新型コロナの出現と自粛により、どの小売産業もダメージを受けています。しかし終息は必ずや訪れ、人が実店舗に戻り溢れる日が必ず来ます。その時の為に、今まで忙しく出来なかったことなどに目を向け、準備するチャンスと考えたいものです。
インターネット販売が急激に伸び、個々に向けたダイレクトマーケティングが発展し、消費者の購買行動に大きな変化が見られています。しかし、人が実店舗で購入する行動は今後もなくならないと予測され、より好みの店舗を選択し、満足を求めた買い物体験が重要になってくるでしょう。
1. 売る側視点から買う側視点へーインストアマーチャンダイジングとは
2. 短期的売上額増加に期待!ーインストアプロモーション
3. 特定スペースの売上最大化を図るースペースマネジメント
1.売る側視点から買う側視点へーインストアマーチャンダイジングとは
従来の販売方法では、売上拡大を狙った一方的な販売促進の傾向がありました。しかしネット販売の出現で、パーソナライズされた買い物体験が可能になった今、実店舗においても、個々にあった商品提案や、消費者のイメージを膨らませ、納得・満足して購入する購買促進の提案型販売が求められています。売る側視点から買う側視点への発想の転換です。
インストアマーチャンダイジングはISM(Instore Merchandising)のことで、商品購買力を高める戦略のことです。
購買意欲を高めるために、お客様の目線に立った、買う側視点の工夫を織り交ぜていきます。
具体的には、定番商品の売場効率を向上させる棚割り、エンドスペースやプロモーションスペースの売場効率を高めるテーマディスプレイ、立寄率を上げる動線作りのことで、大きく以下の2つの戦略に分けて考えられます。
・短期的な効果を期待するインストアプロモーション
・売り場の生産性を高めるスペースマネージメント
2.短期的売上額増加に期待!ーインストアプロモーション
注目される季節的なイベントや、店頭でのデモンストレーション販売など、商品認知度を高め購買を促していく、直接的プロモーション活動です。
ディスプレイやPOP広告などの手法を利用し、特定の売場へ誘導したり、衝動買いの誘発や関連商品の購買誘発、特売やタイムセール、実演販売など、多面的に仕掛けをしていきます。
3. 特定スペースの売上最大化を図るースペースマネージメント
スペースマネージメントとは、売り場のスペースを最大限効果的に活用し売り場生産性を向上させる方法です。言い換えると、より多くの消費者が購入に至る商品を、より見つけやすい位置に、見つけやすいスペース配分で陳列しコントロールしていく方法です。ROIという経営指標を使い、施策と評価を繰り返し、向上を図っていきます。(次回のブログにてROIの算出方法について触れたいと思います)
伸び続けるネット販売では、計画的購入に至ることが多く、それに比べ実店舗では、非計画的購買(衝動買いや想起購買)の確率が高いといわれています。このことから見えるのは、実店舗における購入機会創出の鍵は、お客様が購買意思決定をする時のアプローチと言えます。どんどん商品購買力を高めていきましょう!