など)の効果が少なくなっています。多くの若者はマス広告を信用していません。では何を信用するのかと言えば、AIと口コミの2つです。

たとえばAmazonは独自のアルゴリズムを利用して顧客におすすめを提供しています。また、インフルエンサーマーケティングは多くの若者にとって身近なものであり、マス広告よりもフォローしている人の口コミを信じて商品を購入することが増えています。

これらの背後には、世の中に物が溢れていること、そのたくさんの商品の中から最適なものを選ぶことが楽しみであると同時に、時間のかかることで、時にはわずらわしいことであるという意識が根底にあるのではないでしょうか。AIやインフルエンサーがおすすめを提供してくれるのであれば、自分で1からリサーチしたり店舗に行って商品を選ぶより、手軽と言えるかもしれません。

たとえば、2019年にオープンした「MUJI HOTEL」では、レストラン、ショッピングホテル客室を備えているだけでなく、無印良品の世界観を体感できるギャラリーやバーなどがあり、思わず写真に撮ってSNSに投稿したくなるような空間が多くあります。店舗離れが進んでいる昨今、実店舗では「そこでしか体験できない何か」を提供していくことが生き残るためのキーワードになります。

さらに高まるSNSの重要度

SNSの普及についても見逃せない変化の一つです。

アメリカでは、ショップ店員の採用基準についてInstagramのフォロワー数を基準にするという傾向も出てきており、これはインフルエンサーマーケティングを重視している企業が多いことを示唆しています。

最近ではアパレル店舗内に、ライブ配信するためのブースが設置され、販売員やインフルエンサーが商品についてライブ配信を行うケースもよく見られます。


世の中のあらゆるものが「サブスク化」されていく

買い物にとってわずらわしいことは商品を選ぶことだけではない。お店に行ったり、棚から目的の商品を探したりすることには時間を消費する。

そんな不便を解消するのが「サブスクリプションサービス」である。サブスクは買い物のストレスから消費者を解放した。

たとえば代表的なものが、音楽や映像コンテンツのサブスクである。サブスクが一般的になる前は、これらを手に入れたいと思えば、CDショップやレンタルショップへ行く必要があった。

レンタルでは、借りる、返す、と何度も店舗に足を運ぶことになり、時には返却を忘れて延滞料が請求されてしまうこともある。

サブスクであればこれらの手間がないと同時に、定額サービスに加入していれば追加料金なしに様々なジャンルのコンテンツを試すことができる。

無形商材のコンテンツだけでなく、車や、飲食、サービス業に至るまで、いまや「サブスク化」されていないものはないのではないかと思えるぐらい、サブスクサービスは多様化し、ますます広がりを見せている。

似たサービスにレンタルサービスがあるが、サブスクとレンタルの違いは、定期的に料金を支払うかどうかの違いというところである。

最近はメルカリで商品を買い、少しだけ使ってまたメルカリで売るということを繰り返し行っているケースも多くみられる。 この場合、物を所有しているという感覚があまりないので「疑似的なレンタル」といえるかもしれない。

買い物の「楽しみ」とは

百貨店が登場したころには、「買い物」とはひとつのエンターテインメントであり、休日に家族で百貨店に出かけることがひとつの「レジャー体験」であったと言えるかもしれない。

現在は百貨店だけでなく、ショッピングモールなどで買い物以外の食事なども同時に楽しめる施設が増えていますが、気軽に様々なエンターテインメントが楽しめる現代においては、「買い物=休日の楽しみ」という感覚は数十年前より少なくなってしまったように思えます。

では、様々な技術の進歩により、買い物がより簡単でスピーディーに行えるようになった代わりに、商品を選ぶプロセスにおける楽しみが失われるのでしょうか。

著者が述べているように、
わずらわしい買い物のプロセスが省略されることによって、人々がかえって「買い物の本当の楽しさ」に気づいていくかもしれません。

YouTubeで「開封の儀」動画が人気であることからもわかるように、
買い物をして、その商品を開封する瞬間の「ワクワク感」こそが買い物の楽しみの要点であり、失われないものである。

4. まとめ

この本では、このほかにも小売業界の未来と最新のトレンドについて丁寧に解説されています。

・「デジタルシェルフ」や「インフルエンサーマーケティング」などの最新キーワードについて詳しく解説しています。

・未来型店舗や実店舗の様々な業態についても知ることができます。

・なぜ買い物離れが起きているのか、近年の買い物に対する感覚の変化について知ることができます。

 

小売店舗のこれからは、店舗分析が鍵。
「1分でわかる店舗分析」
↓動画をクリックして開始↓ 

 



その他おすすめ記事はこちら:

◆コロナ禍でも来店客数6.3%増、売上前年比25%増に成功【人流計測データ活用】店舗のパフォーマンスが向上

◆購買率の最適化:小売業における成功の鍵




店舗離れが広がる現代、小売店のデータを活用することが重要な要素になります。
小売店のデータは何を重点的に追う必要があるでしょうか?

 店舗分析導入ガイド

 

■ Flow Solutions 会社概要
 
株式会社Flow Solutionsは、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレルや雑貨店、家電量販店など、これまで100社以上・800店舗以上へのシステム導入と3,000以上のセンサー接続実績があります。リテールデータ活用AIプラットフォームFlowは、IoTによる人流計測データや既存データとの連携によって店舗状況を可視化し、AI技術を用いた多次元なデータ分析を可能にします。店舗データの活用によって売上改善や業務効率化に効果を発揮するソリューション・ベンダーとして、小売業の課題解決にあらゆるソリューションを提供しています。
店舗分析に関することなら何でも、お気軽にお問い合わせ下さい!

お問い合わせ

 

Similar posts

メールニュースを購読

ブログ更新情報をメールで受け取る場合はこちらのフォームよりご登録ください。