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【今一度見直したい】入店率は上げられる?―――声がけの工夫でお客様を増やす

「声がけ」という基本的で当たり前のような作業…しかし、入店のきっかけや商品購入の機会を増やしていくという点で、販促キャンペーンや店内レイアウトなどと同様に大きな役割を果たします。そのため、声がけをただ闇雲に行うのではなく、その目的を今一度整理し、うまく使いこなしていただきたい―――そのポイント整理します。


コロナ禍がもたらした「消費者の行動変容」。EC利用の高まりや巣ごもり需要、SDGsへの関心具合(と買い控え)、円安不況なども要因として考えられますが、やはりコロナ禍の影響は、小売業の客足に大きな影響を及ぼしました。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置、外出自粛令、そして小売店舗の無期限閉店…2020年~21年は、非常に厳しい時期でした。

そして2022年。緩和されてきた中迎える年末年始の一大商戦期。期待は膨らみますが、はたして客足が戻り活気ある売場が賑わいを見せるのか?、それとも凪の状態は続くのか…?

先行き不透明な市場ですが、とにかく、目の前のお客様への販売に邁進するしかありません。

その際「来店いただくお客様の数を増やす」取り組みは、これまで以上に慎重かつ積極的に行う必要があります。いわゆる声がけ―――ごく当たり前の取り組みではありますが、今一度、その意義とポイントをおさえるべき時が来たのではないでしょうか?

 TOPICS:

 1.  市場を視る

 2.  店舗を視る

 3.  お客様をとらえるために

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1. 市場を視る

まず、現在の市場環境を見てみましょう。

小売業に特に厳しかったコロナ禍を経て、業種には拠りますが、売上や客足の伸びが変化しています。全体的には、消費は全体的に落ち込んだものの、生活必需品やお家時間を快適に過ごすための商品等の売れ行きが好調に推移、といわれています。

そういった業種ではない場合、「うちは来店客数が少なくなってしまった…」「売上が伸び悩んでいる…」など、少し諦めに近い気持ちになっている方もいらっしゃるかもしれません。

業種別では、どうでしょうか?

直近2022年の上期小売業販売「活動の回復と消費動向」を見てみると※1、百貨店、ドラッグストア、コンビニエンスストア、家電大型専門店、スーパーでは、前年同期より販売額が増加、一方のホームセンターは減少、という結果です。皆様のご印象はいかがでしょうか?

FireShot Capture 052 - 2022年上期小売業販売を振り返る;活動回復による消費動向をみていきます|経済解析室ニュース(METI_経済産業省) - www.meti.go.jp

たとえば百貨店業界は、コロナ以降、店舗数が減少傾向にあり、2010年時点と比較すると7割程度まで少なくなっています。しかし、1店舗当たりの販売額は前年同期比の14.8%増。コロナ禍の行動制限が基本解除になってきたことで、外出機会の増加・来店での買物活動の再開が影響していることが想像できます。商品別に見ると「飲食料品」「身の回り品」「婦人・子供服」に加え、貴金属や宝石などを含む「その他商品」が販売額増加に大きく関わっていて、特に高額商品群が好調であったことがわかります。

FireShot Capture 051 - 2022年上期小売業販売を振り返る;活動回復による消費動向をみていきます|経済解析室ニュース(METI_経済産業省) - www.meti.go.jp

FireShot Capture 053 - 2022年上期小売業販売を振り返る;活動回復による消費動向をみていきます|経済解析室ニュース(METI_経済産業省) - www.meti.go.jp


一方ホームセンターは、2021年はその前年のコロナ特需の反動で販売額としては減少となっていました。その傾向は2022年上期も続き、前年同期比2.5%の減少です。しかしこれは、感染症拡大前の販売額と比較してみると全体的には増加していて、全体的には「巣ごもり需要が継続」(「DIY用具・素材」「インテリア」などの売上増)との見方を示しています。

FireShot Capture 055 - 2022年上期小売業販売を振り返る;活動回復による消費動向をみていきます|経済解析室ニュース(METI_経済産業省) - www.meti.go.jp

このように市場全体を見てみると、業界全体の傾向と自社のそれが異なるという印象をお持ちの方もいらっしゃるでしょうし、その通りと思われる方もいらっしゃるでしょう。いずれにせよ、市場全体はコロナ禍前の売上状況に立ち返ろうとしている、その途中かと推測されます。

2. 店舗を視る

次に、店舗を考えてみます。

コロナ禍と違いで一番大きいのは、やはり客足の増減だと思います。来店客数の伸び悩みや減少傾向は、時期・曜日・時間によってかなり差が激しくなっているようにお見受けします。

また、店舗で働くスタッフ人数の縮小、経済不況による商品原価の高騰と販売額の上昇などは、店舗にとって拡販のマイナス要因として認識されていることでしょう。

そんな状況下で、店舗でなにができるのでしょうか?

どんな市場環境下にあったとしても、お客様はお店の外からやってくるものであり、来店いただけないと話が始まりません。入店客数を増やしていくことは、それだけ接客の機会(お客様との接点を増やす)ために必要であり、その積み重ねが売上を維持・向上させる道なはずです。

では、入店を増やすためにどんな施策が打てるのでしょうか?

入店率は上げられる?お声がけの工夫でお客様を増やす

キャンペーン広告やショーウィンドウの変更など、ビジュアル・メインな施策展開が真っ先に思い浮かぶかもしれません。店舗内の什器や商品レイアウトの見直し(いわゆるVMD)も手を付けるべき要素でしょう。しかし、費用を大きくかけずに、比較的すぐに取り組むことができ、改善効果が見やすい方法があります。

それは…声がけです!

…え!?と思った方が大多数ではないでしょうか?当たり前じゃないか、と。

ちょっと待ってください。確かに「声がけ」はごく当たり前で、極めて基本的で、誰しもやっていることです。しかしながらその声がけを、明確な目的意識を持って取り組まれていると力強く宣言することが、本当にできていますか?

「声がけの意義とポイント」と前述した理由は、その行動の目的意識を明確にして取り組むことで、より積極的かつ効果的な販売活動へとつながるからです。

3. お客様をとらえるために

まず意識していただきたいポイントは、声がけの使い分けです。これまでの経験・知見などで、店舗スタッフの皆さんは既に、これを無意識に行っていると思います。

たとえば、以下の5つに大別して、それぞれの声がけ文言やセールストークを整理すると、その時々の状況に応じて訴求できる引き出しが多くなります。

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特別感
キャンペーンや拡販強化商材など、店舗で今一番推したい内容を訴求。店内を覗きたい衝動をかき立てる
 「店内で歳末キャンペーン実施中です。ぜひお試しください!」
 「ただ今セールで店内商品最大70%オフです!」
 「大人気のオーバーオール、本日入荷しております。お急ぎください!」

② 限定感
期間や数量、販売金額に上限数を設け、数量=急がないと無くなると訴求。店内に駆け込むよう背中を押す
 「本日限りのお取り扱いです!」
 「30個限定でお出ししています。残りあとわずかです!」
 「7時までタイムセール実施中です。売れ筋商品を40%オフでご提供しています!」

③ 活用イメージ
商品の利用シーンを訴求。なるべく具体的な言葉で想像させ、実際の商品を見てみたい・触ってみたいと想像させる
 「これからの季節、お出かけ時に便利な温かいアウターをご案内しております!」
 「ご両親へのクリスマスプレゼントにも最適なマフラー、いかがですか!」

④ 付加価値
商品の特長やベネフィットを訴求。多機能・多目的を意識させることで、実際の商品を見てみたいと思わせる
 「このクリーニングセットがひとつあれば安心、どんな用途でもお使いいただけます!」
 「3WAYで秋から春先まで使えるパーカーを特価でご提供しています!」

⑤ 充実した在庫
ショーウィンドウ展示商品との合わせ技。ご覧になっているお客様に、色や形などバラエティーある商品が店内に多数取り揃えられていることを伝える
 「こちらの商品、色違い・サイズ違い取り揃えてますのでぜひご覧ください!」

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ここまで体系化させておけば、お客様の来店を促す声がけの引き出しが確実に増えます。ご経験のあるスタッフはその整理を、ご経験のないスタッフはその習得を心掛けるだけで、声がけによる来店促進とその後につながる接客の流れが非常にスムーズになると思います。

声がけが苦手なスタッフは、声をかける対象を広く持つと良いでしょう。その時はあくまで自分の声が届く範囲のみを意識すれば良く、興味を持って足を止めてくれたり、店先に近づいて来てくれる方のみに対して、丁寧にお声がけをすると緊張感が和らぎます。

拡販における声がけをご説明している中、こんなことを申し上げると矛盾するかもしれませんが、スタッフが「店内に誘導して買ってもらわなくちゃ」という強い意識を持ち過ぎるのは良くありません。それだと、お客様にその緊張感やゴリゴリのセールストークが伝わってしまうものです。焦らずに、まずは店内に足を運んでいただくことに集中してみましょう。

Shopping woman at the checkout paying by card



【さいごに】
今回は、入店の取り組みについて具体的にご紹介しました。しかし、ここに大事なことをもうひとつ、追加させてください。

それは「効果検証」です。

店舗業務において、一日中「声がけ強化策」を展開することは非常に困難だと思います。販売業務はもちろん大事ですが、それ以外の各種業務が多数存在するからです。
そこで
たとえば、声がけを強化する時間帯を予め設定し、その時間帯で集中的に実施することで、業務のメリハリができ、スタッフの集中力も高まることが期待できます。

そして、声がけに起因する関連KPI―――「来店客数」「接客数」「購買率」「売上」「客単価」「購買点数」などを、声がけ強化時間帯の前後で比較し、声がけにどのくらいの効果があったのか検証することは、必ずやっていただきたい点です。

効果測定ができなければ、その取り組みの良し悪しを判断する材料がありません。店舗の究極目標=売上だとすれば、なおのことです。

業務改善の取り組みは、その効果検証とセットでなければなりません。今回の「お客様の来店を促す取り組み=声がけ」は、一見するとその検証は難しいと思われるかもしれませんが、上記のようなメリハリのある店舗業務の流れを意識すると、その効果が見えてきます。

ぜひ取り組んでいただき、店舗の売上が伸びることを祈っています!


関連記事はこちらから:
入店率の計測で店舗のポテンシャルを把握していきましょう!

・「データがあると(現場は)確認を持って動けます」株式会社デイトナ・インターナショナル様ーUser's Voice ー


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参考:
※1 経済産業省大臣官房調査統計グループ 経済解析室/2021年小売業販売振り返り

※2 経済産業省/2022年上期小売業販売を振り返る

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