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「小売業の経営課題に対するFlowの有効性」(全6回)⑥詳細レポート

作成者: Flow Solutions|2021/10/25 7:00:00

シリーズ企画「小売業の経営課題に対するFlowの有効性」。いよいよ今回が最終回となりました。

第1回4つの環境変化
第2回4つの経営課題
第3回「Flowの有効性① 事業KPIの統一
第4回「Flowの有効性② ダッシュボード
第5回「Flowの有効性③ レポート機能Pulse

前回は、Flowが実現する利便性の高い報告書生成機能「Pulse」をご紹介しました。計測・収集された店舗データを瞬時に報告書に反映し、Flowプラットフォーム上で保存するだけで報告業務が完了。使い勝手の良い機能です。

これで、パッと見で状況がすべてわかる画面「ダッシュボード」と便利な報告書機能「Pulse」が手に入りました。しかしもうひとつ大事な機能が必要です…それは「店舗データの多角的な分析」
いえ、難しいことはありません。直感的にわかりやすい操作方法で実現する、誰でもできる「データ分析」の世界が、Flowの中にはあります。それが「詳細レポート」。早速ご紹介します。

 

本日のTOPIC「④詳細レポート」:

A. 「分析」と聞いて身構えるあなたへ
B.
「詳細レポート」と利用シーン



A. 「分析」と聞いて身構えるあなたへ

たとえば小売店の場合、店舗業務において常に求められるものは「売上」です。お客様が来店したくなる店舗、商品が見やすい店舗、お客様が買いたいと思う商品が置いてある店舗ーーー様々な工夫や取り組みを通して行われる全ての施策の帰結点は、「売上」です。「顧客体験が~」「近未来の~」「DXを使って~」などの謳い文句の小売業系ニュースや事例を非常に多く見掛けますが、それらはあくまでも手段を表しているのであって、ビジネスである以上、全ての目的が「売上」であることに異論を挟む余地はないと思います。

 

 

ではその「売上」を追求していくにあたり、必要な要素は一体なんでしょうか?

答えは簡単です。「お客様」「時間」「客単価」です。「お客様」が居なければ話になりませんし、限られた営業「時間」内で目標を達成しなければなりません。そして「客単価」の高低が達成の決め手になり得ます。

1日の活動時間が限られている中、「売上」を達成するためにプレッシャーとストレスに苛まれている状況において、「分析?なに悠長なこと言ってるの?そんなことするヒマがあるなら、お客様に声かけて売り込め!」と思われても、致し方ないのかもしれません。

 

しかし、ちょっと待ってください。

 

「売上」を達成するために、目標残額と残り営業時間を確認したうえで、店頭で声出しする、店内接客を積極的に行う、客単価アップを狙ってセット売りを意識する、客単価を低くしてでも数でその埋め合わせをするタイムセールを仕掛ける…色んな取り組みをされると思います。実はそれ自体、「分析」していることになりませんか?

今までの経験知や肌感覚、先輩からの教え、本社やエリア・マネージャーからの通達・指導を元に、現状を把握したうえで、その時々において適当だと思われる施策を選択しているはずです。それこそ「分析」そのもの。つまり「分析」とは、何も特殊なことでも小難しいことでもなく、今までほとんどの方が無意識にやっていることなのです。

 

但し。

 

経験値や肌感覚は、非常に主観的な感性に基づくものです。それを否定するつもりは毛頭ありませんしとても大切な感覚です。が、その「取り組みの発想」を強固に下支えする存在があれば、そうした取り組みはもっと大きな説得力を持ち、より効率的な活動となって、店舗運営を円滑に回すはずです。その存在こそがデータです。
店舗データの収集・統合と可視化、そして分析。私たちがFlowを通して「データ活用」と訴え続ける理由は、そこにあります。

「取り組みの発想」を下支えする存在としてのデータで、Flowは店舗の状況を明らかにします。人流だけでなく売上の状況やスタッフ効率まで、店舗における様々な事業KPIが、目的である「売上」にどのように結びついているかを詳らかにするーーーFlowは、多彩なレポート機能を使って、店舗のより詳細な傾向把握と対策への参照情報をお届けします。全く、身構える必要はありません。

これまでの「対策の検討」という名の分析作業にデータをプラスするだけで、それはより精緻になり、しかもその結果も含めてデータとして蓄積されることでさらに精度・濃度が高くなり、「売上」アップへ結実することは、間違いありません。

 

B. 「詳細レポート」とは

「レーダーチャート」でわかるボトルネック

日々の売上を振り返る際、皆様はどのように売上をレビューしていますか?

まず第一に、「目標との対比」を行うと思います。目標値は、日次で立てている企業もあれば、週次目標を立てているケース、月次目標を最重視しているケース、それらすべてを細かく設定しているケースもあるかもしれません。
その目標値の達成率をみて、実績に対する状況の良し悪しを判断します。達成していれば好調の要因を、未達成であれば不調の要因を探り、対策を検討し、実施していく。そしてその結果を後日検証していく作業ー事業改善を意図した一連のマーケティング手法「PDCAサイクル」は、そうして行われるのが一般的です。

(特に店舗での改善プロセスには、PDCAサイクルをさらにスピーディかつ効率的にした「OODAループ」という有効な考え方があります。詳しくはこちら

目標との対比以外に、ほとんどの皆様が実施されていることがあります。それは「過去との対比」です。
前週比、前月比、前年同期比…当該期間と過去の類似期間を比較し、なにが違うのか、なにが改善しなにが悪化したのかを見つめる作業は、非常に重要です。なぜなら、過去は実績・経験という貴重な資産として記憶に残っているはずで、その経験値を現在に活かすことができるからです。好不調の要因を探しやすいというメリットもあります。

 


(詳細レポート「レーダーチャート」画面例)

 

上図はFlowの「詳細レポート」で提供されるレーダーチャートの一例。とある店舗における1週間の実績値を、その前週実績と比較しています。取得・収集したデータの中から選択された事業KPI(比較項目)における、選択期間と比較期間の対比を、Flowは直感的にわかりやすく、自動的にビジュアル化します。このグラフのデコボコが大きければ大きいほど、店舗運営においてなんらかの歪な状況があることを示していますし、グラフの面積が大きければ大きいほど、大きな実績を上げていることになります。

 


(「レーダーチャート」の各項目。対比数値をよく見てみると…)

 

画面右には、レーダーチャートを構成する事業KPIの実数値と対比を掲載しています。ここから読み取ることのできる情報は非常に重要です。

まず青丸で囲った「売上」「来店客数」「購入件数」それぞれの対比部分に注目してください。

「売上」101.81%△    前週比で1.81%アップ
「来店客数」107.66%△   同比7.66%アップ
「購入件数」105.65%△   同比5.65%アップ

「来店客数」「購入件数」の伸び率よりも「売上」のそれの方が低い数値です。つまり「来店客数の増加分ほどには売上が伸びなかった」ことが分かります。いったいなぜでしょう?
そこで、赤丸で囲った「平均客単価」「購買率」を見てみると…

「平均客単価」278円▽ 前週比278円ダウン
「購買率」0.32%▽        前週比0.32%ダウン

これでボトルネックがハッキリしました。「購買率と平均客単価が下がったため、来店客数を売上につなげきれなかった」わけです。

もし購買率・平均客単価を維持できていれば、売上の伸長率はもっと伸び、かぎりなく来店客数の伸び率(7.66%アップ)に近づいたはずです。
特に平均客単価の下落を改善できれば、その可能性が増しそうです。イチオシ商材の金額を少しだけアップしたり、セット販売の店頭展示と接客強化、ついで買いを誘発するレジ前小物展示強化などを実施してみてはどうでしょうか?

こうした気づき、発見はまさに「分析」の産物であり、店舗の皆さんが普段感覚知で行ってきたものをデータでお見せしているに過ぎません。しかも、データという事実に基づいて自動集計されたものなので、ご自身で計算する必要もなく、上記のようなことを非常に短い時間で考察することができます。

レーダーチャートは直感的に店舗状況の改善ポイントを指し示してくれます。データに基づいた対策検討をナチュラルに考えられるようになるため、説得力のある店舗活動が具現化しやすくなります。

 

「テーブル」で日別を振り返る

「詳細レポート」画面で選択された期間の、日別実績値を一覧でリスト表示したものがテーブルです。

 


(詳細レポート「テーブル」画面例)

 

これらの数値は全てFlowプラットフォーム上で管理されているので、すぐに呼び出すことができます。また、表示するKPIはユーザーが自由に設定することができるようになっています。

正直に申し上げますが、大した機能ではありません、ただリストで表示しているだけなのですから。しかしこうすることで、選択した期間内における日別比較が容易にできるという大きなメリットがあります。

「グラフの方がわかりやすいのでは?」と思うかもしれません。任意の項目の上がり・下がりをトレンドとして見たい場合、折れ線グラフなどは見やすい代表例です。しかし、ひとつひとつの数値を見たいと思った場合、グラフに数値を掲載すると見づらくなるという難点があります。
トレンドというよりは、実数値を比較したい場合、こうしたリスト形式の方が有効です。

要は、その目的に応じてデータの見せ方を工夫する必要がある、ということです。世の中には多くのBIツールやデータ解析ツールが存在しますが、データの見せ方、いわばUI/UXの観点をあまり考慮していないものが散見されるように思います。

FLOWが考える「データ活用」は、そのデータを見る目的に応じて、最適なデータの見せ方で表示することも含まれます。いかにデータを見やすく、分かりやすく、活用できるような形で表現するかーーーFlowはその理想形を常に追求しています。

 

「KPI分析」でピンポイント分析をビジュアルでわかりやすく

前述①でご紹介したレーダーチャートは、全体を俯瞰するような形で売上とその他のKPIを比較することに長けた機能ですが、より具体的にふたつのKPIを徹底比較することができる機能が、このKPI分析です。

 


(詳細レポート「KPI分析」画面例。売上と平均客単価を日別比較)

 

この画面例は、選択期間(1週間)における「売上」「平均客単価」日別に表したものです。実線が選択期間の実績値、点線が前週の実績値になります。
たとえば、10/20火に売上が前日と比べてガクンと下がっていますが、平均客単価はそれほど下がっていません。ということは、売上減の要因は平均客単価ではなさそうです。その一方で、前週の水曜日は売上が上昇し、平均客単価も上がっていることから、相互に相関性があったようです。
では「売上」「来店客数」で比較してみましょう。画面右にある比較KPIの中から「来店客数」を選択します。すると…

 


(詳細レポート「KPI分析」画面例。売上と来店客数を日別比較)

 

10/20火、売上の下降線と来店客数のそれがほぼ同じ角度で下がっています。来店客の減少が売上減の直接的原因であることは間違いなさそうです。ちなみに前週水曜日も売上の上昇線と来店客数のそれが同じ傾向。前週水曜は来店客数増を活かして平均客単価もアップしたことが、これでわかります。前週水曜、店頭でなにを実施したのかを照合することで、その施策を再度検討した方が良いかもしれません。

このように、原因究明の手段として「KPI分析」は非常に有効です。②でご説明しましたが、トレンドを比較するうえで折れ線グラフはとても重宝します。上昇/下降の線の角度をベースに、その要因を事業KPIの中から探ることが可能となり、対策を立てやすくなります。

とはいえ、こうした取り組みには慣れが必要と思いますし、最初は戸惑うかもしれません。
Flowに触れるユーザーのほとんどは、触れる時間が増えれば増えるほど、この画面を利用した分析に長けていきます。というのは、売上増減の要因を探る経験値をFlow上で積むことで、どのKPIを参照すべきか、いわゆるコツを掴むからです。

「KPI分析」は、Flowに集められたデータの束を紐解いて、店舗の傾向値を洗い出すには最適な機能です。事業KPIをピンポイントで比較させ、そのトレンドを可視化することによって、どの要素を改善させれば良いかを判断する材料が揃います。


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今回の詳細レポート全般に言えることですが、この機能を使って日々の状況をチェックしている店舗は、自らの力で状況を理解し、原因を究明し、対策を立て、改善に取り組んでいることが多く、考える力が明らかに高くなっています。言わば「店舗の自主性・自発性」を育む土壌が、企業内に出来上がっていくのです。

「店舗が好き勝手にやる」のではなく、「正しいデータに基づいて、自主的に状況を分析し、店舗活動の改善・強化を考え、店舗発信で取り組んでいく」ことは、店舗を持つ企業にとって非常に効率的かつ理想的だと思います。そしてそれは決して夢物語ではなく、Flowというプラットフォームを利用することで実現することを、ここでアピールさせてください。

「小売業の経営課題に対するFlowの有効性」と題してこれまでお届けしてきましたが、いかがでしたでしょうか?筆者としては、この企画が少しでもFlowへの理解と興味を呼び起こすものであることを願ってやみません。

それではまた別の機会に、お会いしましょう。いや、万事FLOWへお問い合わせいただき、お話しできることを楽しみにしております。

最後になりますが、皆さまの今後益々のご発展を心より祈念いたします。

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シリーズ「小売業の経営課題に対するFlowの有効性」
更新予定

  1. 4つの環境変化 公開済
  2. 4つの経営課題    公開済
  3. Flowの有効性① 事業KPIの統一 公開済
  4. Flowの有効性② ダッシュボード公開済
  5. Flowの有効性③ Pulse     公開済
  6. Flowの有効性④ 詳細レポート(本ページ)

(「小売業の経営課題に対するFlowの有効性」 全体像)

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#小売業 #リテール #経営課題 #店舗 #データ活用 #分析 

この記事を書いた人





Flow Solutions マーケティングマネージャー。マーケに関する全てを統括。本企画最終回ということで気合を入れて制作しました。長編のシリーズ企画、届けこの想い…!と思ってはいますが、切に皆様からのお問い合わせ、お待ちしています。聞くのはタダです、なんでもご相談を!m(_ _)m

■ Flow Solutions 会社概要

株式会社 Flow Solutions は、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレル、雑貨店、家電量販店など、すでに100を超える法人様の売上改善や業務効率化に貢献してきました。
店舗可視化IoTシステムを通じて取得する顧客行動データの提供、データ活用のためのアフターサポートなど、経営課題解決のための様々なソリューション・メニューをご用意し、現在さらなる進化を遂げるべくシステム開発に勤しんでいます。
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