長年ファッション業界でお客様が求める商品、サービスは何かをひたすらに考え、仕事をしてきた経験をもとに、アナリストの観点からすぐに小売店がとれるアクションを共有します。
店舗側の施策により通行人数をすぐに増加させることは難しいのが現状ですが、以下の2つのKPIを改善することで売上前年比増とすることが出来ました。
1つ目は来店率。
こちらの増加のためには店舗入口やウィンドウディスプレーの改善、通行客への呼び込み・お声がけ、お店のイメージに合った身だしなみの整備が必要です。
2つ目が購買率。
こちらの増加には、売れ筋商品の在庫確保、来店されたお客様にお勧めする商品の事前考慮、スタッフ一人当たりの接客回数の増加が必要です。
まずは過去のデータを振り返り、売上高の減少要因を探り、来店率の増加や購買率の改善に注力してみましょう。
TOPICS:
1. 過去のデータを振り返ってみよう
2.次に取り組むべき、注目すべきKPI
1. 過去のデータを振り返ってみよう
国の外出自粛要請を受け、店舗休業や営業時間の短縮により通常業務を行うことが困難な状況にあるかと思います。
来店客数が減少しているからこそ、過去の仕事を振り返る時間を作ってみていただきたいと思います。
今回はご参考までに弊社プラットフォームのデモ環境(2020年版)を使用し、簡単に傾向を掴む方法をレクチャーしたいと思います。
図②
上記の①と②の図は、弊社デモデータの2019年3月~2020年2月の各KPIを前年同期間と比較した①各KPIの実績と②レーダーチャートになります。
選択した1年間の売上高は前年対比で89.9%とマイナスの推移であることが分かります。こちらの数値とチャートを参考に、売上高減少の理由を探っていきたいと思います。
1】まず、売上高を構成するKPIについて確認します。
売上高は以下の式から成り立ちます。
売上高=購入件数×客単価
売上を構成する2つのKPIのうち、購入件数は前年比84.8%、平均客単価は前年比105.2%という結果となっております。売上高の減少は購入件数が影響していることが確認できます。
2】次に購入客数が減少している要因を調べてみましょう。
購入件数は以下の式から成り立ちます。
購入件数=来店客数×購買率
来店客数の前年比は86.2%、購買率は98.3%と共に減少していることが分かりました。
特に来店客数は10%以上低下しており、購入件数に影響を与えていることが分かります。
3】同じように来店客数の要因を調べていきたいと思います。
来店客数は以下の式から成り立ちます。
来店客数=通行人数×来店率
通行人数の前年比は91.5%、来店率は94.2%と、共に数値が減少していることが分かりました。
ここまで確認してきた流れをまとめるとこのような形になります。
2. 次に取り組むべき、注目すべきKPI
店舗側の施策により通行人数をすぐに増加させることは難しいのが現状です。
これはあくまで一例ではございますが、私がこの店の店長なら次の2つの取組に注力します。
1】来店率の増加
来店率が減少している要因を考えてみましょう。
・店舗入口やウィンドウディスプレーは昨年とどう違いますか?
・通行客への呼び込み・お声がけに変化はありませんか?
・お店のイメージに合った身だしなみを整えていますか?
2】購買率の増加
購買率が減少している要因を考えてみましょう。
・昨年に比べ、売れ筋商品の在庫高は確保できていますか?
・来店されたお客様にお勧めする商品を事前に考えていますか?
・スタッフ一人当たりの接客回数が減少していませんか?
仮にこの2つの要素を前年並みまで戻すことが出来ると、以下の図のようになります。
2つのKPIを改善することで売上前年比を7.1%改善することが出来ました。
お店によって状況は様々でしょうから、是非ご自身の店舗・会社のデータを確認し、改善すべき要素の特定、KPIの改善にはなにが必要かを集中的に考えてみてください。
何か一つKPIを改善することで売上アップへの効果をご体感いただけると思います。
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