お役立ちコンテンツ

「 Flowの計測領域の意味と効能」ー ⓪ Flowで実現するデータドリブンな経営

作成者: Flow Solutions|2024/01/07 3:33:12

「リテール・データ活用AIプラットフォーム」

私たちFlow Solutionsが提供するサービス「Flow」のキャッチフレーズです。これを見て皆様は、こう思われていませんか?

「難しそう」「なんか大掛かりなシステムな気がする…」「業務系システムとは違うの?」
…きちんとお伝えしきれていない私たちが悪いのですが、どれも誤りです。

Flowは、様々な店舗データを収集・統合し、事業KPIを可視化します。直感的で分かりやすいUIで店舗の課題を分析・顕在化させ、事業の拠り所となるデータ活用を有効にしてくれます。導入も簡単で、誰しもがデータを元にした効率的な経営を手に入れることができます。

これぞまさに、データドリブン。状況把握~対策検討~対策実施~効果検証という一連の活動をデータで下支えし、業務負荷の軽減をサポートしながら、店舗売上の最大化を図っていくことができるのです。

そんなFlowを、もっと皆様に知ってほしい。この厳しい市況下にある小売業の皆様のお役に立ちたい。そこで、Flowの計測領域を詳しくご説明し、その意味と効果について解説するシリーズ『Flowの計測領域の意味と効能』を制作するに至りました。ぜひご一読いただければ幸いです。


(「Flowの計測領域の意味と効能」 全体像)

構成

0. Flowで実現するデータドリブンな経営
1. 来客数     2. 購買率
3. 来客属性   4. 立寄人数
5. レジ待ち混雑 6. 試着室利用
7. 店前通行量  8. 施設混雑状況
+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

今回は「0」、データドリブンな店舗経営の有効性とFlowの関係性をご説明します。
そして、Flowの計測領域とその効能についてご紹介する「1」以降については、2つずつ順番にお届けしていこうと思います。

このコンテンツが貴社の新たな一歩と気づきになることを、心から願っています。

 

本日のTOPICS:
 
  1. Flowの「データ活用」
  2. Flowがもたらす「効能」 
  3. まとめ

 

1. Flowの「データ活用」

「データ」と聞くと、小売業の皆様であれば「顧客データ」「売上データ」「在庫データ」などをまず想像するかもしれません。

小売業においては特に、店舗に紐づくデータはどれも貴重で重要です。
たとえば「顧客データ」は、顧客属性や購入頻度、購入内容、購入金額などが把握でき、そこからライフスタイルや家族構成、志向などが推測できます。それを分類してユーザー・セグメントを構築し、仮説に基づいて来店促進や購買促進を行うーいわゆるCRM(顧客管理システム)を駆使してアプローチしている企業は、きっと多いことでしょう。

しかしそれ以前に、もっとシンプルなところまで立ち戻ってみませんか。

「Google Analytics/グーグル・アナリティクス」というツールの名前は、ECを展開されている企業であれば一度は聞いたことがあると思います。この「Web解析システム」は、以下のような要素で考えることができます。

・主軸 「Webサイト」
・計測対象 「ユーザー」
・計測内容「いつ、どこからやって来たか」
     「ページ閲覧数、滞在時間」
     「離脱率・直帰率」
     「どの商品を購入したか(コンバージョン率)」
      などなど…

これらデータを元にして、Webサイトの改善やネット広告出稿による集客の検討を行うことができます。
言うまでもなく、インターネットは相手の顔が見えません。匿名性が高い不特定多数の世界で、ターゲットとなる顧客を捉えるのは非常に困難です。だからこそ、こうしたツールで自分のWebサイトを分析し、対策を打とうと考えるわけです。

では、リアル店舗はどうでしょうか。先程の項目を置き換えてみると分かりやすいと思います。

・主軸 「店舗」
・計測対象 「お客様」
・計測内容「いつやって来たか」
     「商品閲覧状況、店内滞在時間」
     「退店率」
     「どの商品を購入したか(購買率)」 などなど…

あくまで例ではあるものの、上記のようなデータを皆様は店舗レベルで把握されていますか?

考えてみてください。小売企業において、もし、ECサイトが取得できるデータが店舗のそれよりも多いのだとしたら…店舗はネットと違ってお客様の顔も姿もわかるのに、実はお客様の行動をほぼ知らないのではないでしょうか?

店舗でも「見ず知らずの人が来店した」瞬間、「来店した人が購入した」瞬間を把握し、傾向値を探り、店舗行動に取り入れていくことで、事業の業務改善につなげることができるはずです。
前者を「来店率」、後者を「購買率」と考えると、それらは間違いなく重要業績評価指標「KPI」です。通行人→見込顧客→顧客に至る流れをしっかりと把握しKPIを可視化することが、店舗の売上拡大の近道の第一歩であることは、疑いようがないと思います。

これが、店舗でデータを計測・取得する意味であり、この考え方をベースに開発・進化してきたのが、Flowなのです。「店舗に関する様々なデータを収集・統合し、事業KPIを可視化・分析する」と冒頭述べましたが、この私たちの立脚点は一度もブレたことはありません。

下は、弊社代表のチャドが以前制作した、Eコマース(EC)とリアル店舗のKPIを対比させた図です。店舗に最低限必要なデータとはなにか?を網羅していて非常に分かりやすいと思います。

ポイントなのは、単に「データを収集・統合する」だけでは意味がない、ということです。データを並べて眺めるだけでは、何も起こりませんし何も変わりません。データから読み取れる傾向値=トレンドを把握し、自身の活動に活かしてはじめて、データを集めた意味が出てきます。それが「可視化・分析した事業KPIデータを活用する」ということです。

Flowは、集められたデータを、直感的でわかりやすい画面(UI)で利用者に提示します。収集項目数が多ければ多いほど、店舗の状況が多角的に浮かび上がり、店舗行動上どこに課題があるか、どこが上手くいっているのか、一目瞭然で理解することができます。

単に「Google Analytics」で行っていることを、リアル店舗でもすれば良いのです。それが売上向上と業務効率に非常に効果的であることは間違いなく、企業経営のあるべき姿なのだと、私たちは考えます。

それでは、Flowが実際に果たす役割と効能について、その特徴に触れながらもう少し具体的にご説明していきましょう。

 

2. Flowがもたらす「効能」

A. 「来客促進」

すべてのキッカケはまず、お客様に来店してもらうこと、ですよね。

商品を広告で訴求し来店を促したり、既存顧客からの口コミで来店が促進されるパターンなどもありますが、商業施設にテナント出店することの多い小売業店舗の場合、店頭での露出・訴求も非常に大事です。

これはよく「VMD/ビジュアル・マーチャンダイジング」と呼ばれ、企業の商品計画・販売計画に基づいて店頭露出を運用します。店頭ショーウィンドーやエントランス付近の商品露出、マネキン、POP、BGMや映像によるアイキャッチなど、様々な手法があります。

最近では「デジタル・サイネージ」も注目されています。その名の通り、デジタルな看板広告です。ポスターなどの固定された広告ではなく、可変的に広告を表示させることで店前のアイキャッチとして機能します。動画を使うケースも多く見受けられます。
このデジタル・サイネージは、IoT(インターネットに接続された機器)と連携してさらに進化していて、たとえば弊社FlowのAIテクノロジーが組み込まれたデジタル・サイネージ「StellarSign X AI顔認証システムFLOW」も、そのひとつです。
ステラリンク社が提供しているこのサービスは、顔認識カメラで属性(年齢・性別)に合わせたコンテンツを瞬時に画面表示するもので、マスク着用状態でも正しく動作することが特徴です。

こうした一連の店頭訴求において、最も把握しておかなければならないのは、定量的な「トラフィック/人流計測」です。

店舗前の通行人、店頭で立ち止まる人、店内に入る人、店内の人…これらの数がデータ化されて時系列の変動がわかれば、いつ、どのタイミングで、どのような仕掛けをもって来店を促進するかの作戦を立てることができます。

 

たとえば、某商業施設に入っているアパレル店は、人流計測を取り入れています。1週間単位(平日のみ)の傾向値を見てみたところ、以下のようなトレンドが分かりました。

・店舗前通行量は「火曜午後4~6時と金曜午後5~7時がピーク」
・来店数は「水曜午後5~7時と金曜午後6~7時がピーク」

これを見ると、金曜夕方の時間帯は、店舗前通行量・来店数共にピークを迎えているので「店舗前通行→来店」が連動していますが、それぞれもうひとつのピークには連動性が見受けられません。
少なくとも、通行量の多い火曜夕方において、店舗の来店数が同じようにピークを迎えていないということは、そこでの店頭販促が効いていないことを示しています。この時間帯での店頭販促を強化し来店促進を図るべきです。

上記は極端な例ですし、非常に単純で原始的な分析と対案ではあるものの、データがあるだけでこれだけのことができます。店舗でよく聞く「肌感覚では…」「今までの経験だと…」などの感覚知による曖昧な考え方ではなく、来店促進に必要なデータをきちんと計測・収集すれば、客観的で明確な分析と活動を行うことができます。

店舗行動を確実にステップアップさせるには、必須な施策です。

++++++++++++++++++
「来店促進」に貢献する事業KPI:
「店舗前通行量」「来客数」
(「店舗前立ち止まり状況」や「店内混雑状況」、「施設全体の混雑状況」も分かると、購買前までの人の流れが一気通貫で把握できるようになります)
++++++++++++++++++

 

B. 「購買促進」

お客様に来店してもらうだけでは意味がありません。商品を購買していただかなくては。

「感覚マーケティング」という言葉をご存知でしょうか?2015年頃から注目されるようになったマーケティングの考え方ですが、簡単に言うと「身体感覚は心理評価に影響する」という考えに基づいたマーケティングのことです。

人間が持つ五感ー視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚は、自身の外側にあるものすべてを知覚する際に必ず駆使されます。そしてその感覚を元に私たちは対象物を判断しています。ましてや経済活動を行う(支出してモノを買う)場合、その判断に五感が影響しないわけがありません。

「インターネットではモノは買わない」と、特にご年配層に未だに一定数いらっしゃる理由は、この五感を駆使することが制限されているからに他なりません。インターネット以前の購買行為を経験した時期の方が圧倒的に長いのですから、嗅覚・味覚・触覚を働かせることができない購買行為は不安感を募らせるわけです。反対に、デジタル・デバイドな若い世代の方々は、インターネットに最初から慣れ親しんでいるので、それら制限事項をあまり意識することなくインターネットでお買物することができます。

店舗には五感の制限がほとんどありません(大音量でBGMを流したり強烈な匂いで店内を充満させて周囲から怒られるケースは除いて)。よって、どんな年齢層に対しても、来店時に購買してもらうには、この五感への訴求は非常に重要です。

「視覚」に関連するものとしては、店舗のレイアウト、内装デザイン、色使い、店内コーナーの分け方、商品棚の高さや並べ方などもありますが、ここでは売れ筋商品の特出し訴求やPOPでの訴求に着目してみましょう。

特に売り出したい商品があった場合、店頭での露出強化は常套手段です。大抵、店舗前に面したショーウィンドーやエントランス付近、時にはレジ近くや試着室の入口付近など、人目につきやすい場所に掲出し、商品をアピールします。露出強化の効果については、売上データを掘り下げて当該商品の売れ行きをチェックすることで得られます。

…と、本当にお考えですか?本当に?

店内のそこかしこで露出強化したから売れたーーーそう思うのは早計です。そこを論理的に導き出す必要があります。そのためには、露出強化の状況を計測・可視化しなければいけません。

具体的には、ショーウィンドーや特定の特出し掲出場所にWEBカメラを設置し、その前に立ち止まった人数(立寄人数)を計測します。そして、店内の混雑状況もセンサーなどで計測し、POSデータと照合してみると、「店頭掲出物を閲覧→来店→購買」の一連の流れが把握できます。個人レベルで店頭の動きをすべて追跡するのではなく、総数で傾向値(トレンド)を測るわけですが、その購買促進策を分析するには十分な方法です。

 

 

人の流れがわかってくると、店頭露出以外の方法ーBGMでのイメージ訴求や香りの演出、商品素材に実際触れることができるような展示方法など、感覚マーケティングがさらに研ぎ澄まされて、お客様への多面的なアプローチを検討しやすくなります。大仰に聞こえるかもしれませんが、店頭での購買行為そのものを「体験」として捉えデザインする、つまり「顧客体験/カスタマー・エクスペリエンス」を展開することは、お客様をリピート客に変化させることにも寄与します。積極的に取り組んでいただきたい方策です。

++++++++++++++++++
「購買促進」に貢献する事業KPI:
「購買率」「立寄人数」「来客数」「店内混雑状況」
(「店舗前通行量」や「施設全体の混雑状況」も分かると、掲出物閲覧前の状況も可視化され、人の流れが全体的に把握できるようになります)
++++++++++++++++++

 

C. 「販促効果」

前述となにが違うのか、とお思いかもしれません。しかしその目的は明確に異なります。

店舗の日々は常に試行錯誤の連続です。そこでの販促活動は、非常にスピーディかつ数多く繰り出していく必要があります。その意思決定のスピードを上げるには、「データドリブンな考え方」は大前提な条件です。データを活動指針としてその分析とレビューを行いながら活動しなければ、店舗行動の効率的な管理運営はできません。

「データドリブンな考え方」をベースとした、販促を含めたマーケティング・プレームワークの代表例は、なんといっても「PDCA」です。Plan(計画)ーDo(実践)ーCheck(検証)ーAction(改善)を繰り返すことでその精度を高め、効率的・効果的な施策を展開していく方法は、皆様もよくご存知と思います。

しかしこのPDCAには少し弱点があります。

PDCAは綿密に計画されたプランに基づいて実施されます。つまりPlan(計画)の部分が非常に重要で、策定には時間を要するのが常です。ということは、市場変化の激しい店舗においてそこに時間を割くことは、非常にリスキーです。「忙しくてそんなことやってる時間なんてないですよ!」と、某店舗の店長様に私たちも言われたことがあります。

そこで最近注目されている手法が「OODA」です。

 

 

OODAとは「Observe(観察)」「Orient(状況判断)」「Decide(決定)」「Act(行動)」を指します。PDCAとなにが違うのか?とお思いでしょうが、決定的に違うのは最初の部分です。

PDCAは、最初に綿密な計画を練る必要があると申し上げました。それに対しOODAは、状況の観察(Observe)と判断(Orient)をさっさと済ませ、意思決定(Decide)して実行に移す(Act)のです。そこに綿密な計画は必要ありません。その代わり必要なのは「状況を観察して判断できるデータとシステム」です。

販促効果測定の「ある・ある」…色々なところからデータを引っ張り出し、閲覧し、加工してまとめ、ようやく判断できる状態になる…皆様も思い当たりませんか?言うまでもなく、これは非効率的です。なにも店舗にかぎったお話ではなく、本社のマーケティング/販促部門であっても同じことが言えると思います。

至るところに散在する事業に関するデータをまとめ、可視化し、いつでもすぐに分析可能とするプラットフォームがあれば、意思決定のスピードは間違いなく劇的に向上します。先程申し上げた「データドリブンな考え方」は、このようなデータを活用するシステムによって支えられ、強化されます。「データを収集する」だけでは不完全なのです。データを活用できてこそ、説得力のある、的確かつ迅速な意思決定が成立することを、ぜひご認識ください。

++++++++++++++++++
「販促効果」に貢献する事業KPI:
「来客数」「購買率」
(「店舗前通行量」や特定販促場所の「立寄人数」も分かると、販促内容の浸透具合がさらに可視化され、人の流れが全体的に把握できるようになります)
++++++++++++++++++

 

D. 「シフト管理」

これまでとは少し違う観点の要素になりますが、店舗経営においてこれほど重要な「トリガー」はないのではないでしょうか。なぜなら、店舗の売上をアップさせるのも、店舗業務の効率化を実現するのも、直接的には「システム」ではなく、まぎれもなく「人」だからです。

私たちはこれまで様々な企業様にお会いしてきました。そこで投げかけられる究極の質問、それは「Flowを導入すれば、ウチはどれだけ儲かるんですか?」。その時、私たちはこうお答えします。

Flowを導入すれば売上が上がるわけではありません。なぜならFlowは、店舗スタッフの皆さんに代わってお客様に商品を販売するわけではないからです」
「しかしFlowを導入することで、確実に、店舗スタッフの効率的な配置やシフトが実現し、店舗販売力の効果的な底上げにつながります

「Flowが、事業KPIの可視化によるデータ活用の強力な機能と共に、店舗の売上アップに貢献することは、間違いありません」

Flowの計測データは売上に貢献するだけではありません。シフト管理をより効果的にします。
スタッフのシフト組成を行う際、店長の皆様は希望シフトを集め、日別・曜日別・時間帯別の売上や来客数、売上予算などと睨めっこしながら考えているケースがほとんどだと思います。しかしそれは「来客→店内回遊→購買」の流れになにか変数が加わるだけで崩れてしまう、とても繊細なロジックの上に成り立っていると言わざるを得ません。

 

 

普段から店外・店内の人流計測とトレンドが把握されていれば、一定の必要接客ボリュームが見えてきます。また、店舗内の混雑状況やレジ前の混雑状況も可視化されていれば、混雑による売り逃しのリスクを回避する対策も打てます。来客数や購買数、売上予算だけでなく、もっと店舗のデータを活用すれば、より効果的・効率的なシフト組成が可能となるのです。感覚知や経験値ではない「データドリブン」な店舗運用は、店舗環境の急な変化にも「データ分析と活用」が意識され、柔軟に対応できます。

++++++++++++++++++
「シフト管理」に貢献する事業KPI:
「来客数」「レジ待ち混雑」「試着室利用」「購買率」
(「店舗前通行量」や特定販促場所の「立寄人数」なども分かると、販促内容の浸透具合がさらに可視化され、人の流れが全体的に把握できるようになります)
++++++++++++++++++

 

E. 「顧客満足度向上」

さすがにこの話題はFlowと関係ないんじゃない?と思われた方もいるかもしれません。しかし、Flowが目指している理想像は、実はここにあります。

何度も申し上げて恐縮ですが、Flowは、直接的には、小売業を中心とした店舗を持つ企業で働く方々に向けて、店舗データの収集・分析・可視化を提供し、データ活用を促進することで売上増大や業務効率化に寄与するものです。

「店舗データの収集」ということは、店舗に関する様々なデータを計測・取得するということです。つまりそれらデータを活用すれば、さらにふみこんだ施策やシステムを構築することができます。

たとえば、来客属性。WEBカメラを使って来店客の性別・年齢層などを分類してデータ化します。これをPOSデータと照合して来店客の属性と購買客のそれを対比させることで、店頭販促や接客と実購買のズレを補正することができます。

この来店属性を例に、もう少し具体的なケースを考えてみましょう。

とある雑貨小売の企業は、リアル店舗とECの両方を持っています。リアル店舗では多くのデータ収集と分析・活用が行われていて、店舗状況の可視化がかなり進んでいます。また、お客様向けアプリも提供しています。アプリにはポイントカードが登録でき、店舗/ECでの購買時にポイントカードを提示することで特典を得ることができます。

この企業は常日頃、「アプリユーザーにもっと購買を促したい」と考えていました。そこで、リアル店舗の来店属性データによって得られた「最も傾向値の高い層」をターゲットと設定、そのデータを使ってアプリ内で購買を促す施策を考えました。以下のような取り組みです。

店舗の来店属性データから得たターゲット層と、アプリ利用者の属性データを照合し、合致したユーザー群を3分割してそれぞれに施策を展開

グループA 来店を促すメッセージの送信
グループB EC利用を促すメッセージの送信
グループC なにもしない

各グループのユーザーがその後どのような購買行動に至ったかを追跡
(ポイントカード番号によってリアル店舗/ECでの購買行動がわかる)

つまり、アプリ・ユーザー内の「リアル店舗でのメイン・ターゲット層」に対して働きかけ、来店数や購買数にポジティヴな変化が見られるかどうかをA/Bテストする、という取り組みです。これはリアル店舗の「来店属性」がなければできない発想です。
アプリの属性データをリアル店舗に流用するケースは時々見かけますが、上手く活用できないことが多いようにお見受けします。というのは、リアル店舗の属性分析がきちんとデータ化されているケースが残念ながらまだ少なく、アプリの属性データを受け止める器がないからです。

 

 

こうしたケースは、アプリを介してオンライン(EC)ーオフライン(リアル店舗)間のお客様行動を活性化させ、相互送客が期待できます。これは「OMO/Online Merges with Offline」に含まれる考え方であり、「DX/デジタルトランスフォーメーション」と言って良いものだと思います。
OMOのベネフィットは、単に売上増だけではありません。ECであってもリアル店舗であっても、場所を選ばずに自然と購買が循環するサイクルを構築し、顧客をファン化させることが大いに期待できます。

Flowで収集・可視化されたデータが、店舗でのデータ活用による顧客体験の改善と、外部システムへの寄与による顧客体験の改善によって、包括的な顧客満足度の向上につながっていくーーー店舗データの収集と活用は、顧客満足度につながります。私たちはそう確信しています。

 

++++++++++++++++++
「顧客満足度」に貢献する事業KPI:
「来客属性」「来客数」「購買率」
(店舗データの分析とデータ活用の仕組みが整っていれば、外部との連携によってより良い顧客体験を提供するDXが構築できます。外部データを店舗データに流用して活用することも可能です)
++++++++++++++++++

 

F. 「来店・売上予測」

ビジネスにおいて誰もがほしい情報、それは「未来予測」ではないでしょうか。

店舗は言うに及ばず、本社も含め、日々の売上進捗に精一杯で、その先にある見込や予測についてはその精度含め非常に難しいと思います。ましてや、現在も続くコロナ禍は市場の読みをより不透明なものにしています。感染の波がいつまた訪れるかもわかりませんし、世界はコロナ前の状況にはもう二度と戻らないのではないか?という予測すらあります。

(小売業を取り巻く環境と経営課題、そしてそれらに貢献するFlowの機能についてはシリーズ「経営課題に対するFlowの有効性」にて解説しています)

正直申し上げれば、誰も未来のことなどわかりませんが、店舗データを分析することで、見えてくる予測値はあります。しかしそれは、過去時系列のPOSデータだけ見ればわかる、というものではありません。売上を構成する要素を複合的に組み合わせてはじめて、予測は精緻に成立します。

釈迦に説法ですが、売上は数字上では客単価の積み上げです。そこには購買者数や購買内容が関係し、購買頻度によってその人数がさらに積み増しされ、購買率によって購買者数を生み出す来客数を見込むこともできるでしょう。そして来客は突然発生するわけではないので、店舗前通行量との関係をチェックすることも当然必要です。

「店舗前通行量~来客数(来客率)~購買客数(購買率)」の流れは、予測において少なくとも把握しておきたいポイントです。人流計測と把握は来店予測に活かすことができますし、売上予測への影響が非常に大きい要素です。
「来客属性と購買客属性の照合と店内接客内容のマッチング」「VMDによる特出し商品展示コーナーの立寄人数と購買内容の相関性」などは、客単価や購買内容に影響します。こちらもまた精緻な予測には必要です。

こうしたデータ群をすべて集計・計算して予測値を自身で導き出すことは、統計学をバックグラウンドに持ったデータ・サイエンティストでなければ極めて難しい。そしてそのような人材は、どの企業にもいらっしゃるわけではありません。

 

(総務省「令和3年版 情報通信白書」より抜粋)

 

上図のように、50%以上の企業が「人材不足」と回答しています。DXを推進するためには、DXを理解し社内で旗振り役となってくれる専任者が必要ー皆様も同様の感想をお持ちでしょうか?

しかし実際のところ、「DXを進める上での人材不足」というより、実は「計画性をもってデータ活用の旗振り役となってくれる方が少ない」のではないか?ー偽らざる私たちの印象です。

弊社Flowのシステムの導入は、技術的に高難度なものではありません。Flowは非常に多様なIoTーセンサー、WEBカメラ、Wi-Fi、ビーコン等ーをサポートしており、類似サービスにありがちな「ウチのシステムは●●というセンサーしかサポートしていないのでこのセンサーも買ってください」ということがあまりありません。既存システムとの連携もスムーズに行うことができます。

問題は、経営的・営業的な観点で「データの可視化が目的ではなく、データの活用が目的である」という意識と社内啓蒙の徹底が必須だということです。この旗振りがしっかりできている企業様は、Flowを大変有効に活用されています。もちろん、私たちも定期的にサポートさせていただいてます。

Flowは収集・統合して分析したデータの範囲で、来客数や売上の予測を提示することができます。この有効なデータは、上記のようにしっかり引っ張ってくれる企業内体制がないと、数値だけが独り歩きして店舗行動へ影響が出てしまう可能性すらあります。

便利なシステムであればあるほど、企業内での手綱をしっかり握った啓蒙・指導とリーダーシップが必要です。私たちも喜んでお手伝いしますので、ぜひご相談ください。

 

++++++++++++++++++
「来店・売上予測」に貢献する事業KPI:
「来客数」「購買率」「店舗前通行量」
(特定販促場所の「立寄人数」や購買客の「購買属性」なども分かると、より精緻にデータ分析と予測が可能になります)
++++++++++++++++++

3. まとめ

今回は、データを使った店舗経営の有効性についてご説明し、Flow全体がもたらす効能について簡単にご紹介しました。いかがでしたでしょうか?

Flowは、取得した事業KPI直感的にわかりやすいUIで一覧表示し、問題点を顕在化させます。店舗・エリアマネージャー・本社それぞれの視点でデータを取りまとめるため、それぞれの立ち位置でデータが可視化され、データ分析のスピードはもとよりそれに伴う意思決定のスピードも上がります店舗行動にも活用し、企業全体がデータを活用した「データドリブンな経営スタイル」にシフトすることができます。

より詳しいFlowの計測領域については、今後以下のようにご紹介していきます。引き続きご一読ください。

*********************

シリーズ「Flowの計測領域の意味と効能」
  1.  Flowで実現するデータドリブンな経営 (本ページ)
  2. 「来客数」「購買率」 (10/04月 公開予定)
  3. 「来客属性」「立寄人数」 (10/11月 公開予定)
  4. 「レジ待ち混雑」「試着室利用」 (10/18月 公開予定)
  5. 「店舗前通行量」「施設混雑状況」 (10/25月 公開予定)

*********************

Flowおよび弊社に関してのお問い合わせはこちらまで。貴社のお悩みをぜひお聞かせください。お待ちしています。



#小売業 #リテール #計測 #店舗 #データ活用 #分析

この記事を書いた人





FlowSolutions マーケティング・マネージャー。

■ Flow Solutions 会社概要

株式会社 Flow Solutions は、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始、アパレル、雑貨店をはじめ、家電量販店など、すでに800を超える店舗の売上改善のためのデータ活用を提供。店舗可視化IoTシステムを通じて取得する顧客行動データの提供、データ活用のためのアフターサポート、さらにデータからすぐに行動につながる、通知サービスの提供を開始、小売課題解決のためのあらゆるソリューションを提供しています。
店舗分析に関することなら何でも、お気軽にお問い合わせ下さい!