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「 Flowの計測領域の意味と効能」(全6回) ④ 計測領域その2 「来客属性」「立寄人数」

作成者: Flow Solutions|2021/10/11 3:30:00

シリーズ企画「Flowの計測領域の意味と効能」は、前回から具体的なFlowの計測領域を解説しつつ、その意味と効能をお伝えしています。

第1回 Flowが考える「データドリブン経営」とFlowの「効能(1/2)」
第2回 Flowの「効能(2/2)」
第3回 計測領域その1「来客数」「購買率」

Flowが多様な領域をカバーしていることをご理解いただきたいと思いお伝えしているわけですが、今回は「来客属性」「立寄人数」です。

共に、最近のトレンドであるDX(デジタルトランスフォーメーション)にも大きく関わってくるであろう領域です。ご一読ください。

本日のTOPIC「計測領域その2」
A. 来客属性
B. 立寄人数

 

A. 来客属性

来客数の計測は、その手法はどうであれ、どの小売店舗でも一般的に行っているものです。そしてその来客の属性分析についても、日々の報告項目として挙げている企業は多いと思います。
しかしその多くが未だにマニュアル・カウントで、属性については肌感覚なものが多い。それでは「正しい」判断はできません。対象者の性別・年代を自動取得することで、その正確性向上と作業負荷の軽減を志向すべきです。

①計測方法

Flowで推奨している計測方法は、Quividi社のカメラによる計測です。Quividiはデジタル・サイネージの視聴者属性分析などに多く採用されている高精度の技術を持っていて、視認率が非常に高いことでも有名です。
このカメラを、一般的には店舗のエントランス(来客数)や店舗前(店舗前通行)、特定の展示場所(立寄人数)などに設置します。IoTなのでデータはクラウドに上がり、停電等の不測の事態にも対応できる設計です。

主な計測内容は「性別」「年代」です。表情や眼鏡の有無など、もっと詳細なデータを取得することもQuividiのカメラであれば可能ですが、収集したデータをどう活かすのかが重要です。あまり細かい情報を取得しても、使わなければ意味がありません。

そして昨今よく耳にする個人情報保護の話題。この来客属性も「カメラで取得された人の顔は個人情報なのか?」と聞かれることがあります。
結論から申し上げると、私たちが収集しているデータは個人情報に該当しません。なぜなら、あくまで対象者の性別や年代のみを取得(類推)するものであって、対象者個人を特定するような形ではデータ保存していないからです。

 

 

誤解されることが多いのですが、「顔認識」「顔認証」はその概念が全く異なります。Flowが収集している「来客属性」は、対象者の顔を「認識」はしますが、「認証」はしません。
「認識」は、対象者の性別や年代、表情、身に着けているものなどを判別するのみであって、対象者自体を個人として一切記録しません。対して「認証」は、対象者自体をひとつのIDとみなし、顔自体を記録します。Flowは前者のみであることを、今一度ご認識ください。

「個人情報」の解釈は非常にセンシティブですし、時の流れと共に変わることの多い話題です。日本国内の状況については、個人情報保護委員会のWebサイトを定期的に確認されることを、強くお奨めします。

②計測データの意味

データを収集したFlowは、その結果を自動的にまとめ、直感的にわかりやすいグラフという形で表示します。

 


(Flowの「属性グループ」と「男女比率」)

 

多くの企業が同じことを考えると思いますが、お客様の属性を測る際、それは「来客」されたお客様に関する属性分析を想起すると思います。Flowも同意見で、まずは来店されたお客様の人数と共に、その性別・年代を把握することで、店舗の客層がどのようなものか、データとしてしっかり保持することが大事です。
その意味において、Flowの「来客属性」では上図のように「属性グループ」として性別・年代別の円グラフで構成比を表します。年代の分け方は、広告・マーケティングでよく使われる区分「F1-F3/M1-M3」を用います。
(1「ヤング」20~34歳、2「成人」35~49歳、3「シニア」50歳以上)
(Fは女性、Mは男性)

手動でカウントしたり感覚知で来客属性をまとめようと思うと、自身でExcelを使ってデータを生成し円グラフを作って整形して…という作業が面倒ですが、Flowはグラフを自動生成。しかも上図グラフの上にある期間選択を選び直せば、その範囲での円グラフが自動生成されます。円グラフは画像ファイルとしてダウンロードすることも、csvファイルとしてダウンロードすることもできます。

 


(Flowの曜日別「属性トレンド」)

 

上図は「属性トレンド」の一例です。曜日別の来客属性を100%積み上げ形式の棒グラフで表したものです。
「属性トレンド」は時間帯別にも組み直すことができます。

 


(Flowの時間帯別「属性トレンド」)

 

これら棒グラフたちも、Flowが自動生成します。ユーザーは画面内でただメニューを選択するだけです。

これらのデータで、たとえば以下の3つのことが瞬時に判断できます。

①店舗スタッフの肌感覚とのズレ
②曜日別客層の推移
③時間帯別の客層の推移


「属性グループ」の円グラフを見たとき、「アレ?ウチのお店のお客様、こんな感じですか?」と思われる店舗スタッフがきっといらっしゃると思います。
そう思う原因は、スタッフが接客対応しているお客様の主な属性が、このデータのそれと異なっているから、かもしれません。つまり、若干でも、接客対応するお客様に偏りがあるのではないか?ということです。
来店されるお客様の全体属性に対し、それと同じような割合でスタッフひとりひとりが接客できているのか、そしてその結果としての購買客の属性(POSデータや会員データ)との対比も含め、店舗スタッフの接客状況を見直す良いキッカケになると思います。

②・③
曜日別に来客属性に違いがあるとすれば、そこに対して店頭で訴求すべき商品や積極接客すべきターゲットを絞り込むことが可能です。
それだけでなく、これは店舗スタッフのシフト組成にも大いに役立てることができるデータです。なぜなら、特定の曜日において特定の属性の来客数が多い傾向がわかれば、その属性に強いスタッフを配置することも一考できるからです。
これは③ではさらに有効で、1日の時間帯シフト組みが戦略的に組み立てることができるようになります。接客技術は本人が経験を積むこと以外に近道はありませんが、経験あるスタッフや得意なスタッフと共にシフトに入ることでその経験値の濃度は2倍にも3倍にもなるはずです。店舗の成長につながるだけでなく企業全体の人材育成の観点でも非常に効率的と思われ、(私見で恐れ入りますが)大変おススメしたい用途です。

 

③店舗活動への貢献

「来客属性」は前述「シフト管理」に役立つだけではありません。一番その効力を発揮するのは「顧客満足度向上」ではないかと思います。

コロナ禍で客足が不安定な中来店されるお客様というのは、店舗にとって大変ありがたい存在であることは間違いありません。その方々に対してサービスを提供し、商品をお勧めし、購買していただくには、お客様を理解しなくてはいけないのは至極当然です。
それを少なくとも事前に、店舗データから、傾向値としてどういった客層が多いのかを把握しておくだけで、販売策を練ることができるというのは、非常に効果的です。

その策は、店頭POPの内容に反映するのかもしれませんし、店内BGMの選曲かもしれません。商品棚のレイアウト変更かもしれませんし、店内声出しの内容かもしれません。接客強化すべきターゲットを絞るといった直接的な対応策だけでなく、そうした間接的な対応策も実施していくことで、店舗自体は活性化します。そういう店舗は、来客を自然と呼び込み、結果的に顧客満足度向上につながるのではないでしょうか。

「来客属性」データは、お客様理解の一助であると同時に、それをキッカケとして店舗の活性化が期待できるトリガーでもあるのです。

 

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「来客属性」が貢献する店舗活動:

「シフト管理」「顧客満足度向上」

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B. 立寄人数

店舗の特定場所に立ち寄るお客様の数を計測し、その場所の効果測定を行うものです。特定場所、というのはファサード(店舗エントランス前)、店内特出し商品展示コーナー、什器などの特設POPなど、様々です。

①計測方法

Flowでは一般的にセンサーによる計測を行います。立ち止まる時間を予め想定してセットすることで、その時間以上、計測対象エリアに滞在した人をカウントする方法です。

一見するとこの「立寄人数」計測はあまり意味がないように思えます。それより「来客数」や「購買率」計測の方が大事だろ、と。

それは大きな間違いです。

お客様は、常に動いています。それは店外であっても、店内であっても。その流れの中でなんらかの興味関心を持って来店し、店内を回遊し、商品を見て、購買します。この一連のお客様の動きにおいて、どれも大事ではない情報などありません。

計測場所がファサードの場合。店前で立ち止まるということは、なにかを視認したから、かもしれません。そこに一定以上の関心があれば、来店することでしょう。この「アイキャッチ」の考え方はVMDの観点で非常に重要です。これは来客数に影響のある項目ですし、しいては購買数=売上につながる項目です。
(VMDについてはこちらで触れています。ご参考までに)

計測場所が店内特出し商品展示コーナーの場合。ここに立ち止まるということは、その商品に興味を持った証拠です。その人数と、実際の商品売上状況を対比させることで、そのコーナーの貢献度を検証することができます。

 

 

特に小売業店舗において、店舗前および店舗内の人流計測を行うことが重要なのは今までもお伝えしてきていますが、それは「流れている」人の動きについてのみをイメージしがちです。しかし人は立ち止まります。そこにはなにか原因があったから、立ち止まったのです。その立ち止まり要因がなんだったのかを考えるべきですし、逆に「立ち止まらせたい」商品や展示物における人の動きをしっかり可視化することは、店舗経営にとってとても大切なデータだと思うのですが…皆様はどう思いますか?

 

②店舗活動への貢献

「立寄人数」は前述のように、アイキャッチや販促物・販促商品に対する計測=「販促効果」および「購買促進」の効果検証につながります。また、「顧客満足度向上」の観点でも有効なデータになると思います。

たとえば、新商品の販促用什器を店内に中央に設置し、その「立寄人数」を計測したとしましょう。その人数把握と「来客数」、新商品の「売上」が可視化されていれば、新商品の売上における什器の貢献度を把握できるようになります。

しかしもしも、「施設内混雑状況」も可視化できた場合、「店内が非常に混雑している」時間帯に「立寄人数」の数値が上昇していて、しかも新商品の「売上」が下がっていたとしたらその什器は、販売機会を逃す要因になっているかもしれません。

その什器の店内位置が混雑を誘引しているのではないか?「混雑状況」を紐解いて比較的人の滞留が少ないエリアにその什器を移すべきではないか?でもそんなことをすれば什器が目立たなくなって売上に影響するのではないか?…様々なことが想定できます。

こうした取り組みにおいて効果的と思われる一例が、そうした「特定の場所」を予めいくつか設定しておくこと、です。
店内中央のエリアは一番目立つ場所だとは思います。しかしそこ以外にもいくつか場所を設定し、それらも計測対象として、什器の配置を定期的に回していって前述数値との関連性をチェックしていけば、その最適解が見つかると思われます。

 

 

…あまりスマートな例ではありませんが、「立寄人数」の計測は直接的には人を立ち止まらせる活動の効果検証です。この計測を活用して、購買活動の促進を図るとともに、店内動線の適正化や快適性を生み出すひとつの取り組みとして流用するのも、お客様に対する満足度アピールにつながるのではないでしょうか。

 

「立寄人数」データは、計測場所の購買に対する効果測定として機能するのはもちろん、柔軟な使い方によってお客様の動線や店内快適性を探る一助としても利用できます。「お客様の足を止める」ことを様々な意味で活用してはいかがでしょう?

 

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「立寄人数」が貢献する店舗活動:

「販促効果」「購買促進」「顧客満足度向上」

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「来客属性」「立寄人数」についてご説明しました。少々細かい言及が多かったかもしれませんが、いずれの計測領域も、その名の通りの使い方以外に、データ活用のしがいのあるものです。それこそ、データドリブンです。

「データドリブン」は、単機能の集合体なシステムを決められた通りに利用するのだけではなく、そのプラットフォーム上にあるデータを使い倒し、データを組み合わせて複合的に生まれる新たな発想や改善策のすべてを指します。
Flowはそうした使い方ができるプラットフォームです。

Flowの計測領域、次回もお楽しみに。

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シリーズ「Flowの計測領域の意味と効能」更新予定

  1. 「データドリブン経営」とFlowの「効能 (1/2)
    (来客促進、購買促進)公開済
  2. Flowの「効能 (2/2)(販促、シフト、顧客満足度、来客・売上予測)
    公開済
  3. 計測領域その1 「①来客数」「②購買率」
    公開済
  4. 計測領域その2 「③来客属性」「④立寄人数」
    (本ページ)

  5. 計測領域その3 「⑤レジ待ち混雑」「⑥試着室利用」
    (10/18月 公開予定)
  6. 計測領域その4 「⑦店舗前通行量」「⑧施設混雑状況」
    (10/25月 公開予定)

 

(「Flowの計測領域の意味と効能」 全体像)

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#小売業 #リテール #計測 #店舗 #データ活用 #分析 #来客属性 #立寄人数

この記事を書いた人





Flow Solutions マーケティングマネージャー。マーケに関する全てを指揮・監督。コロナ禍&リモート勤務推奨で約2か月、オフィスに行ってない。でも仕事は回る。アナログなつながりは希薄に、デジタルなつながりは密に…その反動か、居酒屋、あの赤ちょうちんのお店に呑みに行きたくてしかたない…!

■ Flow Solutions 会社概要

株式会社 Flow Solutions は、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレル、雑貨店、家電量販店など、すでに100を超える法人様の売上改善や業務効率化に貢献してきました。
店舗可視化IoTシステムを通じて取得する顧客行動データの提供、データ活用のためのアフターサポートなど、経営課題解決のための様々なソリューション・メニューをご用意し、現在さらなる進化を遂げるべくシステム開発に勤しんでいます。
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