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セルフレジ導入、メリットと課題は?イギリスの接客0のマクドナルドを体験!

作成者: Flow Solutions|2018/11/26 21:49:00

大手ファーストフードチェーンのモスバーガーが「セミセルフレジ」の導入を発表しました。201811月より東京と関西の7店舗に順次導入されているそうです。

モスバーガー/セミセルフレジ導入、レジ回転数50%向上(流通ニュース)https://www.ryutsuu.biz/it/k110741.html

海外の高価格帯ハンバーガー店が台頭することで、不調がつづいているというモスバーガーですが、新たな試みでカスタマーは増えていくのか注目したいところですね。

夏にイギリスに行ったのですが、ロンドンの中心街では、チェーン展開している大手スーパーマーケットや飲食店でこのセルフレジを見かけないことは、ほとんどと言っていいほどありませんでした。

ロンドンの地下鉄ピカデリー・サーカス駅近くのマクドナルドには、日本で見かける一般的なマックのレジカウンターはありません。のマクドナルドのセルフレジは大きなスクリーンの下に、会計用のレジが備わっており、カスタマーはこのスクリーンをタッチして商品を選びます。

日本のマクドナルドにも、セルフレジが導入されている店舗はありますが、それでも店員によるレジ接客をなくした店舗はまだないようです。

 

このセルフレジでは、カード決済が主流のイギリスらしく、現金対応はしていません。

タッチスクリーンは動作がすこし重いと感じましたが、サジェスト機能がついていて、普段見ないようなメニューを発見してつい買いたくなってしまうので、うまくできているなあと思いました。

また、設置台数が多いので、並ばずともスムーズにオーダーができました。  

 

商品ラインナップは、日本のものとは異なり、また、ベジタリアン対応の商品にはマークがあるなど、イギリスの文化にマッチさせたものになっています。ハルミチーズのフライはおいしいのでイギリスに行ったら是非トライしてみてください…。サラダを注文するとフォークだけではなくナイフもついてくるのも、驚きでした。

購入したあとは、受け取りカウンターで自分の番号が呼ばれるのを待ちます。この店舗ではどうやらマックカフェ以外の商品は2階で作っているようで、商品用のコンベアにのって次々と商品が運ばれていました。

この商品の受け渡しは、人によるものですが、基本的には入店した後、店員と一言も口を交わすことなく商品を手にすることが出来ます。

その昔、マクドナルドのサービスでスマイル0円というのが流行りましたが、ほとんど店員とのコミュニケーションがないのは、効率的である反面、サービスに重きを置く日本の消費者にとっては物足りないかもしれないと思いました。

お客様にとっての利益を考えたとき、ビジネス街などの店舗では、時間を短縮できるセルフレジは、カスタマーにとって最適なものといえそうです。しかし、ファミリー層のカスタマーが多い地域や、高齢層の多い地方の店舗では、店員による細やかなサービスが顧客満足につながるため、すべての店舗にセルフレジを導入することが必ずしもカスタマー・エクスペリエンス向上につながるわけではありません。

また、日本ではビジネス街でさえ、未だスタッフによるレジ接客が一般的ですよね。セルフレジ導入が進まないことの理由のひとつとして、日本の「おもてなし」を大切にする文化が挙げられるかもしれません。

とはいえ、モスバーガーだけではなく、日本の多くの小売飲食店でセルフレジは広がりをみせています。初期コストを抑えて多言語対応もできるので、オリンピックによるインバウンド客への対応として、今後ますます設置台数が増えていきそうですね。

近い将来、スタッフゼロの無人店舗も出てくることが想像されますが、スタッフの接客なしでのカスタマーエクスペリエンス向上策として、各社がどのような打ち出しをしていくのか、注目したいところです。