リテール分析

日本の人口減少が小売業に与える影響とは?

将来推移人口が2070年には8,700万人に減少すると予測されている日本。2024年総人口は1億2,409万人(概算値)と前年同月と比較して66万人減少し、出生率は過去最低となっているこの現状を踏まえ、小売業界が予測すべき店舗の未来とは?そして、今後に向けてどのような対策を取るべきでしょうか?


目次
日本の人口問題
小売業界への人口減少の影響
消費行動の変化
オンラインショッピングの台頭
実店舗の価値とは
地方店舗の課題と解決に向けた取り組み
 
日本の人口減少

 

日本の人口問題


 

厚生労働省が2023年5月に発表した将来推移人口によると2020年総人口実績値は1億2,615万人でしたが、2070年には8,700万人に減少すると予測されています。*1

総務省統計局が2024年1月に発表した人口推計では、総人口は1億2,409万人(概算値)と前年同月と比較して66万人減少しており、その減り幅が大きくなっていることを示しています。*2

また、日本総合研究所による出生率の推計では、23年の出生数実績が推計値を1万2千人下回り出生率1.20程度になる見通しを発表をしており*3今後さらに少子高齢化が顕著となると予測され、国をあげて人口減少への歯止めをかける取り組みが必要となっています。


日本の人口減少

小売業界への人口減少の影響



では、こうした人口の減少により起こる小売業界への影響は何でしょうか?

もっとも影響が予測されるのは、需要の減少による売上の低下です。また、高齢化が進むことで、消費者のニーズや購買行動も変化していきます。

さらに、人口減少により同業サービスの競争が激化することが考えられます。


消費行動の変化



少子高齢化に伴い、高齢者向けの商品やサービスの需要が増加する可能性がある一方、若者向けの商品やサービスへの需要が減少することが考えられます。

さらに、人口減少により地域間の格差が拡大することも考えられます。都市部では需要が比較的安定している一方で、地方では需要が減少する可能性が高いため、地方店舗は新たな課題に直面することになります。

データ分析


オンラインショッピングの台頭



高齢者や地方の消費者など、店舗へのアクセスが難しい層でもインターネットを利用して商品を購入することができる利点のため、小売業界ではオンラインショッピングの強化や新たな販売チャネルの開拓が求められます。

また、昨今よく耳にする「顧客体験」を中心に捉えたマーケティング手法のOMO(Online Merges with Offline)は、オンラインとオフライン(実店舗)を統合し、より良い顧客体験を提供することから、注目を集めている手法です。こうした商品やサービスを知ってから購入までの一連の顧客体験の向上が、これからの小売ではより重要となってくるでしょう。
 

 

実店舗の価値とは


 

実店舗の魅力は何と言っても、実際に商品を手に取り、触れることで直感的な購買判断を行うことができることです。

商品の色や質感、サイズ感など、オンラインショッピングでは得られない情報を得ることができるため、消費者は自分に合った商品を選択できるので購入時の満足度も高まります。

また、VMDなどで演出された企業やブランドの世界観を肌で感じ、驚きや感動を味わえるのは実店舗ならではの価値となります。

オンラインショッピング


地方店舗の課題と解決に向けた取り組み



人口減少による需要の減少は、特に地方で顕著となる可能性が高いため、地方の魅力を最大限に引き出しながら、需要の変化に合わせた戦略を立てる必要があります。

少子高齢化の傾向から高齢者向けの商品やサービスに特化することや、地域資源の活用や地域イベントの開催などと関連付けるなどの施策が考えられますが、こうした実店舗で行われる取り組みやブランドの魅力を発信するVMD施策について、より効率的に分析し実行していくプロセスが必要となっています。



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*1厚生労働省:将来推計人口(令和5年推計)の概要

*2総務省統計局:人口推移(令和6年1月報)

*3日本総研:リサーチ・アイ No.2023-084「2023年の出生数は▲5.8%減、出生率は1.20前後に低下へ」


■ Flow Solutions 会社概要

株式会社Flow Solutionsは、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレルや雑貨店、家電量販店など、これまで100社以上・900店舗以上へのシステム導入と3,000以上のセンサー接続実績があります。 リテールデータ活用AIプラットフォームFlowは、IoTによる人流計測データや既存データとの連携によって店舗状況を可視化し、AI技術を用いた多次元なデータ分析を可能にします。店舗データの活用によって売上改善や業務効率化に効果を発揮するソリューション・ベンダーとして、小売業の課題解決にあらゆるソリューションを提供しています。
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