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【イベント報告】12/15「リテールDXプラットフォーム 」5社共催ウェビナー~顧客に愛される小売DXの4つの要素とは?~

12/15に開催された5社共催セミナーの内容を、一部取り上げてご紹介します。Well Direction, Inc代表取締役の向井氏をファシリテーターに迎え、DXを担う5社の営業担当がパネリストとなってディスカッション。台本ナシ、ぶっつけ本番の本音トークを展開しました。


弊社はじめ小売業DXに従事する5社(ワイヤ・アンド・ワイヤレス、アイリッジ、Qoil、データセクション、弊社)が、小売業のDXを推進するために立ち上げたプロジェクト「リテールDXプラットフォーム」。現在数々の案件に取り組んでいますが、その5社による初のウェビナーを昨年12月15日に開催いたしました。
ウェビナーの内容ですが、単にソリューションを紹介するのではなく、そもそもの問題提起ーーー「DXが進んでいる事業会社とそうでない事業会社の違いとは?」「DX導入で失敗しがちな『ある・ある』話」を、各社営業担当が台本ナシに直言するという、予測不能なパネル・ディスカッションとなりました。


Well Direction, Incの向井 俊介氏をファシリテーターに迎えたこのウェビナー。皆様に少しでもお伝えしたく、その模様を以下一部抜粋してお届けいたします!

▼登場人物紹介

パネリスト:
株式会社アイリッジ
営業本部 ビジネスパートナー部長 兼 セールスオペレーション部長
井上 直人氏(以下 井上氏)
小売・流通業界をはじめとした事業会社を中心にOMOアプリの開発を手掛けるとともに、ファン育成プラットフォーム「FANSHIP」などを通じてアプリを使ったマーケティング支援を実施。

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス
営業本部 川村 俊祐氏(以下 川村氏)
KDDIグループの通信事業者としてWi-Fiの整備・運用を行う。DXソリューション推進をするチームで、広告やアプリを組み合わせてよりよくWi-Fiを使ってもらうためのアプローチも担当。

データセクション株式会社
取締役 兼 COO 平本 義人氏(以下 平本氏)
リテールにフォーカスしてオフライン店舗のデータの可視化を行い、売上を上げるためのオペレーション改善を含めたコンサルテーションを世界20か国で展開。

株式会社Qoil
事業本部 営業部長 末廣 理史氏(以下 末廣氏)
リアル・WEBを問わず、人がどう動くのか、動いてもらうためには何が必要かというところの企画立案から運用・納品まで幅広いプロモーション支援を提供。

株式会社Flow Solutions
レベニュー・マネージャー 松本 拓実(以下 松本)
リアル店舗でのお客様の行動をはじめとした各種データを統合しながら、購買率などの指標を可視化し店舗の売上戦略を立てていくことを目的としたリテールデータ活用AIプラットフォーム Flowを提供。


ファシリテーター:
Well Direction, Inc

代表取締役 向井 俊介氏(以下 向井氏)
約20年、主にIT業界においてSMBから大企業のB2Bセールス領域に従事。元App Annie日本法人代表取締役。ITやデジタルに強く、かつ中立的な立場として、5社のパネリストから本音を引き出すべく、本ウェビナーのファシリテートを担当。


パネル・ディスカッションの模様
上段左から 向井氏、井上氏、川村氏 
下段左から 平本氏、松本、末廣氏


向井氏:
中立的な立場としてあえて切り込んでいきたいんですが。デジタルを使ったシームレスな体験を作っていこうという概念は数年前からあって、様々なツールやベンダーが存在するにも関わらず、現実的にはこれを実現できている事業会社(小売企業)がなかなかいないと思っています。
これまでなぜそうだったのか、そして今なぜ、この5社が実現できるようになったのか、順番にお聞きできますか?
では…どうしようかな…末廣さんから聞きましょうか。

(事業会社のデジタルへの取り組みに差がある原因は)「デジタルへの理解不足」「目的不明瞭」などではないかー

末廣氏:
事業会社側がやりたいことが、消費者にまで伝えきれていないのではないかと思います。我々と取引先の事業者の間では新しいサービスについて話が盛り上がっても、消費者に利点だと思ってもらうのが難しいです。

平本氏:
手段が先行して目的がふわふわしているケースが多かったと考えています。例えばOMOという言葉は、オフラインとオンラインをマージするという手法を指しています。それが以前はマージすること自体が目的になって、マージした結果どうするのかがクリアになっていない案件が多くありました。
ですが最近は明確な目的をもった相談が増えてきていますし、我々もデータをどう売上や利益につなげていくかがナレッジ化されてきました。こういうことがOMOに限らずIT化の様々な場面で起こっていて、ようやく目的と手段がつながるようになってきたのではないかと感じています。

川村氏:
組織の中でマーケターがあまり力を持っておらず、また組織のトップもデジタルでできること・できないことをあまり理解していないこと。デジタル化で成果を上げてもそれを正しくジャッジできずに次の投資につながらず、結果としてうまくいかなくなってしまう状況があると思います。

向井氏:
なるほど。
上層部がデジタルやITに理解がない場合、ボトムアップで局所的に成功例を作って全体に広げていくか、上層部を啓蒙してトップダウンで進められるようにするか、どんなふうに変えていくといいと思われますか?


(事業会社はどう取り組むべき?)「小さな成功の積み重ねが現実的」「デジタル部門と店舗の共通目標の設定は重要」「社内の旗振り役は必要」ー

川村氏:
組織によりますが、小さな成功を重ねていくのが今の日本の状況では現実的ではないかと思っています。

井上氏:
デジタルシフトの推進にあたっては、デジタル部門と店舗・現場との連携が大きなポイントです。
例えば、デジタル部門の指標は、アプリがいかにダウンロードされて使われたか?ですが、店舗は売上が指標になります。ECサイトの売上が店舗の評価に結び付かないということもあり、いかに共通の目標を持てるかが重要と考えています。

松本:
私が考える要因は、何をもって成功とするかの指標が明確ではないこと、部署を横断したプロジェクトで旗振りができる人員が用意できていないこと、他社の成功事例をうまく自社にローカライズ(応用)できていないこと、の3つです。

サービスやツールを導入することはゴールではなくスタートなので、会社の文化や経営も進化し続けなくてはいけないのが一番のハードルかもしれません。

向井氏:
確かに。
成功の指標と言うと最終的には売上・利益が当然あると思うんですが、アプリダウンロードやECへの遷移というようなプロセスとしての指標だったり、何かそれ以外のいい指標はありますか?


(デジタル導入の指標とは?)「売上だけでなく、従業員の働くマインドにも良い影響がある」ー

松本:
最近、データの活用が「働く上でのマインド」に良い影響があるのではと感じています。

例えばSalesforceなどのCRMを導入すると、モチベーションがアップしたり働きやすくなったり、チーム力が上がったりという効果がありますよね。そういった、人に働きかける効果が出ているかを意識しています。

向井氏:
なるほど。ビジネスの売上を定量的に測定するだけでなく、もう1つの側面としては、例えばエンプロイーエンゲージメントを指標として取り入れてもいいんじゃないか?ということですね。

DXによっていかに従業員が楽しく幸せに働けるかこれは面白いな。


続けて向井氏:
ここまでのお話で、事業者側の実現のポイントやメリットはイメージが明確になりました。一方で、リテールDXプラットフォームが導入された時、消費者にとってはいったいどんなプラスがもたらされるんでしょうか?今度は逆の順でお願いします。


(「リテールDXプラットフォーム」のメリットは?)顧客の買物体験を充実させる=機能的価値と情緒的価値に寄与ー

リテールDX

「リテールDXプラットフォーム」全体像。詳しくはこちら

松本:
買い物が楽しくなる
ことですね。
今後オフラインとオンラインのマージが進んでいくことで、店舗で見た後にオンラインで買う、オンラインで見た後に店舗で買う、という楽しさが増えていくのではないでしょうか?

井上氏:
アプリで見ていたものを売場で一から探さずに済んだり、いつでもどこでもすぐ手に入るという利便性です。提供価値を突き詰めるとそこに至るのではと思います。

向井氏:
逆に言うと、現状ユーザーさんは何か欲しいなと思った時に、その目当てのものに到達するまで手間や時間がかかったり、ストレスが生じたりするリスクがある、ということですね。ストレートに目当てのものに到達できて、簡単に購入できることが大きな価値になると。

川村氏:
お店からスマートフォンなどを通じて届く、不要な通知がなくなるのではないでしょうか?

DXによって、ネガティブな感情につながるような通知を減らし、適切なタイミングで適切な人に適切なコミュニケーションを取れるようになります。

平本氏:
楽しい、便利、ちょうどいいがキーワードになると思います。これからは、その度合いがどんどん進化していくのではないかと感じています。

末廣氏:
購入に至るまでの道筋をわくわくするものに設計できるようになっていくのではと考えてます。いろいろな情報を得ながらお客様主体で体験を選び、新しい購買行動をしていただけると思います。

向井氏:
みなさん、ありがとうございます。
"楽しい、便利、ちょうどいい"はいいですね。機能的価値はもちろん、情緒的価値も含めて"いい体験"に寄与していくプラットフォームであることがよくわかりました。

このウェビナーを聞かれている方々も、こういった体験を提供したいと思いながら、前半のお話で出たボトルネックに思い当たる方がいらっしゃるのではないかと思います。
そういう方はぜひそのつまづきポイントを、まずはこの5社に投げかけてみるのが良いかと思います。

今日はみなさんありがとうございました!


今回のウェビナーを通して、小売業のDXにおいて

  顧客目線(顧客体験)
  デジタル(EC)/リアル(店舗)の共通目標
  DXを社内に根付かせる組織づくり
  働く人も楽しむ

がポイントだということが、5社共通の認識でした。これらが、事業会社様のDX導入を数多く手掛けてきた5社の想いであり、DXを成功させるための鍵となるはずです。

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■ Flow Solutions 会社概要

株式会社 Flow Solutions は、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始、アパレル、雑貨店をはじめ、家電量販店など、すでに800を超える店舗の売上改善のためのデータ活用を提供。店舗可視化IoTシステムを通じて取得する顧客行動データの提供、データ活用のためのアフターサポート、さらにデータからすぐに行動につながる、通知サービスの提供を開始、小売課題解決のためのあらゆるソリューションを提供しています。
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