昨今の小売業界では、経営環境の厳しさから、コストパフォーマンスや在庫高、粗利益や人時生産性など、効率を軸にした経営が求められています。

在庫管理などはいち早くシステム化され、データに基づいたコントロールが可能になっていますが、最も改善の余地が残されている作業計画や人時計画については、未だ多くの店舗が経験と勘に基づいて行われています。
TOPICS:
1. 作業の標準化
2. データを使って、売上や客数に応じた最適なシフト計画へ
戦略的な活用方法

1. 作業の標準化
まず、作業や要員の管理方法の見直しをします。従業員に作業を割り当てる従来の方法から、店舗での一日の時間帯別必要作業(ルーティーンワーク)を確定させ、「作業に従業員を割り当てていく」方法に切り替えていきます。
例えば、店舗での業務を作業レベル、動作レベルと細分化して書き出していきます。そして、スタッフ間や店舗ごとに呼び名が違っている作業があれば、全て表記を同じくして、社内での統一を図ります。
売上や客数で作業量が変動する「変動作業」と、客数に関係なく定量的に発生する「固定作業」に分類して、標準化された作業に必要人数を割り当てていきます。
2. データを使って、売上や客数に応じた最適なシフト計画へ
作業が標準化されると、特に多忙な店長にとって、労働時間を最も費やすシフト組みが容易になります。実施されるべき作業が明確になり、店舗や担当者のサービスの差を最小にとどめたり、誰がどの作業に長けているのかが整理され、パートやアルバイトの有効活用や教育計画が立てやすくなるからです。
さらに、売上や客数などのデータから、リアルタイムな推移または売上予測や客数予測を使うことで、効率化だけでなく顧客満足と売上向上に繋げることができます。

【期待される効果】
・シフト組みの負担を軽減
・最適なシフト組による人員削減
・最適なシフト人数による接客や商品補充の充実
・店舗作業の標準化が実現
・個人別作業能力の把握
上記に挙げましたように、結果として人時生産性の向上や総労働時間の短縮、人件費削減、また働くスタッフのモチベーションアップへとつながっていきます。

データに基づいた効率的な人員配置と作業効率向上は、人件費を増加させずに利益の確保ができ、時間を有効に活用できることから、顧客サービスの向上に繋がります。
戦略的な活用方法
【データに基づく正確な日割予算を立てる】
前年の実績や催促計画、季節の催事、天候や競合店の動向等をふまえ、各部門で正確な日々の売上予測と月間の日割予算を組み立てていきます。
【日割り予算に合わせた日割人時枠を設定】
日割予算額を人時売上高予算で割り、日割の人時枠を計算します。
【月次勤務スケジュールを策定】
週末や祝日の繁忙日は従業員数を多く、平日の閑散期には少なく、又時間帯も考慮に入れます。
繁忙日には売上予測と実績の差が大きく、閑散期は差が小さいという傾向があり、繁忙日に最大限人時を投入し、売上高の幅の上限を狙うことが大切になります。こうして販売機会ロスを無くしていきます。
作業を標準化し、データに基づいた管理へ。従来の「従業員に作業を割り当てていた」方法から「作業に従業員を割り当てていく」方法へ変換していきましょう。
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■ Flow Solutions 会社概要
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