1. パイロットプロジェクトのメリット
経営課題の解決に向けて、店舗で新しい企画やシステムを使う場合、その目的の共有(社内全体で取り組んでいくために)が非常に大切になってきます。その意識付けにパイロットプロジェクトは欠かせない第一歩といえます。
本格導入がスムーズに展開されるためには、テスト導入時から最終段階までを通してプロジェクトに携われるスタッフ(店長クラス)が必要になってきます。それは、テスト段階からの経験をもとに、問題解決の力を養い、新技術を使いこなす経験を積むことが出来るからです。
現場の協力を得ながらの、現場ニーズの正しい吸い上げは、今後の施策の動機付けや教育方針の修正などをし易くしますし、テスト導入で得られたデータはその後の本格展開の基準値となっていきます。
一店鋪のみならず、複数店鋪でパイロットを行うことで比較対象が容易になります。
【メリットまとめ】
・社内スタッフ間での意識付けとなる
・経験を積んだ店長が新技術を使い、問題解決するノウハウを持つことが出来る
・チームワークをつくり、今後の連携体制を整える
・基準データとして比較対象となる

2. パイロットプロジェクトにみられる、陥りやすい罠
パイロットプロジェクトの意図を理解していないと、導入直後から数値改善を求めてしまい、結果的に現場にプレッシャーを与えるのみとなってしまいます。
本格展開に向けての基準値の取得が目的であること。その後に改善期待値の設定を行っていく様になることを理解する必要があります。
パイロット対象店を選択するときに、旗艦店などの標準モデルとは異なる店舗を選定し、横展開ができない事があります。時に
旗艦店が適していることもありますが、一般的には、標準的な店舗を選ぶことで横展開しやすくなります。
パイロット対象店舗を全国に点在して選択してしまうと、最初からコントロールが難しくなる事があります。初期段階では少人数のエリアマネージャーやブランドに絞って徐々に拡大していくことが望ましいといえます。
開始の規模については、1店鋪から始めた場合に費用は低く抑えられますが、データの比較対象がないため活用・運用までを考慮すると、結果的に数店鋪(5店鋪以上)から始めたほうが費用対効果が高い傾向にあります。

3. パイロットプロジェクトのながれ