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「クーポン」をよく使っていますか?人工知能とデータサイエンスのアルゴリズムが、ターゲットを絞ったマーケティングを提供します。【スタッフブログ】

by Niraj, on 2021/08/10 17:00:00

皆さんは、商品を購入する時にどのくらいの頻度でクーポンを利用しますか?また今までに、興味のないお得情報配信に嫌気がさして、サービス利用自体を辞めたことはありませんか?
答えはきっとみなさん、「ある!」と答えることでしょう。

TOPICS:

1.  クーポンとは

2. AIを活用すれば、運用コストを削減しROIを向上させることができる

3. クーポン配信に至る背景

4.カジノ777スロットマシンの方法論
 
5.弊社Flow for mobileにMABを適応
最後に
 


この記事は、Flow Solutionsのマルチアームサービスを利用して、「近接性」「人口統計」「POS購入履歴」「クーポンの利用・使用状況」などの履歴データから、Flow for mobileがお客様にパーソナライズされた提案をする方法についてのガイドです。

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1. クーポンとは

そもそも割引クーポンは、商品の販売促進や、値頃感による差別化のために使われるものです。新規顧客の獲得や、既存顧客の活性化にもつながり、ビジネス的には「ビジネスの引き込み役」となる役割をもっています。

クーポンは通常の価格を下げることができないのに対し、市場を細分化することができるという特殊な目的を持っています。これは、注目を集めるというシンプルな原理に基づいており、エンドユーザーには特典が提供され、企業にとっては顧客の解約をできるだけ減らすことに貢献します。

クーポンシステムによって、企業のサービスはより魅力的になるだけでなく、最も重要なことは、ユーザーが頻繁に利用するようになり、ブランドの顧客への影響力を高めることができるのです。

しかし、どのようなクーポンを提供すべきかを判断することは、非常に複雑な作業となります。


2. AIを活用すれば、運用コストを削減しROIを向上させることができる

まず、簡単な例を挙げて説明したいと思います。
例えば、XYZという会社があります。マーケティング活動としてメール、ニュースレター、SMSなど様々なチャネルを使って顧客に向けて広告を出すと、それぞれにコストがかかります。

10万通のメッセージを送る場合、会社の運営コストが1通あたり1円かかったとして、合計10万円のコストに対しコンバージョンにいたる数は本当に少ないものです(皆さんもご経験があると思います)。
一方、AIを使ってそれぞれの顧客層に最適なクーポンを最適なタイミングで配信できるソリューションを使い、運用コストを最小限に抑え、コンバージョンを最大化することができるとしたらどうでしょうか。

AIを活用することで、10万通のメッセージを送る代わりに、ターゲット層に1万通のメッセージを送信し、コンバージョンにつなげることで運用コストを削減し、ROIを向上させることができるのです

3. クーポン配信にいたる背景

ある企業のマーケティング/セールス部門では、難易度と有効期限が設定された魅力的なオファーを、ユーザーに隔日で配信しています。

各オファーは、複数のマーケティング・チャネル(Eメール、モバイル、ソーシャル・メディア、Webページ)を通じて配信することができ、オファーが完了すると難易度に応じた特典を受け取ることができます。
ユーザーは、オファーを見ると、次のいずれかを決定します。

クーポンを利用する😄
クーポンを無視するが、クーポンがなくても購入する 😕 
すべてを無視する😞

すると下の図にあるように、アプリを数週間使用した場合のマーケティング・ファネルに流れるボリュームを俯瞰することができます。

FireShot Capture 073 - Are you using enough coupons_ - Flow GO - Dev - Flow Solutions (Doc)_ - app.clickup.com


オファーを配信した後、各マーケティング・チャネルに応じた分析をしてみましょう。

  • どのオファーがコンバージョンされなかったか
  • どのオファーが購入に至ったのか
  • その場では購入に至らなかったが、その後購入につながったもの
  • 無視されたが、ユーザーがアプリから購入したもの

これはアルゴリズムのフェーズ1における、4つの主要項目です。すべて数式で計算され、通常は要件定義の公文書としてドキュメント化しておきます。

これらをふまえて、あるシナリオで考えてみましょう。

とあるオファーが100%閲覧されたとします。それは、オファーが複数のチャネルで配信されたことに加え、ユーザーに提案されたブランドのオファーが認知されたと好意的にとらえることができます。この提案が購入という行為に結びつけば、ユーザーはブランドのサービスを認知しただけでなく、魅力を感じていると推察することができるわけです。

しかしその一方で、クーポンを使わずに購入したユーザーも相当数いることがわかりました。これは、適切なマーケティング・チャネルを使用したにもかかわらず、ユーザーにとって魅力的な特典が提供されなかったことを示しています。おそらく、同じチャネルを使用して配信するオファーを変更することで(これはレコメンド・システムの課題となります)、お客さまはオファーを受け取り、それに対する特典を受け取ったことでしょう。

このように、オファーが配信された後ユーザーがファネルのさまざまなステップに至るまでの時間は、リードのステータスと高い相関関係があることを覚えておいてください。

リードとは、コールド/Cold、ウォーム/Warm、クオリファイド/Qualifiedのいずれかのステータスを持つ潜在的な買い手のことです。ユーザーがオファーを閲覧した時点で、そのオファーに興味を持っている、つまり潜在的な顧客とみなすことができます。

例えば顧客がオファーメールを閲覧したとき、一番上位に掲載されたコンテンツに惹かれるかもしれません。しかし時間が経過してオファーに参加しなければ、どんどん興味を失っていくものです。つまり理想的なのは、ユーザーがオファーを見てから完了するまでの時間が短いことです。
以下は、データセットの経過時間の分布を示しています。(あくまで理想的なシナリオです)

A) オファーを配信してから閲覧するまでの時間経過の分布


towards data scienceより引用

B) オファーを閲覧してから完了するまでのタイムラプス配信

 


このように「配信」「閲覧」「完了」に、「時間」を軸にした2つの見方が追加されると、お客様がクーポンをどのように受け止め、どのように次の行動に移すかを理解するのに役立ち、クーポンの効果・非効果について確信を持つことができます。


4. カジノ777スロットマシンの方法論

カジノ777スロットマシンの報酬関数と呼ぶことにしますが、そのアルゴリズムは次のように説明されます。

「カジノ777スロットマシン AKA MABアルゴリズム (Multi-Armed Bandit Algorithm)」は、スロットマシン問題を解決するために、かなり以前から統計学で広く研究されてきました。

あるエージェント(盗賊)がいたとします。
彼らは、利用できるK台のスロットマシンから繰り返しアームを引き、報酬を得ることができます。すると、スロットマシンを操作しているうちに、あるマシンがより多くの報酬を生み出すように見えることに気づき、そのマシンを利用したくなります。しかし他のマシンではもっと多くの報酬が得られるかもしれません。この場合彼らは、より多くの報酬を得られる1台のマシンを利用するかどうかを決める必要があります。

  • これまでに一番の累積報酬を得ている1台のマシンを利用する
  • 長い目で見て、より累積報酬を得られる可能性のある他のマシンを探す

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理論的には、エージェントは各マシンの報酬確率分布関数を推定し、期待される報酬が低いマシンに多くの試行回数を浪費しないようにしています。

 

5.弊社Flow for mobileとの連携にMABを適用

MABをある問題に適用する際の重要なステップのひとつは、報酬関数を定義することです。これまで見てきたように、お客様がマーケティング・ファネルに入る深さは、オファー戦略の良し悪しを大きく表します。その意味で、以下の報酬関数が使用されます。

MAB報酬
=オファー閲覧数+(オファー完了×オファー報酬)+2×将来の購入数

ここで、オファー報酬以外のすべての変数はバイナリ(2進数)です。この式は、オファーが閲覧されていない場合(オファー完了=0および将来の購入数=0)、0が下限となります。最高の報酬は、高いオファー報酬が与えられ、(マーケティング戦略の聖杯である)将来の購入を含め、すべての変数が1になったときに得られます。つまり、0はオファーが利用されていないこと、1は利用されていることを意味します。この機能を確立すると、以下の変数を考慮したデータ駆動型の顧客プロファイルを作成することができます。

  • お客様の詳細なデータ
  • サブスクリプションからの経過年数
  • ロケーション
  • 各製品の平均MAB報酬
  • お客様のセグメント化に役立つその他のデータ
FireShot Capture 074 - Are you using enough coupons_ - Flow GO - Dev - Flow Solutions (Doc)_ - app.clickup.com


収束領域に至るまで、平均報酬が上昇していることに注目してください。これは、探索ー搾取のトレードオフが変化した結果です。初期段階では、より良いクラスター(集団)を見つけるために、できる限り探索を行います。時間の経過と共に平均報酬の大幅な向上が見られなくなるにつれ、最適なクラスターを利用する頻度は高くなります。

最終的に、ユーザーのクラスターが予測され、対応するMABからクラスターを選択することで、ユーザーへのオファー推薦が行われます。1回の反復で1つしか引き出せないため、製品の多様性に対する自然な懸念が生じます。では、学習段階でどのくらいの頻度でオファーが選ばれたのでしょうか?以下の図で確認してみましょう。


FireShot Capture 075 - Are you using enough coupons_ - Flow GO - Dev - Flow Solutions (Doc)_ - app.clickup.com

この図から分かるように、ほとんどのクラスターで10件のオファーのうち3件が高く選ばれており、一般的にはポートフォリオの30%が推奨されていることになります。この数値は、MABが収束した後の探索率に大きく影響されます。探索率が低い場合、モデルは最も高い報酬を提供することが示されたオファーのみを推奨する傾向があります。探索率を高くすると、このレコメンド・システムの多様性が向上しますが、利用状況の予測という点ではモデルの性能に影響を与える可能性があります。

最後に

いかがでしたか?今回はAIを使った顧客アプローチの最適化や予測について、いくつかの例と共に解説しました。これ以外にも、これからの小売業界において、AIやアルゴリズムを使ってぜひ試みていただきたいことがいくつもあります。以下はその一例ですが、こうした取り組みに対して、私としてもお役に立てるデータ分析・予測の方法論を提唱していければと考えています。


  • 顧客解約率のチェック
  • 休眠ユーザーを再活性化し、解約率を下げる
  • キャンペーンやクーポンの定量化
  • 顧客とブランドの関係性の定量化
  • プロファイル・マーケティングに基づく新しいクーポンの推奨

この記事を書いた人

FireShot Capture 045 - 20210712-Blog-How to make - Google スライド - docs.google.com
Flow Solutions AI Engineer / Data Scientist。

AIアルゴリズムの開発・研究を担当。座右の銘は「Time taken to test an idea must be zero」。最近ハマっていることは「ハイキング」「GREのために勉強すること」。

◆ Flow Solutions 会社概要 ◆

株式会社Flow Solutionsは、2016年にデータ活用プラットフォームの提供を開始し、アパレルや雑貨店、家電量販店などこれまで800を超える店舗にシステムを導入してきました。弊社のデータ・アクティベーション・プラットフォーム「Flow」は、IoTによる顧客行動情報の収集や既存データとの連携によって店舗データを統合し、AI技術を用いた多次元なデータ分析を可能にします。店舗データの可視化と分析・活用によって、より具体的で効果的なDX実現をサポートすべく、日々活動しております。

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