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「小売業の経営課題に対するFlowの有効性」(全6回)⑤レポート機能Pulse

作成者: Flow Solutions|2021/10/18 2:00:00

シリーズ企画「小売業の経営課題に対するFlowの有効性」。今回含めあと2回となりました。

第1回「4つの環境変化
第2回「4つの経営課題
第3回「Flowの有効性① 事業KPIの統一
第4回「Flowの有効性② ダッシュボード

前回はFlowの顔、「ダッシュボード」をご紹介しました。店舗の状況を写す鏡のように、収集したデータを分析・可視化してその把握を容易にする機能。忙しい店舗の皆様にとってパッと見でわかりやすい画面だと思います。

そんなデータを元に、もし日報や週報が作れたら…その希望を叶える「レポート機能Pulse」を、今回はご案内します。

 

本日のTOPIC「レポート機能Pulse」: 
  1. 「Pulse」
  2. 利用シーン

1. 「Pulse」

「Pulse」は、一言で言うと「報告書」です。特に店舗における日報・週報・月報といった定期報告書を、店舗データの収集・分析を行うFlowの特徴を最大限に活かし、自動生成するものです。「業務効率化」の観点でこの機能は非常に有効だと思います。

再三申し上げてきたように、Flowは店舗の様々なデータを収集・統合し、事業KPIを分析して可視化します。各ツールがバラバラに管理され、それぞれを閲覧しなければ把握できなかったデータ群を、Flowというプラットフォーム上に集約して閲覧できる仕組みは、店舗活動のいわば「スリム化」を図る絶好の機会と言えます。

「ダッシュボード(前回の記事参照)」は、データをイッキ見できる場所として非常に重宝しますし、店舗活動を活性化するうえでその効力を発揮します。しかしそうした活動を、店舗は本社に報告しなければなりません。いわゆる「日報・週報・月報」のような定期報告書の作成に時間を要するというお話を、これまで私たちは非常に多くうかがってきました。

 

 

ここ数年で「働き方改革」「ワークライフバランス」という言葉を非常によく聞くようになりました。その風潮は良いことに思えますが、実際の現場は…。
店長が閉店後に残業して報告書を作成・提出しているという話、報告書作成を持ち帰ってから自宅で行っているという話、方向書作成が面倒過ぎるのでほぼ毎日、前日のコピペで基本済ませてしまっているなんて話まで…枚挙に暇がありません。これは明らかに非生産的ですし、労働条件的にも当然よろしくありません。この状況を黙認していれば、それは無理な店舗オペレーションを結果的に強いていることになり、従業員の定着率に悪影響が出ることは必至です。

さらに、コロナ禍で社会生活が変容する中、「働き方改革」は「ワーク・ライフ・バランス」の問題だけでは無くなりつつあります。それは「迅速な意思決定」への影響です。

日本は緊急事態宣言が解除されたとはいえ、コロナ禍の波が再びやって来るだろうと一般的には言われています。それが繁忙期の11月後半からなのか、12月なのか、年明けなのか…全く分かりません。客足も不安定です。景気もどうなるかわかりません。そうした店舗の状況をなるべく迅速に収集し、本社として早急に対策を練らなければなりません。来店客数はどのくらい減っているのか、店舗前通行量の波はどうなっているのか、購買率推移は?客単価は?…確認しなければならないKPIは多岐に亘ります。また、お客様の店内での様子や会話、スタッフが遭遇した個別接客でのエピソードなど、数値では読み取れない店舗のリアルな情報の共有も、店舗を経営する業態においては非常に貴重かつ重要なデータです。

データを現場からスピーディに取得する仕組みがなければ、企業全体の意思決定のスピードは決して上がりません。そこで、このPulseが効力を発揮します。

 


(Pulse 日報画面)

 

Flowでは店舗ごとに「日報」「週報」「月報」の画面が割り当てられます。各画面で日付選択をするだけで、その期間における事業KPI結果が瞬時に表示されます。これまでの「報告書ファイルを新規に作成して、各ツールにアクセスして、報告数値をコピペして、整形して…」といった非常に面倒な作業が全くありません。

上図は日報の画面ですが、中央の各数値実績を見ながら左側のコメント欄にスタッフ人数や所感を入力し、保存ボタンを押すと…日報作成作業は終了です。報告書ファイル(大抵Excel)を保存して、メールに添付して、エリアマネージャーや本社に送信する必要もありませんFlow内に保存するだけで、それぞれがFlowの該当画面にアクセスすれば、それら報告書を閲覧できます。

報告書とは「報告する事柄を記した文書」と辞書にはあります。報告元の正確な状況や考察、意見が記載されるべきものであり、報告先が報告元の状況を正しく理解すると共にそれに対する反応ー対策や指導、助言などを実施していくべきものです。

そこに求められるのは「報告の的確さ」「反応の迅速さ」前者は手作業の領域が多ければ多いほどその精度は下降し、後者は収集と閲覧が遅ければ遅いほどその有効性は下降します。これらを改善することが、店舗運営における効果的・効率的な意思決定を可能とする決め手となります。

Pulseは実際の画面でぜひご覧いただきたいです。Flowのデモ環境をお試しいただくことができますので、詳しくは以下からアクセスしてください!



 

2. 利用シーン

①店長の「報告書」は「メッセージ」

どう考えても、報告書作成というものは面倒です。日次・週次・月次で報告書をまとめる作業は時間も労力もかかるものですし、上からの様々なツッコミや注意や指導をどこかで想像しながら作るので、ストレスフルだったりもします。「店舗はモノを売るところであって、報告書を作るのは本当の仕事じゃないのに…」とさえ考えたくもなるものです。

前述の通り、報告者によって報告書は「報告元の正確な状況や考察、意見が記載されるべきもの」です。現場の状況を上に正しく理解してもらうための絶好の機会でもあります。つまり、そうした貴重かつ有効な情報の束を活かすも殺すも、企業の考え方次第です。

それをデータ活用という観点でいかに改善し、有効なプロセスに昇華させるか。そのお手伝いをするために、FlowのPulseは存在するのです。

 


(Pulse 週報画面で自動生成されるグラフ。直感的にその推移が分かります)


店舗の状況を可視化するための数値については、Flowにお任せください。期間をワンクリックで選択するだけで、すべてを集計して画面に表示させます。あとは店長の皆さんの腕の見せどころ、コメント欄を大いに活用いただきたいのです。

データは万能、とは言っても、接客の中で感じ取ることのできるお客様の印象店内に漂う雰囲気スタッフとの何気ない会話など、主に人間の感情面での機微な変化や動きまで計測することは非常に難しいです。また、周辺の競合他店の様子や情報交換施設からの連絡事項の意図など、計測自体がほぼ不可能な要素も存在します。そうした「データに表れない情報」を現場で一番把握できる立ち位置にいるのは、他ならぬ店長とスタッフの皆さんです。報告書のコメント欄を使ってそうした情報を掲載し、エリアマネージャーや本社に伝えていくことは、極めて重要です。

報告書とは、スタッフも含めた皆の店舗への理解を深め、誤認識を是正し、現場を置き去りにさせない施策検討を促し、しいては企業全体の事業戦略や経営戦略に反映される可能性を持った、現場からの「メッセージ」なのです。

「どうせ本社になにか言ったところで…」「ウチは本社の通達が絶対だし、それが全てだから」とお思いになる方が多数いらっしゃることは重々承知しています。しかし、お客様に誰よりも接しているのは、紛れもなく店長含めた店舗の皆さんです。目標達成、顧客満足度向上、顧客体験の充実などといった、大切なことへの最大の功労者たり得るのは皆さんであることを、私たちは知っています。その立場を最大限に活用すべきです。

報告書の数値面はFlowにお任せください。店長の皆さんは、コメント欄を、店舗の状況を皆に伝えるための「メッセージ」の場として大いに活用してください。


②エリアマネージャーは「ファシリテーター」

店舗を持つ業態な企業にとって、エリアマネージャーの存在は全体運営のひとつの肝だと思います。エリアマネージャーが担当する店舗たちの状況がそれぞれで異なることは当然のこと、各店への助言、本社からの通達フォロー、時には店舗の悩みの聞き役などを通して、担当店舗の売上増大を目指していくー非常に多忙なお仕事です。

店舗からの報告書収集と集計の手間は、各店の報告書をFlow上で受け取ることで簡便化されます。また、他エリアの報告書もFlow上で閲覧できるため、たとえば担当の店舗Aと他エリアの店舗Bが売場面積や店舗形態が類似している場合、報告書掲載のKPI比較やコメント欄によってその差異を見出すことも可能です。

エリアマネージャーは本社・店舗、どちらの立場も理解できる立ち位置です。本社が現場に伝えたい意向・指導・企画、店舗が上に伝えたい状況・相談・意見…その間にいるので、お互いの意図も気持ちもご存知のはずです。そしてそれは一般的に「板挟み」と言われていますよね。

本社・店舗の意向が真逆の場合、互いの主張の間に入るのでまさに挟まれてしまうわけですが、挟まれて終わり、ではなくてなんらかの調整を行うことで状況の好転を図ろうとします。「板挟み」という言葉は多分にネガティブな意味合いを含んでいますが、実はこの立ち位置こそ、企業全体の方向性や意向を合致させて強化するためのキーとなる役割ではないかと思います。

つまり…カタカナ英語でカッコつけるなと言われそうですが…「板挟み」ではなく、「ファシリテーター」ではないかと。

「調整役」と「ファシリテーター」は違います。前者の場合、本人に意思はなく、意見が異なるAとBの間を取り持って妥協点を探らせ、同意を促すことを指すように思います。それに対し後者は、本人が意思を持って、意見が異なるAとBそれぞれの立場を理解した上で対案を模索し、同意を形成することのように思います。
つまり、前者は結果としてどちらかに与した同意になることが多いので、もう片方に多少のモヤモヤを残しがちです。後者は腹落ち感のある合意形成で、どちらにもあまりモヤモヤは残りません。

理想論だと思われそうですが、そんな理想論を現実のものにする一助として、このPulseを使っていただきたいのです。

担当店舗のKPI集計と可視化はFlowが行うので、恣意的ななにかが入り込む隙はありません。この客観データを本社意向に対する結果として提示します。
そして担当店舗の報告書にあるコメント欄をエリアマネージャーが収集することで、店舗の実態や意見を吸い上げることができます。この主観データを店舗の状況補足と意見として提示します。

そしてここからが大事ですが、上記データにエリアマネージャーの考察と提言が付加されると、エリアマネージャーの報告書は本社にとって「本社意向と現場状況の双方を知る者からの提言」として、非常に重みのあるアイテムになり得るのです。



(Pulse 週報画面。2つの期間の対比によって店舗状況の動きが可視化されます)


A店はooで優秀です、B店がxxな状況で困ってます、といったことも勿論店舗運営の観点で大事ですが、担当店舗たちの状況を報告書の形でのデータをふまえてエリアマネージャーがそこでなにに気づき、なにを感じ、そしてなにを企業全体にもたらすことができるか…これらを報告書として提示できれば、まさにデータ活用、Flowのデータをしっかり活かした好例といえるのではないでしょうか。

エリアマネージャーの皆さんは、Flowで可視化された、事業KPIの結果だけでなく、店舗のコメント欄も含めた総合的な状況把握が可能です。FlowのPulseによってその取り組みは「板挟み」から「ファシリテーター」へと進化し、より重要な位置を占めるはずです。


③本社(営業/マーケティング担当者)ー効率的な情報収集だけではない

本社にとって、店舗やエリアマネージャーの報告書は企業全体の財産そのものではないでしょうか。各店の状況、本社通達の実施具合、運営上の課題点洗い出し、店舗やエリアマネージャーからの意見吸い上げなど、報告書から読み取ることのできる情報量は非常に多いと思います。



(Pulse 月報画面。週報に似ていますがやはり非常にシンプルにデータが整理されています)


とにかく状況を知りたいー売上集計だけでなく来客数や店内混雑状況と売上の相関性を調べたい、接客に過不足はないか、店舗前通行の変化量は売上に活かせているか等、店舗運営の課題抽出や改善策検討、店舗通達への反映などをスピーディに行いたいという意向は当然お持ちだと思います。

それらはこのPulseで迅速化されることは間違いないと断言しますが、これまで①・②で述べてきたことを本社として十分に咀嚼いただくことを、私たちは強く推奨いたします…それはなにか?

各店の事業KPIの集計と可視化は正直、Flowの基本的な機能で事足ります。全店を範囲として集計をかければ良いだけの話ですから。しかしそれでは、集計方法を自動化しただけです。ポイントは、その集計の中身です。店舗からエリアマネージャー、エリアマネージャーから本社ーーーその過程で、いかに「コメント欄」を汲み取っていくか、です。

店舗のデータには3種類あると私たちは思っています。
「a. 技術的に計測可能で実際に取得可能なデータ」
「b. 技術的に計測可能だが取得できていないデータ」
「c. 技術的に計測不能だが実際に取得可能なデータ」
です。

aは、Flow導入時に計測対象としたもの、もしくは導入以後に計測対象に追加したものです。店舗前通行量、来客数、店内混雑、購買数(POS)、シフトデータ、立寄人数、レジ前混雑など、物理的に計測可能な対象は、IoTやシステムを使ってデータとして収集すれば、より仔細に店舗状況の可視化につながります。

bは、物理的に計測可能な対象ではあるものの、店舗/企業として取得ができないものを指します。たとえばテナント出店している施設の「入館数」や「フロア別混雑状況」などのデータは、その施設が開示しないかいぎり取得することはできません。施設の意向如何でこの部分は大きく左右されますが、もし取得できればさらに透過的な人流把握につながり、売上予測などに役立てることができるでしょう。

そしてc…そんなデータってあるの?とお思いですか?それこそが、Pulseの「コメント欄」です。

前述①の中でも触れましたが、データに表れない情報は存在します。接客の中で感じ取ることのできるお客様の印象店内に漂う雰囲気スタッフとの何気ない会話など、主に人間の感情面での機微な変化や動き。周辺の競合他店の様子や情報交換施設からの連絡事項の意図なども含まれます。

人の顔を捉えてその性別・年代と共に感情面を読み取る高性能AIカメラは確かにありますし、その技術を使ってデジタル・サイネージに表示する広告を出し分けるサービスも存在します。しかし人間が感じる「場の空気感(雰囲気)」や「お客様が店内で交わしていた何気ない会話」「来店された後のお客様のご予定や来店前にご飯を食べたかどうか」など、多様で無形な情報を計測することはほぼ不可能です、ただひとつの存在を除いて。それが、店舗スタッフです。

システムを開発・販売している弊社のような存在がやたらアナログ的要素を強調するじゃないか、と思われるかもしれませんが、そうした情報は私たちがいくら技術力を高めても計測することは困難です。しかしその現場にいらっしゃる店舗スタッフの皆さんは、あらゆる情報に触れます。その記憶をしっかり記録する習慣、報告する習慣、共有する習慣さえあれば、それら情報が含まれた報告書は間違いなく貴重な情報源として企業内で重宝されるのではないでしょうか。



店長の報告書もエリアマネージャーの報告書も、コメント欄には当該事項に関する所感を記載して良いはずです。その情報の吸い上げは必ずや、企業の事業戦略・販促キャンペーン施策・プロモーション施策・PR戦略・ブランディング検討などに活かすことができます。
FlowのPulseがコメント欄を大きく構えている理由は、そうした「技術的に計測不能だが実際に取得可能なデータ」をFlow内に取り込むことで、その記録・報告・共有を可能にし、データ化するためです。

本社の皆さんは、Flowを単に「事業KPI集計ツール」として利用するだけではなく、Pulseに含まれる「コメント欄」の利用と把握を行うことで、計測データ以上の貴重な情報を収集できるようになります。
売上増大・業務効率の観点はもとより、様々な戦略・戦術・施策に活用できる「店舗データベース」として、Pulseをぜひ活用いただきたいと思います。


(Flowのデモ画面、触れてみてください。詳しくはこちら

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いかがでしたか?
レポート機能を備えた店舗分析システムはどこにでもあります。しかし、店舗にまつわるありとあらゆる「データ」を念頭に設計されているものは、弊社Flow以外存在しないのではないかと自負しています。私たちがこれまで行ってきた事業内容のひとつの形として、これからも機能改善・強化を進めていくこのPulse…皆さんにぜひ体感してほしいです…!

Flowのデモ環境をお試しいただくことができます。
詳しくはこちらにアクセス

さて次回が最終回です。Flowの多様な分析データが目白押しの「詳細レポート」のご紹介です。お楽しみに。

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シリーズ「小売業の経営課題に対するFlowの有効性」
更新予定

  1. 4つの環境変化 公開済
  2. 4つの経営課題    公開済
  3. Flowの有効性① 事業KPIの統一 公開済
  4. Flowの有効性② ダッシュボード公開済
  5. Flowの有効性③ Pulse   (本ページ)

  6. Flowの有効性④ 詳細レポート   (10/25月 公開予定)

(「小売業の経営課題に対するFlowの有効性」 全体像)

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#小売業 #リテール #経営課題 #店舗 #データ活用 #分析 

この記事を書いた人





Flow Solutions マーケティングマネージャー。マーケに関する全てを統括。おかげさまで最近お客様からの問い合わせが増加傾向。各社の状況として「センサーを設置して人数カウントはしているけれどそれ以上の活用はしてない」とのこと。やはり我々、もっとお伝えしていかなければ…。

■ Flow Solutions 会社概要

株式会社 Flow Solutions は、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレル、雑貨店、家電量販店など、すでに100を超える法人様の売上改善や業務効率化に貢献してきました。
店舗可視化IoTシステムを通じて取得する顧客行動データの提供、データ活用のためのアフターサポートなど、経営課題解決のための様々なソリューション・メニューをご用意し、現在さらなる進化を遂げるべくシステム開発に勤しんでいます。
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