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小売店のコミュニケーション②

作成者: Flow Solutions|2016/10/03 23:00:00

ファッション小売店などでよく発生する問題として、「スタッフ間のコミュニケーション」があります。コミュニケーションが効果的でないことは、店舗にとってどんな不利益をもたらすでしょうか?

 

「上司への売上報告の時、問題点と課題がうまく伝えられない…。」 「部下(店長)とミーティングをしても、なかなか売上向上に直結する話し合いができない…。」など、特に店長とエリアマネージャー間でのコミュニケーションにまつわる悩みも多いと思います。

 

前回の小売店のコミュニケーション①では、店長とスタッフ間の円滑かつ効果的なコミュニケーションについてお話ししましたが、今回は店長とエリアマネージャーとのコミュニケーションについてお話しします。

 

あなたがお店を運営する中で、店長とエリアマネージャーの間でのこんなやりとりに身に覚えがないですか?

 

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エリアマネージャー:今日の売り上げは目標に届かなかったね。店舗の様子はどうだった?

 

店長:お客様は多く来店された気がしたのですが、購入に至らない方が多かったのか(①)、売り上げがあまり伸びなくて…。私も接客で忙しくて、あまり他のスタッフに気を配れませんでした(②)。

 

エリアマネージャー:今日の反省点を、明日にどう活かす?

 

店長:うーん、接客をもう少しがんばって、単価をあげる努力をします。

 

エリアマネージャー:明日は目標に届くように、がんばってね。

 

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どうでしょう?とても建設的とは言い難い内容ですよね。

 

実はこのように推測と売上結果だけでその日の報告をしてしまい、具体的な改善策が打ち出せずにまた次の営業日を迎えてしまうミーティングは多いものです。

 

無理もありません。

何がどうダメで、機会損失の原因は何だったのか?が、明確でなければ次への策は打ち出せないのです。

 

そこで、課題を可視化し共有できるよう、KPI分析のデータが必要なのです。

 

KPI分析のデータとは何でしょうか?

 

簡単に言えば、来店客数や購買率(コンバージョン率)などを計測した数値のことです。

 

例えば例の会話の中での①は、KPI分析がしっかりできているお店では「購買率(コンバージョン率)が低い」と表すことができます。

 

②は、「パワーアワー(来店客数のピーク時間)を予測できず適切なスタッフ数を配置することに失敗した」と、変換されます。

 


では、分析データを用いた店舗運営とミーティング内容はどのように改善されるのでしょうか?

改善例を見てみましょう。

 

 

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エリアマネージャー:今日の売り上げは目標に届かなかったね。店舗の様子はどうだった?

 

店長:客数は昨年対比で+5%の来店数があったのですが、購買率が目標に届かず、売り上げにつながりませんでした。原因としては、最近の来客数の増加傾向とパワーアワーにシフト人数を適応させられず、接客が不十分だったことだと思います。

 

エリアマネージャー:今日の反省点を、明日にどう生かす?

 

店長:特にパワーアワーを中心に接客に全員が回れるよう、在庫チェックや他の業務を午前中にしっかり終わらせます。そうして購買率目標を達成することで売り上げ目標に到達させます。客単価は目標に届いているので、これで確実に売り上げ目標に近づけると思います。

 

エリアマネージャー:確かに、購買率が目標達成の鍵のようだね。販売スタッフとも購買率の数値変化を共有して、モチベーションを上げることを意識しながら目標達成を目指しましょう。

 

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いかがでしょうか?

 

先ほどの例とは随分違い、「推測」に基づく問題の指摘がなくなり、事実に基づいた説得力のある売上改善のための対策会議に変貌しました。

 

今まで「来店客数が多い気がする」で終わってしまっていた反省ミーティングが、「来店客が増えているからスタッフを総動員し購買率を上げなければいけない」に変わり、生産性が生まれます。

 

また、次の営業日までに対策を考案し、エリアマネージャーと共有することが可能になり、売上目標達成までのPDCA(Plan, Do, Check, Action)サイクルがより早いスピードで回せるようになります。

 

 

このようなコミュニケーションを可能にするには、

来客カウンター(ピープルカウンター)などのツール使用したり、POSレジからのデータを用いた、KPI分析を日頃から行う習慣をつけておくことが大切です。

 

KPI分析について詳しくは、こちらのブログ(小売業に欠かせない「KPI」を知っていますか? )をお読み下さい。

  

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