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あらためて見直す「売り場作り」の基本発想とは?

今回のこのタイトルから、店舗運営に長く携わっている方たちには、イマサラ感の話題と受け取れるかもしれません。それでも日々頭をひねっている方たちには、大切な見方と思える話題であると思います。


今回は、店舗運営に長く携わっている方たちには、イマサラ感の話題と受け取れるかもしれません。
それでも日々頭をひねっている方たちには、大切な見方と思える話題でしょう。

それでは、毎回のように質問から始めます。

「私たちは、どうして売り場作りに知恵も時間もエネルギーも使うのでしょうか?」
(先を読む前に、できればここで目を閉じ、1分間だけ考えてみましょう)

Concentrated stressed handsome young man in checkered shirt praying with closed eyes

 

答えの例としては、

 売上を上げたいから。 
 来店者を増やしたいから。 
 店長(本部)の指示だから。  その他・・・

目的として見れば、多分どれも違ってはいないでしょう。でもどうして、売上が上がり、来店者が増え、上司(?)からの指示が生まれたのでしょうか? 大きな一要素として、お客さまが前提になる小売業にとって「場を作ること」で価値を生み出せるからだと、筆者は考えています。その結果として、先の色々な目的が満たされる関係にあるということです。


それでは、ここで取上げる「場」はどのようなもので、一体それでどんなことが期待できるのでしょうか。

この「場」というのは、単に商品を揃えてある場所という意味ではなく、少し大きく捉えて「空間的な広がり」、「時間的タイミング」、「そこに集まるヒト」という多面的見方で捉えるものだということです。それらの総合的状況として、「ココニ・イマ」生まれているものが「場」であるという考え方です。こう考えると、単に商品を並べた売り場を眺めるだけでは物足りないと感じることができるでしょう。お店作りに愛着のある方なら、きっと何か工夫せずにはいられないことがあるハズです。

Drop of water falling into the water and leaving it circles.

このような「場」として捉えると、どういった効果が期待できるのでしょう?

ここでは少し専門的な言葉を使って、「場」においての「共鳴」・「共振」が生まれると指摘します。(「共鳴」・「共振」の辞書的意味は最後に補足引用しています)
一言での要点としては「影響が伝わるトコロ」ということです。誰から誰に伝わるかというと、「お店から来店したお客さまへ」であり、「お客さま同士」であり、「その先のまだ見えない見込みのお客さまへ」という具合です。
現在のネット社会からすると、伝わりの仕方や範囲は更に広がるといえるでしょう。お店や売り場として認識される「場」を通じて、どのような伝わり方をして欲しいのか、あるいはどこまで伝えたいのかを考えるのが店作りといえます。

考えを更に進めて、敢えて「共鳴」と「共振」の使い分けをすると、共振の方がより(物理的)振動数が高いというイメ-ジを踏まえて、もっと能動的なイメージとして「共振」を捉えることができます。
つまり、「共鳴」というのは、音叉(おんさ)のように、お店の雰囲気を元にその場において受動的な反応が起きる。これは短期的で、一旦お客さまが店舗を離れると、その共鳴状況は長続きしません。
これに対して能動的な意味での「共振」が起きるレベルまで体験として響かせる。するとお店を離れた後でも、お客さまの(意識として)自発的発振が生まれるようになる。そして繰返し来店をする、或いはお気に入りの話題に取上げるといった継続的関係が期待できるという具合です。
このように、影響の段階をイメージした上で、お客さま対応を想定して活動することが大切ということです。

Turntable playing classical music with icon drawn instruments concept on background

こうした「共鳴」「共振」の場作りを意識することで、お客さまとの係わりをひと味違う見方で工夫することができるのではないでしょうか。そのために現状の把握や施策結果の確認手段として、どういったお客さまが(プロフィールや好みの傾向等)、お店のどのような場所/商品を目指して、いつ頃どの程度来店されているかを材料にする必要性が生まれ、そのための「データ利用への動機」が意識されることでしょう。この上で、昨今は様々なセンサの利用や道具立てを利用した具体的な対応手段が揃ってきています。

それぞれが目指す「場」作りの実現にどうすると良いかという個別の内容は、色々な考え方や方法が情報として溢れています。それぞれの立場から、それらをどう工夫して使ってゆくかは各お店の大きな宿題にしておきしょう。

お勧め記事もどうぞご覧ください。
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【以下ご参考】

[電子辞書 広辞苑(第六版)より引用]

共鳴: (1)〔理〕(resonance)物理系が外部からの刺激で固有振動を始めること。特に刺激が固有振動数に近い振動数を持つ場合を指す。共振。(3)転じて、他人の思想や意見に同感の念を起こすこと。((2)省略)

共振: 共鳴(1)に同じ。特に電気振動の共鳴をいうことが多い。



インフオラボ游悠(いんふおらぼゆうゆう)
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