インターネットショッピングの普及や消費者の嗜好の多様化などにより、小売店は、深く顧客のニーズくを分析し、現代の消費者のニーズを把握することが重要となっています。
コロナ禍以前から見られていた小売店の新業態への進出は、さらに加速しています。
今回は、この数年間にみられている新業態進出に注目してみました。
百貨店・スーパー業界のここ30年の収益*1 は、1990年初頭をピークに減少傾向が続き、2019年に起こったコロナショックを契機に更に収益が現象しました。しかし、コロナ禍を経て、インバウンドの回復も見られ、業界全体の売り上げは回復傾向にあります。
「1分でわかる店舗分析」
↓動画をクリックして開始↓
↓動画をクリックして開始↓
アパレルブランドの食品業界参入
アウトドアウェア・メーカーのパタゴニア日本支社は、食品部門「パタゴニア プロビジョンズ」を2016年から展開しています。
自社のTシャツの材料を有害薬品などの影響を鑑み100%オーガニックコットンに切り替えた経験から、食品業界においても安心・安全な商品、製造において環境への悪影響を最小限に抑えることを掲げて、スパイスやドライフルーツ、オイル漬け魚介類、自然酒など、厳選した材料を使用した食品のラインナップをそろえています。*2
自社のTシャツの材料を有害薬品などの影響を鑑み100%オーガニックコットンに切り替えた経験から、食品業界においても安心・安全な商品、製造において環境への悪影響を最小限に抑えることを掲げて、スパイスやドライフルーツ、オイル漬け魚介類、自然酒など、厳選した材料を使用した食品のラインナップをそろえています。*2
コスメショップと書店の融合
株式会社コスメネクストが運営する「@cosme STORE(アットコスメストア)」とTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社が2014年、コスメやビューティー商材と書籍を一緒に陳列し販売する新業態店舗をオープンしました。
無料の大型パウダールームの設置により、来店客が店内のテスターや試供品を自由に試すことができたり、検索端末にてコスメ商品の口コミをその場でチェック出来るという、美に関する情報を多角的に得られる場でありながら、気になる書籍があればその場での購入ができるという、消費者の利便性向上に視点が置かれた取り組みが話題を呼びました。(株式会社コスメネクストはその後も実店舗を拡大。2021年には親会社と合併し、現在株式会社アイスタイルリテールとしています。)
無人餃子の販売
2020年ころから数を増やしている無人餃子販売店。*3 コロナ禍の「誰にも会わずに買物をしたい」という消費者の需要にピッタリ合ったこと、また「無人販売」といえば、農家の車道脇にある野菜の無人販売を連想することが一般的ですが、街中に突如として現れた斬新なアプローチから話題になり、今でも需要が伸び続けています。
最近では、冷凍ラーメンやチャーハン、惣菜などを販売する店舗も見られ、更にビジネスが拡大しています。
コスメショップの無人販売店舗
化粧品メーカーのオルビスが、2023年5月に無人販売店舗となるORBIS Smart Stand(オルビス・スマートスタンド)をオープンしました。*4 事前の顧客登録などの必要がなく、無人決済での商品が購入できる他、接客を希望する来店客は、店内にあるタブレット端末を使いビューティーアドバイザーに肌の悩みやスキンケア方法を相談することができ、自分にあった商品を発見した上で購入に至ることができるというものです。
接客なしでは商品の価値が伝わりにくいと考えられるコスメ業界ですが、オンラインカウンセリングと無人販売を組み合わせた、新しい体験価値を提供しています。
接客なしでは商品の価値が伝わりにくいと考えられるコスメ業界ですが、オンラインカウンセリングと無人販売を組み合わせた、新しい体験価値を提供しています。
暮らしの基本を支える商品の提供へ
無印良品を展開する良品計画(東京都)は2023年9月8日、「無印良品500 ユアエルム八千代台」をオープンします。*5 団地の多い立地という特性を考慮し、暮らしの基本を支える「500円以下で購入できる日用品や消耗品」を中心に展開するというものです。
2022年から毎週土曜日にPOP-UPストアを開店し、地域住民と双方向のコミュニケーションを図り、課題やニーズの把握を行ってきたとのことであり、そのニーズを生かして新業態店舗のオープンとなっています。
今までの小売にみられた店舗数を増やせば収益が上がる時代から、より戦略的に消費者の好みやライフスタイルを分析して製品やサービスを見直し、テクノロジーを活用して効率を上げていくことが必要な時代へと変化しています。
無印良品を展開する良品計画(東京都)は2023年9月8日、「無印良品500 ユアエルム八千代台」をオープンします。*5 団地の多い立地という特性を考慮し、暮らしの基本を支える「500円以下で購入できる日用品や消耗品」を中心に展開するというものです。
2022年から毎週土曜日にPOP-UPストアを開店し、地域住民と双方向のコミュニケーションを図り、課題やニーズの把握を行ってきたとのことであり、そのニーズを生かして新業態店舗のオープンとなっています。
今までの小売にみられた店舗数を増やせば収益が上がる時代から、より戦略的に消費者の好みやライフスタイルを分析して製品やサービスを見直し、テクノロジーを活用して効率を上げていくことが必要な時代へと変化しています。
■ Flow Solutions 会社概要
株式会社Flow Solutionsは、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレルや雑貨店、家電量販店など、これまで100社以上・900店舗以上へのシステム導入と3,000以上のセンサー接続実績があります。
リテールデータ活用AIプラットフォームFlowは、IoTによる人流計測データや既存データとの連携によって店舗状況を可視化し、AI技術を用いた多次元なデータ分析を可能にします。店舗データの活用によって売上改善や業務効率化に効果を発揮するソリューション・ベンダーとして、小売業の課題解決にあらゆるソリューションを提供しています。
参考
*1 経済産業省 第1回百貨店研究会
*2 Patagonia Provisions
*3 ITmediaビジネス 増え続ける「ギョーザ無人販売所」はどうなる? ブームの次を見据えた“新たな戦略”
*4 PRTIMES オルビス、業界初となる無人販売店舗『ORBIS Smart Stand』ローンチ
*5 DIAMOND Chain Store