データ活用とはー概論ー

【小売】データ分析を成功させるために必要な5つのこと

小売経営者からよく聞かれることに「データ分析を成功させる最善策は何ですか?」「良い結果を生み出す分析ツールは?」というものがあります。今回はそのご質問に答えながら、何故Flow Solutionsが数ある指標の中から「来店数」「購買率」に焦点をあてるのかについても、お伝えしたいと思います。


目次
データ分析を成功させるために必要な5つのこと
データは資産、持つことがスタートライン
 

店舗データは資産 

データ分析を成功させるために必要な5つのこと



「データ分析を成功させるために必要なこと」として、私はいつも以下5つのことをを挙げてご説明しています。

 
1.店舗の評価指標を活用することに対して経営者レベルのスポンサーシップ/オーナーシップがある
たとえば、新設されたソリューション担当部署がDX推進を任され舵取りしようとしても、経営者レベルが真に理解していないと、プロジェクトは中断されてしまう恐れがあります。経営者の強いコミットが必要です。
 
 
2.店舗レベルのデータ利用者が、データからの洞察に基づいて行動をおこし、変化するための権限を与えられている
本部からの指示を待つ受動的な動きではなく、店舗レベルの現場スタッフがリアルな店舗状況に迅速に対応することで、データを元にした意思決定スピードが速まります。
 
 
3.実態を理解し改善する指標として「来店数」と「購買率」に集中する
単に「売上」だけを最重要指標としている企業は要注意です。店舗価値を上げるために、「来店数」は最も基本となる指標であり、「購買率」は来店から顧客への転換を表す指標です。


4.来店数と購買率に関する考察を、会社組織全体で共有する
報告書を共有したものの、組織の一部しか理解していないのではインパクトに欠けます。組織全体が同じ指標を用いて店舗状況を理解することで、本部・店舗ともに「データ考察に基づいた行動」、つまりデータドリブンな経営へと繋げることができます。



5.「購買率の最適化」は、単発の企画ではなく継続的なプロセスとして捉える
「一度試してみる」だけでは、プロジェクトに取り組んだ苦労だけがフォーカスされ終わりでしょう。新しい見方・方法が企業文化として社内に浸透するまで行うべきです。


ビジネスの成功


データは資産、持つことがスタートライン



経営学の権威であるピーター・ドラッカーが述べたとされる「測定できないものは管理できない (you can't manage what you can't measure)」というフレーズをご存知ですか?
(※1 実は、ドラッカーの測定に対する考えは少し微妙であり、測定できない個々の社会的関与、例えば会話などから共通の目的のために他者と協力するという内発的動機付けも重要だというものがあります。又一方で、組織の有効性を高めるためには、結果やパフォーマンスを測定することが重要である、と『マネジメント』の中で書いています。)
 
私は、この言葉が全てではないにしても、組織の有効性を向上させるために必要な考え方として重要であると考えます。何故かと申しますと、測定することで管理が容易となり、改善出来ることがあるからです。
 
特にいまの小売業において、この考え方は重要だと思います。

たとえばアパレルでは、入店したお客様のうち購入に至るのはわずか数%と言われています。その購買率1%の改善が、平均5〜10%の売上向上につながります
購買率の改善は非常に高いROIを示します。言い換えると、来店数を精緻に計測するシステムへの投資は、決して高い買い物ではないのです。

ECと実店舗
右側のファネルにあるように、店舗でのKPI計測が可能です。
貴社店舗は精緻にデータ化されていますか?


昨今人気のある顧客体験やロイヤリティ・プログラム、SNSやモバイルアプリなどを使った取り組みを、企業が優先したい理由も理解できます、その方が派手で分かりやすいですよね。しかし、リアル店舗において、来店数と購買率を把握することは、店内施策やマーケティング施策について非常に多くの考察が得られるという点で極めて重要です。これは決して無視することはできない事実です。
 
以上のように、リアル店舗のビジネスの基盤となる来店数と購買率は極めて重要な指標であり、これらを精緻に計測するシステムを導入する必要性が生じます。この基盤を整えてからでも、他のデジタル施策の改善を行うことは決して遅くはありません。

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店内分析を始める前の パイロットプロジェクトプログラム

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参考:
※1 DRUCKER INSTITUTE/Measurement Myopia



■ Flow Solutions 会社概要

株式会社Flow Solutionsは、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレルや雑貨店、家電量販店など、これまで100社以上・900店舗以上へのシステム導入と3,000以上のセンサー接続実績があります。リテールデータ活用AIプラットフォームFlowは、IoTによる人流計測データや既存データとの連携によって店舗状況を可視化し、AI技術を用いた多次元なデータ分析を可能にします。店舗データの活用によって売上改善や業務効率化に効果を発揮するソリューション・ベンダーとして、小売業の課題解決にあらゆるソリューションを提供しています。

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