まず、質問です。
貴方の店舗で、VMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)を作る目的は何ですか?
- ディスプレイや陳列でブランドのイメージを表現する
- 売り場全体にストーリーを持たせて、お客様の店内体験をつくる
- 売上をあげるためのマーケティングツール
- 販売員の接客を助けるための、お客様の立ち止まりポイントをつくる
ブランドや、VMD担当者によっても、様々な考え方があるかと思います。
そんな中でも、どのブランドにとっても共通のVMD担当者がやるべきことがあります。
それは、「店内のそれぞれのエリアにしっかりと役割を持たせた売り場をつくること」です。
- 売り場の中のどのエリアに何を置くのか
- 各エリアにどのようなコンセプトを与えるのか
これらのことを考え、店内のレイアウト構成を明確にすることで、冒頭に挙げたようなVMDの目的を果たしやすくなります。
この記事では店内のレイアウト構成、エリア別分析についてとりあげていきます。
TOPICS:
1. エリアに役割を持たせた売り場づくり
2. 売り場の構成要素
3. 店内エリアのパフォーマンス測定

1. エリアに役割を持たせた売り場づくり
エリアに役割を持たせた売り場をつくることで、以下のようなメリットが生まれます。
お客様視点のメリット
- 購入したい商品をみつけやすくなる
- 店内が整頓されていて見やすい
店舗視点のメリット
- お客様の購入したい商品があるエリアへの滞在時間が長くなる
- お客様が全てのエリアに立ち寄りやすくなり、動線長が長くなる
エリア毎に棲み分けがなされていることが大切です。
では、それぞれのエリアはどのように構成されているのでしょうか。
2. 売り場の構成要素
売り場の構成要素には、それぞれに役割があります。それぞれの要素に役割を明確にもたせることで、ディスプレイを見て入店し、陳列棚から商品を探す、というふうに、お客様の動きを作ることができ、売上につなげることができます。。
VMDをつくる上で、売り場は次の3つから成り立ちます。
VP(ヴィジュアルプレゼンテーション)
ブランドや店舗のブランドコンセプトを表現する場のこと。多くの店舗では、店舗前のファサード、ショーウインドウディスプレイでこれを表現します。
PP(ポイントオブセールスプレゼンテーション)
商品の中でもメインで打ち出し、強調する場のこと。店内のマネキンや、棚上の半身のボディなどに陳列し、IPの中でもとりわけ目立たせたいものをクローズアップさせます。
IP(アイテムプレゼンテーション)
棚やラックの一般的な商品陳列のこと。
とはいえ、IPの置かれている場所が店舗面積の大半を占めます。色やサイズで綺麗に分類して並べたり、各エリアでコンセプトを持たせるなどの工夫が必要です。
VP/PP/IPはどれも感覚的に作ったり、並べるのではなく、色や陳列のセオリーに則ったものにし、また、顧客行動のデータ分析に基づいて綿密に計画・実施されるものでなくてはなりません。
それぞれのプレゼンテーションにそのシーズンのコンセプト、押し出したい商品展開、そして過去の顧客行動のデータ分析を反映させることで、店舗という空間の中でマーケティング活動を行うことがVMD担当者の仕事なのです。
3. 店内エリアのパフォーマンス測定
店内のエリアを分析には、通行人数・滞在人数・滞在時間の3つのKPIが有効です。
通行人数を確認することで、お客様がエリアへの立ち寄りやすさがわかります。
もし、このKPI数値が低いときには、
- 通路幅が十分に確保されているか
- 動線を阻むものがないか
を確認し、エリアへの入りやすさを意識したレイアウトに変更しましょう。
また通常、通行人数の多い「ホットスポット」には、売れ筋商品や売り出したいを戦略的に配置し、お客様の目に入りやすいようにします。
反対に、通行人数の少ない「コールドスポット」には、稼働の少ない高額商品を置き、エリアに特別感を与えるのが良いでしょう。
滞在人数は、どれだけお客様の足をとめていたかの回数がわかる指標です。エリアの魅力を知るのに有効なKPIだと言えるでしょう。
エリアに設置したVP(ヴィジュアルプレゼンテーション)を変更したら、滞在人数を確認して、客足にどのような変化があったかをみてみましょう。
滞在時間が長いほど、お客様が商品を購入する確率は上がります。お客様はVPやIPによってエリアに惹きつけられた後、そのエリアのIP(陳列)を見て、商品の購入を検討します。このIPは、お客様の滞在時間をのばすための鍵となります。
- VP・PP・IPに一貫性がある
- IPが色・サイズ・アイテム別に整理されていて見やすい
- 商品に手が届きやすい
以上の点に気をつけて、お客様が商品を見比べやすい陳列を作りましょう。
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■ Flow Solutions 会社概要
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