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店舗改善の鍵を握る!接客販売スランプ脱出の秘訣と3つの実践ポイント

作成者: Flow Solutions|2022/11/09 23:00:00

本記事では、店舗運営をする店長やスタッフ向けに接客スランプに陥った際の改善ポイントをご紹介します。接客スランプは誰にでも起こり得る状態で、改めてお客様とのコミュニケーションを重視することが解決の第一歩となります。お客様の信頼を得るために、相手の心理状態に配慮し、興味を持ち、話を引き出す技術が必要です。このようなコミュニケーションを通じて、お客様との信頼関係を築いていくことで接客スランプから抜け出し、売上向上に繋げていくことができます。


お客様に接客して商品を説明しても、購入することなく帰ってしまう、声をかけた途端に逃げていってしまう、店頭で声出ししてもなかなかお店にお客様を誘導できない―――しまいにはどうすれば売れるのか分からなくなってしまう「接客スランプ」の状態は、小売店舗で販売に勤しむ皆様であれば何度かご経験があると思います。

この状態に陥ると、ますます一生懸命になりすぎて、接客をしてもかえってお客様の判断を迷わせてしまって購入につながらなかったり、自分の接客を同僚スタッフとネガティブに比べて落ちこんでしまったり、なかなか悪循環から抜け出すことができません。

 

そんなとき思い出してほしいのが、接客は「お客様とのコミュニケーション」であるということ。販売の仕事は「商品を売ること」にフォーカスしがちですが、接客はそもそも「人と人との交流」であることを再認識する必要があります。そこに接客スランプ脱出のポイントがあります。



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TOPICS:

1. 接客はコミュニケーション

2. お客様と「信頼」関係を築くために

3. コミュニケーションで大切な3つのこと
 

著作者:benzoix</a>/出典:Freepik


1. 接客はコミュニケーション

皆様にとって、接客とはどういうものですか?

 「お客様に購入してもらうために、商品を説明すること」
 「お客様に最高の買物体験をしていただくために、商品を提案すること」

…たしかに間違いではありません。しかし、一方的な商品説明や提案だけでは、お客様は耳を傾けてくれないかもしれません。その説明がお客様が本当に必要としている情報ではないかもしれないですし、そもそもお客様は商品説明も提案も求めていないかもしれないのです。

お客様と店員という立場はあれど、接客は人と人との交流です。
そう、接客はひとつの対人コミュニケーションです。

対人コミュニケーションとは、言葉や動作で、互いの意見や感情、意思を伝え合うこと。学術的には「二者間もしくは少人数の間でなされる相互作用」と言われています。相互作用…英語ではInteraction/インタラクション。普段の生活で他者と交流するときにしていること、そのものですよね。

接客上手になるには、まず相手と自分のコミュニケーションのとり方を見直し、お客様にとって心地の良い存在になることを目指しましょう。
たとえば、以下のような項目を意識して、自身の接客を簡単に振り返ることを習慣づけてみてはいかがでしょう?

 ・相手に対して身構えすぎていないか?(自身が話しにくい雰囲気を作っていないか?)
 ・会話が一方通行になっていないか?(自分だけお話ししていないか?)
 ・相手の気分・感情や意思を確認しているか?(自分の意思だけを優先させていないか?)

また、スランプに陥っているとき、得てして人は焦りを感じています。そういう時は、相手にも焦りや不安は伝わってしまうものです。そして悪いことに、スランプ時は相手の気持ちを考えられないことが多く、自分本位の伝え方になってしまいがちです。

店舗に立つ前に「深呼吸しよう」「鏡の前で笑顔を作ってみよう」「声出ししよう」というルーティーンがある企業様は多いかと思います。それは、心理的に不安や焦りの要素を取り除き、平静と穏和な気持ちをもたらす効果があるからです。心が穏やかで、お客様に安心を与えられる状態で、接客に臨みたいものです。

2. お客様と「信頼」関係を築くために

商品を購入していただくお客様はお店にとって大切な存在。
大切な家族や友人との関係を築くように、お客様との関係を深めていきましょう。

家族や友人、大切な人と接するとき、どのようなことを意識していますか?

相手のことは考えず自分の思っていることだけを伝えていたら、良い関係を築くことは決してできません。相手の気持ちを想像し、適切な言葉を選んで話し、長く時間を共有することで、関係は深まっていきます。

 「この人と、もっと話したい」
 「この人といると、心地良い」
 「この人の言ってることなら、信用できる」
  →「この人から、買いたい」

ここで間違えてはいけない点があります。「信用」と「信頼」は違う、ということです。

最初からいきなり「お客様から信頼を得る」ことはありません。人は「信用」→「信頼」の順序で、相手に心を開いていきます。

「信用」は『過去の言動や実績から確かなものと信じて受け入れること』です。

接客に置き換えると、対話の中で読み取れるお客様の志向をふまえて、客観的かつデータに基づいた情報を取捨選択しながら、丁寧にお伝えすることが肝心です。具体的には、商品知識・お客様が購入すべき理由・他のお客様の購入例・意外な利用法などが該当します。

するとお客様は「この人は信用できる」と認識してくれます。接客している店舗スタッフに対する好印象が、その後の提案を受け入れやすくしてくれるのです。このプロセスを経てはじめて、「信頼」は生み出されます。

「信頼」は『未来の行動を信じて頼りにすること』です。

信用できる店舗スタッフからの提案は、商品を購入することで生じる未来=楽しい/嬉しい思い・満足感を想像させ、購入判断のハードルを低くしてくれます。その際、商品提案に必ず、お客様に寄り添った具体的な商品の利用シーン・商品利用時に他者から得られるお客様への好評価をポイントとしてプレゼンすることを、オススメします。

…とここまで解説してきましたが、現実問題として接客は、お得意様でないかぎり基本的に一期一会、その場が「はじめまして」のお客様が相手であることがほとんどです。ほぼ初対面の方から、かぎられた時間の中で「信用」を得て、商品提案に対して「信頼」してもらうことは、簡単なことではありません。

前述の通り、接客はコミュニケーション。コミュニケーション上手になるために大切なこと、お客様との距離を近づけるためのポイントを、次にご紹介しましょう。

3. 対人コミュニケーションで大切な3つのこと

① 相手の心理状態を察する・配慮する

会話の前に、お客様の表情や行動からその人の心理状態を想像することが大切です。

「ただ商品を見たいだけ。(接客されると)何か買わされるかもしれないからイヤ!」と、店舗スタッフに対する警戒心を露わにしながら店内を回遊するお客様…たまにいらっしゃいますよね。
唐突にお客様に声をかける前に、店内での行動、目を向けているポイント、歩く速度などを見て、お客様が店舗に入った理由を想像してみましょう。つまり、お客様の心の温度をはかり、同じ目線に合わせて話しかけることが大切です。たとえば…

様々な商品をただ気軽に見ているだけ。ひとつひとつの商品への立ち止まり時間が非常に短いお客様
 → 挨拶やライトな声がけをしてみて、もしお客様が会話にのってきたら、どんどん会話を広げていきましょう。

特定商品に集中している。商品を手に取っている、商品の裏や側面まで見ている、プライスカードや説明POPを黙読しているお客様
 → いきなり商品説明をしてしまいがちです。はやる気持ちをおさえて、まずはその商品を使うシーンや、お客様が商品を手にとった背景をお伺いし、会話を広げてみると良いでしょう。

お客様の温度感を想像しながらの接客導入は、時には失敗するかもしれません。しかしその経験は非常に貴重かつ重要で、接客導入におけるNG行動を蓄積できます。様々なシチュエーションで①を意識すれば、しっかりした接客の骨組みが出来上がっていくはずです。

② 相手に興味関心を持つ

基本的に誰でも、自分に関心を持ってもらえたら嬉しいはず。挨拶をしたあと、会話が広がりそうなお客様には、もうすこし踏み込んでお客様についての質問をしてみましょう。

アパレルショップであれば

「今日のスカート、お似合いですね。どちらで購入したんですか?」
「お仕事の日はスカートを履くことが多いんですか?」
「休日はパンツとスカートどちらが多いですか?」

といった、お客様の生活に踏み込んだ質問をすると、その距離も近づくはずです。
ここでもあえて商品を押し売るのではなく、お客様が普段どういうふうに買物をするのか、どんなことにこだわりをもっているのか、何に価値をおくのか、生活・ライフスタイルを軽く伺うことでその方の志向を類推できると、その後のセールストークに移行しやすくなります。


③ 相手の話を聞く・引き出す

②によってお客様からの反応があれば、質問と回答のやり取りの延長線上でお客様はどんどんお話をしてくれるはずです。

繰り返しになりますが、商品提案は一旦脇に除けて、お客様の良いお話し相手になってみましょう。気になったことがあればどんどん質問してみてください。
そのとき、話を聞く者として「姿勢」「笑顔」「声のトーン」は気を配るべきです。話しやすい雰囲気づくりとは、それら外部的な印象によっても生み出されます。心象を和らげ、買物体験をより豊潤で楽しいものへと変換してくれます。

自分のことを聞いてもらえた・わかってもらえたと感じてくれれば、相手を信用する性質が私たち人間にはあると、心理学的にもいわれています。前述の「信用」を得ることによって、その後の商品提案を受け入れる「信頼」が築かれていくわけです。

① 相手の心理状態を察する・配慮する
② 相手に興味関心を持つ
③ 相手の話を聞く・引き出す

①②③のいずれも、お客様だけではなく、人と接する上で当たり前のことかもしれません。しかし、自分の心に余裕がないと、つい忘れがちになってしまうものです。

落ち着いた心で、お客様と良いコミュニケーションがとれれば、売上もきっとついてくるはず。接客スランプに陥ったとき、対人コミュニケーションを見直すことは、良いきっかけになるのではないでしょうか?

接客スランプからの脱出、改善に少しでもお役に立てることを祈っています!



今回ご紹介したように、スタッフが接客時のコミュニケーションを見直して、お客様へのアプローチに取り組む重要性は言うまでもありませんが、実はそれだけでは不十分であり、そこには「効果検証」がセットであることが重要です。

接客であれば、その試行数である「接客数」とその母数である「来店客数」、結果としての「購買者数(購買件数)」「客単価」、そして「売上」がKPIとして浮かび上がってきます。

検証というと難しそうに聞こえるかもしれませんが、接客改善の効果を判断するには、数値的な客観データは必要です。自身の接客改善による効果がどの数値に顕れたかをデータとして確認できれば、その成否が理解できるからです。

私たちFLOWが「店舗のデータ化を声高にお伝えし続けている理由」は、皆様の店舗活動での努力・奮闘の結果をデータとして極力可視化し、お仕事の評価と改善に役立ててほしいからです。それが結果として、店舗の究極目標=売上に直結するのです

店舗運営で欠かせないスタッフのコミュニケーション
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■ Flow Solutions 会社概要
 
株式会社Flow Solutionsは、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレルや雑貨店、家電量販店など、これまで100社以上・800店舗以上へのシステム導入と3,000以上のセンサー接続実績があります。リテールデータ活用AIプラットフォームFlowは、IoTによる人流計測データや既存データとの連携によって店舗状況を可視化し、AI技術を用いた多次元なデータ分析を可能にします。店舗データの活用によって売上改善や業務効率化に効果を発揮するソリューション・ベンダーとして、小売業の課題解決にあらゆるソリューションを提供しています。
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