「来店したお客さまが商品を買う理由、そして買わない理由。この行動をデータで読み解きたい。」このような小売店舗のニーズに応える方法のひとつとして、小売店舗分析があります。
時代を遡って、今までの消費者行動モデルを振り返ってみましょう。
そもそもお客様の消費行動には、どのようなステップが考えられるでしょうか?ここを踏まえると、店舗分析に関するイメージが容易になると思います。
基本的な消費者行動モデルは以下となっています。
AIDMA(1920年提唱)
- A(Attention):認知・注意
- I(interest):興味・関心
- D(Desire):欲求
- M(Memory):記憶
- A(Action):行動
デジタル時代の消費者における購買行動は、以下のようなものが挙げられます。
AISAS(1990年提唱)
- A(Attention):認知・注意
- I(interest):興味・関心
- S(Search):検索
- A(Action):行動
- S(Share):共有
こちらに以下の要素を加えたものが、Dual AISAS(2015年提唱)と呼ばれる購買行動です。
- I(Interest):興味・関心・共感・利益
- S(Share):共有
- A(Accept):受容・共鳴
- S(Spread):拡散
DECAX (2015年提唱)
- D(Discovery):発見
- E(Engage):関係
- C(Check):確認
- A(Action): 行動
- eX(eXperience):体験・経験
AIDMAから現代までで、随分と変化してきた様子が分かりますね。
2020年代は、"体験・経験" を求める消費者が多くなる実店舗における消費者行動も、デジタル行動が活発になった背景から、より良い
experience(体験・経験)が求められる時代となっています。
変化していく消費者・市場に向けて、できることは?
下の図をご覧ください。お客様が店舗に来店し、購買に至るまでの行動を示しています。
先に述べた消費者行動の変化をふまえ、小売店舗企業は 「店舗分析という手段を活用し、顧客行動を知ること」から始め、「店舗分析という手段を活用し、購買促進のため段階的に施策実行と改善を進めていく」 必要があります。
未来へのロードマップを広く捉えながら、継続的な成長を目指すイメージです。
このお客様の購入プロセスを フェーズ1からフェーズ4 に分け、それぞれの段階でのデータ活用方法を見ていきましょう。
フェーズ1 お客様は入店したのか?その傾向は?
さまざまな外部要因やマーケティング施策がある中で、「入店する」という行動自体が、以前にも増して重要な意味を持つようになっています。お客様の来店傾向を把握することで、新たな商機を見出すことが可能です。さらに、来店者が購買に至ったかどうかを測る 「購買率」 は、今後も欠かせない指標となります。
《データの見方・活用例》
特定の時間帯に来店者数が多い傾向がある。その中に、見逃している潜在顧客がいる可能性は?
→誘客キャンペーンの実施やスタッフシフトの最適化を行い、購買率・売上アップへ!
フェーズ2 お客様はどのような店内行動をとったのか?
店内でお客様がどのように行動し、何を感じたのかを把握することが重要です。
例えば、店前通行人数・入店率・平均滞在時間・直帰率・エンゲージ率 などの指標を分析し、さまざまな要因と組み合わせて考えることで、店舗運営の改善につなげることができます。
《データの見方・活用例》
入店率が高い店舗・低い店舗、それぞれに特徴がある。
→売場レイアウトの改善や成功事例の横展開を行い、顧客ロイヤリティ・売上アップへ!
フェーズ3 どのようなお客様が店舗へ来店したのか?
お客様の属性(年齢・性別)を把握することは、店舗運営やマーケティングにおいて不可欠なデータのひとつです。
《データの見方・活用例》
来店者の属性に明確な傾向が見られる。
→特定の属性向けのキャンペーンを実施し、来店客数・売上アップへ!
来店客の数や購買率、入店率などのKPIは、
来店カウンターと呼ばれるハードウェアによってデータを取得することが出来ます。
来店カウンター導入をご希望の方は、こちらからお問い合わせ下さい。
フェーズ4 お客様がどのような行動をとったのか?より詳しいインサイトを知る
フェーズ2で得たデータに加え、店内のどのエリアにお客様が長く滞在し、何を見ているのか(エリア滞在時間・滞在人数)をデータ化することで、より細かい売場やVMDの改善が可能になります。
《データの見方・活用例》
シーズンキャンペーン中、特定の売場の滞在時間や滞在人数に変化があった。
→キャンペーンの効果検証を行い、売場改善を進めることで、顧客ロイヤリティ・売上の向上へ!
お客様視点でデータを活用し、持続的な成長を実現する
今回は4つのフェーズを例に、店舗分析の活用方法をご紹介しました。
さまざまな外部要因と、お客様の購買プロセスを可視化し、継続的に改善を重ねることで、より良い顧客体験を提供できます。
売上向上のために何が必要なのかを、お客様視点で段階的に考え、まずどこを重点的に見直すべきかを検討しましょう。データに基づいた「洞察」を活かし、店舗運営のさらなる進化を目指していきましょう!
弊社システム導入中のお客様の声
「本システムの導入により、本部ではFlowのプラットフォームのデータを軸とした会議をスタートしました。店舗へ配信する方針の決定プロセスを見直し、週次で推移を追うことで、施策のPDCAサイクルを回し、営業部と商品部が同じ目線で『何がお客様にとって有益な施策で、何が心に響かなかったのか』を定量的に議論するようになりました。コミュニケーションが変わったと感じています。」
■ Flow Solutions 会社概要
株式会社Flow Solutionsは、来店カウンターの導入支援や、リテールデータ活用AIプラットフォーム「Flow」を提供し、90ブランド・900店舗以上での導入実績を誇ります。IoTとAIを活用し、店舗状況の可視化を実現するとともに、売上向上や業務効率化を支援するソリューションを提供しています。