最近の小売業界において、お客様の行動分析についての関心が高まり、店舗分析、店内分析、動向分析、といった様々な言葉で聞かれるようになりました。パイロットプロジェクトという言葉は聞いたことが有りますか?
店舗分析の本格導入の前に、「パイロットプロジェクト」と呼ばれる実店舗において試験的な効果測定を行い、本格導入に向け準備を整えていく方法があります。
TOPICS:
1. パイロットプロジェクトのメリット
2. パイロットプロジェクトにみられる、陥りやすい罠
3. パイロットプロジェクトプログラム
1. パイロットプロジェクトのメリット
店舗で新しい企画やシステムを使う場合、その目的の共有(社内全体で取り組んでいくために)が非常に大切になってきます。その意識付けにパイロットプロジェクトは欠かせない第一歩といえます。本格導入がスムーズに展開されるためには、テスト導入時から最終段階までを通してプロジェクトに携われるスタッフ(店長クラス)が必要になってきます。それは、テスト段階からの経験をもとに、問題解決の力を養い、新技術を使いこなす経験を積むことが出来るからです。
現場の協力を得ながらの、現場ニーズの正しい吸い上げは、今後の施策の動機付けや教育方針の修正などをし易くしますし、テスト導入で得られたデータはその後の本格展開の基準値となっていきます。
一店鋪のみならず、複数店鋪でパイロットを行うことで比較対象が容易になります。
メリットのまとめ
・社内スタッフ間での意識付けとなる
・経験を積んだ店長が新技術を使い、問題解決するノウハウを持つことが出来る
・チームワークをつくり、今後の連携体制を整える
・基準データとして比較対象となる
2. パイロットプロジェクトにみられる、陥りやすい罠
パイロットプロジェクトの意図を理解していないと、導入直後から数値改善を求めてしまい、結果的に現場にプレッシャーを与えるのみとなってしまいます。本格展開に向けての基準値の取得が目的であること。その後に改善期待値の設定を行っていく様になることを理解します。
パイロット対象店を選択するときに、旗艦店などの標準モデルとは異なる店舗を選定し、横展開ができない事があります。時に旗艦店が適していることもありますが、一般的には、標準的な店舗を選ぶことで横展開しやすくなります。
パイロット対象店舗を全国に点在して選択してしまうと、最初からコントロールが難しくなる事があります。初期段階では少人数のエリアマネージャーやブランドに絞って徐々に拡大していくことが望ましといえます。
予算から一店鋪のみで始めた場合、比較対象がないため、結果的に数店鋪(5店鋪以上が望ましい)から始めたほうが低コストで効果が得られる場合があります。
3. パイロットプロジェクトプログラム
①全体的なプロジェクト案の策定と認承
②店舗へのハードウェア設置と検証
③立案プロジェクトの実行
④対象店舗からのフィードバック
⑤改善プランの策定と認承
⑥改善プランの実行
⑦プロジェクトの評価
⑧本展開に向けての策定と認承
(この期間は標準的な値ですので、ご相談下さい。)
私達Flowsolutionsでは、パイロットプロジェクト導入時より、企業スタッフの皆様とより近い距離で、共に未来を創り上げることを目指し、本格導入成功へのお手伝いをさせていただいております。