ここ数年、百貨店、スーパー、専門店など小売業界が試練に直面しています。10年前とははっきりと買い物の仕方が変わっています。なぜ買い物離れが起こっているのでしょうか?本書では「デジタルシェルフ」「サブスク」「AI」「ショッピング体験」などのキーワードを中心に、トレンドの変化について解説しています。
では、このトレンドを受けて、小売店舗がすべき対策は何でしょうか?それは、店舗の現状把握からパフォーマンスを評価し、施策に活かしていくことです。現状把握に欠かせない
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TOPICS:
1. 本の概要
2. 印象に残ったポイント
4.まとめ
1. 本の概要
「2025年、人は「買い物」をしなくなる」 望月智之 著
ここ数年、百貨店、スーパー、専門店など小売業界が試練に直面しています。10年前とは明らかに買い物の仕方が変わっています。
なぜ買い物離れが起こっているのでしょうか?
この本では「デジタルシェルフ」「サブスク」「AI」「ショッピング体験」などのキーワードを中心に、トレンドの変化について解説しています。
2. 印象に残ったポイント
「わざわざ行く価値がある」という店舗だけが生き残る時代へ
著者によると、特に若い世代において、従来のマスメディア(テレビCM、雑誌広告など)の効果が少なくなっています。多くの若者はマス広告を信用していません。では何を信用するのかと言えば、AIと口コミの2つです。
たとえばAmazonは独自のアルゴリズムを利用して顧客におすすめを提供しています。また、インフルエンサーマーケティングは多くの若者にとって身近なものであり、マス広告よりもフォローしている人の口コミを信じて商品を購入することが増えています。
これらの背後には、世の中に物が溢れていること、そのたくさんの商品の中から最適なものを選ぶことが楽しみであると同時に、時間のかかることで、時にはわずらわしいことであるという意識が根底にあるのではないでしょうか。AIやインフルエンサーがおすすめを提供してくれるのであれば、自分で1からリサーチしたり店舗に行って商品を選ぶより、手軽と言えるかもしれません。
たとえば、2019年にオープンした「MUJI HOTEL」では、レストラン、ショッピングホテル客室を備えているだけでなく、無印良品の世界観を体感できるギャラリーやバーなどがあり、思わず写真に撮ってSNSに投稿したくなるような空間が多くあります。店舗離れが進んでいる昨今、実店舗では「そこでしか体験できない何か」を提供していくことが生き残るためのキーワードになります。
さらに高まるSNSの重要度
SNSの普及についても見逃せない変化の一つです。アメリカでは、ショップ店員の採用基準についてInstagramのフォロワー数を基準にするという傾向も出てきており、これはインフルエンサーマーケティングを重視している企業が多いことを示しています。
最近ではアパレル店舗内に、ライブ配信するためのブースが設置され、販売員やインフルエンサーが商品についてライブ配信を行うケースなども見られます。
世の中のあらゆるものが「サブスク化」されていく
買い物の手間は商品の選択だけでなく、店舗への移動や商品の探索にも時間がかります。これを解消するのが「サブスクリプションサービス」です。音楽や映像コンテンツが代表的な例であり、以前はこれらサービスを利用したいと思えば、CDショップやレンタルショップに何度も足を運ぶ必要がありました。しかし、サブスクであればこれらの手間がないと同時に、定額サービスに加入していれば追加料金なしに様々なジャンルのコンテンツを試すことができます。このように、サブスクは消費者を買い物の煩わしさから解放し、多様化を続けています。
買い物の「楽しみ」とは?
かつて百貨店が登場した頃は、「買い物」はひとつのエンターテインメントであり、休日に家族で出かけるレジャー体験として楽しまれていました。現在はショッピングモールなど、買い物以外にも食事や娯楽を楽しめる施設が増えていますが、「買い物=休日の楽しみ」という感覚は減少しているように思えます。
技術の進歩により買い物が簡単でスピーディーになる一方で、商品を選ぶ楽しみが失われるのではないかとの懸念もあります。しかし、買い物の手間が省略されることで、人々が本来の買い物の楽しさに気づく可能性もあります。たとえば、YouTubeで「開封の儀」動画が人気であることからも、商品の開封時のワクワク感こそが買い物の本質的な楽しみであり、それは決して失われないものかもしれません。
3. まとめ
この本では、このほかにも小売業界の未来と最新のトレンドについて丁寧に解説されています。
・「デジタルシェルフ」や「インフルエンサーマーケティング」などの最新キーワードについて詳しく解説しています。
・未来型店舗や実店舗の様々な業態についても知ることができます。
・なぜ買い物離れが起きているのか、近年の買い物に対する感覚の変化について知ることができます。
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