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【店舗運営】事実(データ)に基づくコミュニケーションの大切さ: 本社と店長 編

作成者: Flow Solutions|2022/10/12 23:00:00

店舗の売上を改善するためには、本社と店舗のコミュニケーションは欠かせません。


「ウチは本社から毎日メールで連絡事項を店舗に配信しているし、日報で店舗の様子も把握している。さらに、店舗に時々電話して様子をヒアリングしたり、マーケティング部門や商品企画部門の担当者が無作為に店舗に訪問して店頭状況や販促策、顧客反応などについて意見交換している。コミュニケーションは良いと思う」

―――ちょっと待ってください。そのメールや電話、あるいは会話は、本当に「コミュニケーション」の役割を果たしているのでしょうか?

売上改善のために必要な「コミュニケーション」とは何か、考えてみたいと思います。


「コミュニケーション」の定義を確認しましょう。

コミュニケーション: 気持・意見などを、言葉などを通じて相手に伝えること。通じ合い。

つまり、発信側にとって「伝える」こと、発信・受信双方にとって「通じ合う」ことが達成できていなければ、それはコミュニケーションとは言えないのです。

もう少し具体的な例でご説明しましょう。

――――――
ある日、本社からのメール通達内容に、とある指示がありました。

本社:
「ディスプレイしているシャツの色を赤に変えるなどの対策をしてください」

本社の意図『いくつかの店舗は最近来店率が下がっている。ディスプレイ商品を目立つ色に変更して通行人の目を惹こう』←通達内容に言及無し)

この伝達内容を見た店長は、ディスプレイのシャツの色を赤に変更します。しかし、その意図が伝わっているか、はまったくの別問題です。

ーーーーーー
店長
 推察: 
『そうか、きっと赤色をメインの訴求カラーに変更するってことだな』
 行動: 『今のうちに赤色を用意しなければ。赤の在庫を厚めにしておこう』
ーーーーーー

後日、本社から店長に電話がありました。

本社:
「店長、なぜ赤色の在庫を増やしたんですか?発注数がいつもより多いんですが…」

店長:
「メイン訴求カラーになったということで、在庫を厚めにしたんです。先日のメール通達で指示通りディスプレイを変えた後、すぐに在庫を増やしたんですよ」
――――――

…これはかなり極端な例ですが、似たような経験は皆様もおありではないでしょうか?

では、どのようにすれば良いのでしょうか?

コンサルティングファームであるマッキンゼー社が、問題解決のためのフレームワークとして広め、活用されているコミュニケーション手法に「空・雨・傘」というものがあります。

コミュニケーション手法「空・雨・傘」

 空: 空が黒い雲でいっぱいだ という状況
 雨: これから雨が降りそうだ という解釈
 傘: 傘を持って出かけよう という解決のための行動

空という状況を見て、これから雨という解釈をし、傘を持つという行動をする、というシンプルなものですが、至ってロジカルです。しかし、私たちの日常的なコミュニケーションでは、これが実践できていないことが多いものです。

前述の例を、このフレームワークに当てはめて考えてみましょう。本社は、次のように考えていました。

 空: いくつかの店舗の来店率が最近下がっている という状況
 雨: お客様に店が魅力的に見えていないのでは無いか という解釈
 傘: ディスプレイを目立たせて通行人の注目を惹こう という行動

本社が、この3つの思考工程をすべて店長と共有していれば、店長が誤った解釈と行動(赤が訴求カラーだと解釈し、赤色の在庫を増やす行動を採った)をせずに済んだはずです。

つまり、特にビジネスの局面においては、上記の「空・雨・傘」の思考工程を意識したコミュニケーションが極めて重要である、ということです。今一度、貴社のコミュニケーションの在り方を振り返り、意図、意思が伝わるコミュニケーションを意識し、実践されることをお勧めいたします。

この意識が無ければ、どんなに優秀かつ高機能なシステムやツールを導入したところで、その真の効果は発揮されない、といっても言い過ぎではないと思います。
そしてそれは、私たちFlowも決して例外ではありません。ただ導入しただけでは、Flowは店舗データを可視化するだけのツールに過ぎません。

「空・雨・傘」のロジックに紐づけば、データという状況を把握し、分析を通してそれを解釈し、その対策を設定して行動する、というプロセスを、明確な意図と意思を含んだコミュニケーションに落とし込んでいくことが重要です。

ぜひ、弊社にご相談ください。豊富な経験と手段を尽くして、貴社の「コミュニケーション」をサポートし、売上改善・業務効率化に貢献いたします。おまかせください。

 

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株式会社Flow Solutionsは、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレルや雑貨店、家電量販店など、これまで100社以上・800店舗以上へのシステム導入と3,000以上のセンサー接続実績があります。リテールデータ活用AIプラットフォームFlowは、IoTによる人流計測データや既存データとの連携によって店舗状況を可視化し、AI技術を用いた多次元なデータ分析を可能にします。店舗データの活用によって売上改善や業務効率化に効果を発揮するソリューション・ベンダーとして、小売業の課題解決にあらゆるソリューションを提供しています。
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