IoTセンサーカメラを使用し、お客様属性を分析してマーケティングに利用する小売企業が増加しています。しかし、個人情報保護に対する懸念もあります。この記事では、属性分析の意味や個人情報の取り扱い、最新のカメラ利活用動向について解説しています。
データの有効活用とプライバシー保護の双方を考え、お客様視点を忘れずに事業を進めることが重要です。
1. IoTセンサーでわかる属性分析とは?
2. 個人情報は保護される?
3. カメラ利活用の新たな動き
1. IoTセンサーでわかる属性分析とは?
来店客数と同じく、こちらも多くは推測や主観に依存しがちなKPIですが、きちんと数値として把握することでマーケティングへの有効なデータとなります。
例えば、イベントの効果測定としてターゲット層の集客力を測り、次回イベント企画のスケジューリング、KPI設定、マーケティングコミュニケーションなどに活用することができます。その他、MD・VMDといった企画などに使うなど、様々な点でデータが役立ちます。
2. 個人情報は保護される?
ここで、個人情報について改めて考えてみましょう。
個人情報保護委員会(PPC/Personal information Protection Comission)が公開している最新の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」によると、個人情報の定義は以下のように記載されています。
—————————————————————————
個人情報の定義(個人情報保護法2条1項)
この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
また最近よく聞く顔認識と顔認証ですが、ここにも違いがあります。
顔認識 ー 人間の顔を検出し、「性別」「年齢」を識別。
顔認証 ー 顔を検出し、登録しているデータと照合。個人を特定。
これをIoTカメラで得るデータに置き換えて考えてみると、総務省 経済産業省「カメラ画像利活用ガイドブック」
—————————————————————————
・特徴量データ
—————————————————————————
・属性情報
「画像データから機械処理で推定した、性別・年代等の情報。当該情報のみでは特定の個人を識別できないため、「個人情報」ではない。」
—————————————————————————
→ こちらを弊社では取り扱っており、AIによる画像解析はしておりません。
3. カメラ利活用の動き
—————————————————————————
・リピート分析
「 特定空間(店舗等)に設置されたカメラで、目的に応じて定めた期間、「特徴量データ」 (個人識別符号)を保持して、同一の人物が来店した際にそれを識別し、単一店舗又は同一の事業主体が運営する複数店舗において、同一の来店客の来店履歴、来店時の店舗内動線、購買履歴、推定される属性(性別・年代等)等を一定の期間にわたり連結しつつ取得し、分析するもの。」
「リピート分析では、同一人物のリピート判定を行うために特徴量データを利用することを前提とする。ただし、利用目的に応じて定めた期間中又は期間後に、特徴量データを破棄し、特徴量データに紐づけられていた動線データ、属性情報、購買履歴等を、特定の個人を識別できないよう加工(統計化する、匿名加工を行う、個人情報でない仮名加工情報へ仮名加工を行う等)した場合には、当該情報単体では原則として個人情報ではない。
デジタルを取り入れ、データをマーケティングに活用したいという事業者が増えている一方、プライバシー保護の観点からの意見もあり、企業としてのバランスが求められています。
データ利活用に限らず、お客様の視点を忘れずに事業推進に取り組むことが次のステージを切り開いていくことにつながります。
参考:
個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」
総務省 経済産業省「カメラ画像利活用ガイドブック」
■ Flow Solutions 会社概要
株式会社 Flow Solutions は、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始、アパレル、雑貨店をはじめ、家電量販店など、900を超える店舗の売上改善のためのデータ活用を提供。店舗可視化IoTシステムを通じて取得する顧客行動データの提供、データ活用のためのアフターサポート、さらにデータからすぐに行動につながる通知サービスの提供を開始し、小売課題解決のためのあらゆるソリューションを提供しています。店舗分析に関することなら何でも、お気軽にお問い合わせ下さい。