インバウンド客の増加に伴い、日本ならではの商品やサービスの需要が増しています。
特に、日本の四季に合わせたVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)は、国内の来店客のみならずインバウンド客にも感動を与え、購買意欲を高める強力な手法となります。
今回は、ともすれば接客をせずとも商品の価値を伝えることができるVMDの効果と、各季節の特性を活かしたVMDの具体例について、そしてVMDの評価方法についてご紹介します。
VMDの効果
VMDは、
ブランドのイメージ強化やリピーター増加に効果的なマーケティング手法です。
商品のストーリーテリングを視覚的に表現することができます。
デジタルサイネージやQRコードを活用すれば、顧客が詳細な商品情報を簡単に取得できるようになります。顧客は自分のペースで情報を得ることができるため、満足度が向上するというメリットがあります。
季節感を取り入れたVMDの効果
季節感を取り入れたVMDは、来店客に感動を与え、購買意欲を高めるために重要です。季節ごとのディスプレイは、店舗の雰囲気を一新し、訪れるたびに新しい発見を提供するでしょう。
例えば、春には花や新緑を取り入れたディスプレイ、夏には海や太陽を連想させる小物を使うなどで、季節の移り変わりを感じさせることができます。
提供する商品やサービスに加えて、こうした工夫を提供することにより、お客様は常に新鮮な気持ちで店舗を訪れることができます。
- 春:花や新緑を取り入れた明るいディスプレイ
- 夏:活気あるビビッドなカラーや夏祭りをイメージした展示
- 秋:収穫をテーマにした暖色系ディスプレイ
- 冬:雪やイルミネーションを活用した華やかな空間
お客様は「また来たい!」と感じ、リピーターの増加や新規顧客の獲得につながります。
季節ごとのVMDアイデア
春のディスプレイ
春は新しい始まりの季節です。春の花を使ったディスプレイは、明るく前向きな印象を与えます。また、パステルカラーや薄いグリーンなど、春の芽吹きを連想させる柔らかい色合いのアイテムを取り入れることで、爽やかな雰囲気を演出します。日本でおなじみの
ランドセルですが、海外では大人に人気があるのをご存知ですか*1?ランドセルと合わせて大人と子どものファッションを提案するといったことも、新たな試みとして面白いかもしれません。
- アイデア:桜やチューリップ、パステルカラーの小物を活用
- ポイント:明るく前向きな印象を与える商品配置
- 効果:入学・入社シーズンの需要に対応し、新生活アイテムをアピール
夏のディスプレイ
夏はエネルギッシュで活気に満ちた季節です。ビビッドなカラーや海、砂浜をイメージしたディスプレイは、夏の楽しさを引き立てます。夏祭りや花火大会などのイベントに関連するアイテムをディスプレイに取り入れると、季節の特別感を演出することができます。これにより、顧客は夏のワクワク感を感じながらショッピングを楽しむことができます。
- アイデア:青や黄色をアクセントに、海や砂浜をテーマにした装飾
- ポイント:夏祭りや花火大会をイメージした季節感あふれる展示
- 効果:夏ならではの特別感で、顧客の購買意欲を刺激
秋のディスプレイ
- アイデア:オレンジやブラウンを基調とし、カボチャや落ち葉を装飾
- ポイント:ハロウィンや感謝祭に合わせたイベントディスプレイ
- 効果:秋の豊かさを演出し、季節のイベント商品をアピール
冬のディスプレイ
冬は温もりと祝祭のムードが漂う季節です。雪やクリスマスツリー、イルミネーションを使ったディスプレイは、冬の特別な雰囲気を演出します。白やシルバー、ゴールド、レッドなどのカラーを基調としたデコレーションは、エレガントで豪華な印象を与えます。また、クリスマスや新年に向けたギフトアイテムを中心にディスプレイを構成することで、プレゼントを探しているお客様の目を引くことができます。これにより、季節のイベントに合わせた売上向上が期待できます。
- アイデア:白やゴールドを基調に、雪やクリスマスツリーで装飾
- ポイント:ギフトアイテムを中心に、新年向けの展示を強調
- 効果:冬の特別感を顧客に感じさせ、売上向上に貢献
商品の組み合わせを提案するコーナーを設けることも有効です。例えば、洋服の場合、トータルコーディネートを提案することで、顧客は購入後のイメージを具体的に持つことができ、購買意欲が高まります。
季節のVMDで店舗の印象を変えたら、効果測定を忘れずに!
季節を取り入れたVMDや商品のトータルコーディネートは、顧客が購入後の商品イメージを具体的に持つことができるため、ブランドイメージの強化や効果的な商品提案に繋がり、リピーター増加にも効果的です。
例えば、商品の組み合わせを提案するコーナーを設けることも有効であり、トータルコーディネートを提案することで、顧客は購入後のイメージを具体的に持ちやすくなるため、購買意欲が高まります。VMDは今後さらに進化し、AIやAR(拡張現実)技術を組み合わせ、より個別化された顧客体験を提供する接客効率化の新たな手段としても期待されています。
このようなVMD施策を行った後は、客数や滞在時間、買上げ率などにより効果測定を行い、効果の有無やトレンドとの整合性などを検証し、試行錯誤を繰り返しながら経験を蓄積していくことが重要です。定性的なデータと定量的なデータの蓄積によって、長期的な傾向を把握しやすくなるだけでなく、データ活用人材の育成にも繋がるでしょう。