「2025年、人は「買い物」をしなくなる」を読んで気づいたこと
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では、このトレンドを受けて、小売店舗がすべき対策は何でしょうか?それは、店舗の現状把握からパフォーマンスを評価し、施策に活かしていくことです。現状把握に欠かせない店舗分析の最新技術を、ぜひチェックしてみてください。
「1分でわかる店舗分析」
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1. 本の概要
1. 本の概要
「2025年、人は「買い物」をしなくなる」 望月智之 著
ここ数年、百貨店、スーパー、専門店など小売業界が試練に直面しています。10年前とは明らかに買い物の仕方が変わっています。
なぜ買い物離れが起こっているのでしょうか?
この本では「デジタルシェルフ」「サブスク」「AI」「ショッピング体験」などのキーワードを中心に、トレンドの変化について解説しています。
2. 印象に残ったポイント
「わざわざ行く価値がある」という店舗だけが生き残る時代へ
たとえばAmazonは独自のアルゴリズムを利用して顧客におすすめを提供しています。また、インフルエンサーマーケティングは多くの若者にとって身近なものであり、マス広告よりもフォローしている人の口コミを信じて商品を購入することが増えています。
これらの背後には、世の中に物が溢れていること、そのたくさんの商品の中から最適なものを選ぶことが楽しみであると同時に、時間のかかることで、時にはわずらわしいことであるという意識が根底にあるのではないでしょうか。AIやインフルエンサーがおすすめを提供してくれるのであれば、自分で1からリサーチしたり店舗に行って商品を選ぶより、手軽と言えるかもしれません。
たとえば、2019年にオープンした「MUJI HOTEL」では、レストラン、ショッピングホテル客室を備えているだけでなく、無印良品の世界観を体感できるギャラリーやバーなどがあり、思わず写真に撮ってSNSに投稿したくなるような空間が多くあります。店舗離れが進んでいる昨今、実店舗では「そこでしか体験できない何か」を提供していくことが生き残るためのキーワードになります。
さらに高まるSNSの重要度
SNSの普及についても見逃せない変化の一つです。アメリカでは、ショップ店員の採用基準についてInstagramのフォロワー数を基準にするという傾向も出てきており、これはインフルエンサーマーケティングを重視している企業が多いことを示しています。
最近ではアパレル店舗内に、ライブ配信するためのブースが設置され、販売員やインフルエンサーが商品についてライブ配信を行うケースなども見られます。
世の中のあらゆるものが「サブスク化」されていく
買い物の「楽しみ」とは?

消費者の購買行動が変化し、リアル店舗は「体験拠点」としての価値をより強く求められる時代に入っています。しかし現場では、変化した消費者の行動データは増えているにもかかわらず、それを行動に変える余裕がなく、構造的な課題を抱えたままです。
【おすすめポッドキャスト】
店舗運営が「動けなくなる理由」を構造から整理し、解決の方向性を示すポッドキャストです。これからの店舗の役割を考えるうえでの基礎理解として役立ちます。
3. まとめ
この本では、このほかにも小売業界の未来と最新のトレンドについて丁寧に解説されています。
・「デジタルシェルフ」や「インフルエンサーマーケティング」などの最新キーワードについて詳しく解説しています。
・未来型店舗や実店舗の様々な業態についても知ることができます。
・なぜ買い物離れが起きているのか、近年の買い物に対する感覚の変化について知ることができます。
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