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「鷹の目」と「蟻の目」の立体的視点で捉えるということ

作成者: Flow Solutions|2018/04/10 3:00:00

今回は、業務効果向上を目指すのに大切な立体的視点と、それを目的とした情報やデータを共有する際の着目点を、業界にこだわらない形で考えてみましょう。


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まず質問です。
業務上の目標数値(つまり動機付け)が示されたとして、それで私たちは、速やかに動
き出せるものでしょうか?

初めに一言でいえることは、もしそれで動き出すとしたら、それは「暗闇で動き回る(闇雲)戦法」だということです。
つまり、動く方向とその進度を決めてからでないと見境のないデタラメな動きになっ
てしまう。
時間枠と利用できる資源量に限りのあるビジネス世界では、このような無制限の活動は資源
の大きな無駄使いに他なりません。
そこで、動き方を決めるのに大切な基本的考え方として、表題の立体的活動視点、つまり「鷹の目」と「蟻の目」の話が出てくるという訳です。


「鷹の目」視点というのは、平面上ではなく数段高い視野で対象課題の全体像を捉え、イメージ(図式)的に整理する戦略的アプローチから始めることです。自分たちの立ち位置を上位目線で把握し、その上で目的に至る方向とタイミングを測るやり方です。
実行に当たっては目にも止まらぬ速さで目的地
に到達する方法が理想的といえるかもしれません。これは実際には置かれた状況次第です。

それに対して「蟻の目」視点は、具体的に目的を達成するために、行動への意思決定に柔軟性を持たせつつ、現場重視で必要資源を投入する協働の見方です。現場情報をフルに共有・利用し、細部にこだわりを持たせた目的指向の戦術的アプローチといえます。

この立体的考え方は単独活動でも有効ですが、特にグループや組織活動の上では、「鷹の目」と「蟻の目」の両視点が一体化され関連付けて用いられてこそ、相乗効果が期待できるというものです。但しこの関連付けは、単に工程の上流-下流(または原因-結果)という関係では必ずしもないことに注意しておきたいです。それらは、もっと同時並行的内容と考えるべきでしょう。

この協働を前提に、そのための情報共有やデータ利用に目を向けてみましょう。

「鷹の目」では、対象領域の全体像を広く捉え、状況の背景を含めた脈絡作りを支援し、方向性と進度を見定めるための情報利用が主体です。具体的活動準備・見直しに向けての地図作りの作業と考えると分かり易いかもしれません。

一方で「蟻の目」は示される方向性を参照して、個別状況への対応(アク
ション化)を目指す情報利用です。現場役立ち情報の把握・共有・フィードバック化と考えておくと良いでしょう。
できるだけ最新のデータ利用が期待されます。また入手情報を元に、現場が判断して動け
るだけの「活動の自由度」が与えられることも大切でしょう。


「鷹の目」からの地図提供に当っては、時間軸を踏まえて脈絡を整理するという見方が有効です。このための情報表現は「論理的」な見方(「概念的」と表現する人もある)で行うのが分かりやすいです。
その際には散らばった情報やデータを高い目線から見直し、単純化するために「抽象化」という考え方を取り入れます。少し言葉が難しいですが、似たもの同士をまとめてできるだけ簡潔に表現する考え方だと理解しましょう。
具体的には、情報の出所や時間的な関係性、意味を踏まえた要約整理することで
す。この抽象化に当っては、技術的には「モデリング(モデル化)」手法を取るのが一般的です。また、必要なのは単なるデータ量の問題や細かさではない点に注意したいところです。

心理学では「マジックナンバー7+(または5+)」といって、一度に提示される情報量の人間の短期的記憶度はそれ程多くはないことが話題にされています。同様にいきなり細かな地図だけを提供されても、人は通常理解に困ってしまいます。
身近な例を上げると、ネッ上での最近の東京メトロ構内地図
があるでしょう。試しにどこかの駅の構内図を検索してみて下さい。とても正確で細かな構内図が表示されます(2018年3月現在)。しかし、まず目的地に向けて大体どちらの方向に進んだら良いかを知りたい検索者にとっては、余り細かすぎる地図を最初に与えられるのは困りものです。(これは筆者を初め何名かが最近感じた意見です。正確な構内地図も時と場合によっては必要なこともあるでしょうが、それを最初から必要とする人の方が少ないのではないでしょうか。要は目的と理解度に応じたレベルでの、段階的情報提供が必要という例です。関係者にはその点悪しからず。)

次に「蟻の目」の情報・データ利用について簡単に考えましょう。そこでは個別の出来事や取引(トランザクション)に着目した現場データ主体の利用が期待されます。個別的で一貫性のある内容として、手軽に扱いたいという現場要望に応えることが求められます。直面する事柄を中心に、それに付随する属性的データを一緒に扱いたいという要望が出るでしょう。更に、ある出来事に関連して、その時間・空間的な状況も含めたい。対象の視野は限られるものの現場での具体的アクションに必要な程度での情報・データを得たいということです。

こういった立体的視点と要望に沿って、情報・データをグループとして提供し合える環境実現を前提方針に、具体的に導入構築するソリューションを選択することが大切です。この場合、たった一つの解決策では全ての要求に応えられない可能性があります。

「One size does not fit all.(一事が万事とはい
かない)」を忘れたくないところです。今回は経営的見知から期待される、基本の取組み方を考えてみました。

最後に、「鷹の目」と「蟻の目」両視点からの立体的協働環境として、タイムリに両者の意識合わせやアイデア共有に実施を目的とした双方向コミュニケーションの場を設けることも大切だと付け加えておきます。その一つの形態がビジネスチャットといった機能で実現できる可能性があるでしょう。

【閑話休題】花や虫を独特の表現で描くことで知られる故熊谷守一画伯に、「よく見ていると『蟻は(6本ある)足の左側2番目から歩み出す』ことが分かった」との言葉があります。これも細かい現場観察の話題といえるでしょう。

 

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-Minoru-インフオラボ游悠(いんふおらぼゆうゆう)
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